【グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金】世界が待っている!感染症対策技術の勝ち筋とは?


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経済産業省「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、グローバルサウス補助金)では中小企業なら補助率は最大2/3、小規模実証・FS事業で最大5億円の補助、大規模実証では5億円~最大40億円の補助が受けられます。

対象分野は大きく分けてDX、GX、経済安全保障の3分野に分かれますが、DX分野と紐づけることができると、日本が得意な医療・介護分野は狙い目の分野です

熱帯地域の新興国では動物や昆虫を媒介とした感染症が未だ猛威を振るっています。2026年はエボラウイルスの感染症であるエボラ出血熱がコンゴ民主共和国やウガンダで流行しており、多くの死者を産んでいます。日本政府はコンゴ民主共和国に対してUNICEFを通じて50万米ドルを緊急無償資金協力を拠出しましたが、こういった被害地域では医療インフラが脆弱であるため、多額の国際援助資金が流入するだけでは十分な対策が難しいという問題があります。今回はグローバルサウス補助金において感染症対策分野で申請する際の「勝ち筋」と、参考になる採択事例について解説します。

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なぜ「感染症対策」が狙い目なのか?

【結論】 「社会インフラ(医療・保健)」の強化という現地政府の最重要課題と、日本の高度な医療技術との「共創」が直結するため

【根拠・詳細】 多くのグローバルサウス諸国では、気候変動に伴う洪水や極端気象の影響により、蚊が媒介するマラリアやデング熱などの感染症リスクが拡大しています。また、ウガンダやコンゴ民主共和国などではエボラ出血熱のアウトブレイクが常に警戒されています。本補助金の審査においては、「事業実施国が抱える課題を解決すること」が厳しく問われますが、日本の中小企業が持つニッチで高度な医療系ITやバイオ技術等を用いて、現地の公衆衛生を改善して医療インフラを強化する事業の意義は、本補助金の趣旨にも合致しています。

勝ち筋① AI・ドローン等を活用した「感染症リスク予測・監視システム」

【結論】 気象データや現地の環境データをAIで解析し、マラリアやデング熱等の感染症の発生リスクを事前に予測・監視する「環境・感染症DXプラットフォーム」です。

【根拠・詳細】  蚊などの媒介動物による感染症は、水たまりの発生など環境要因に大きく左右されます。 広大な国土を持つアフリカ諸国などでは、人海戦術での監視は不可能です。そこで、ドローンによる空撮データや過去の災害データをAIで解析し、気象変動に伴う感染症のアウトブレイクを未然に防ぐシステムが注目されています。

下記の採択案件は衛星やドローンのデータを使うアプローチですが、気象データや人流データ等のビッグデータを軸に置いたアプローチも日本では開発されています。そのような技術を持っている企業様にはご検討をお勧めしたい戦略です。

【採択例】

ケニア共和国・ガーナ共和国・モザンビーク共和国/AI駆動型感染症リスク評価プラットフォーム導入にかかる調査事業

勝ち筋② 下水・排水モニタリングによる「病原体早期検知システム」

【結論】 上下水道や浄化槽の排水から病原体のDNAなどを検知し、感染症の発生を早期に把握する「DX型水質・衛生管理システム」です。

【根拠・詳細】衛生インフラが未発達な新興国では、水系感染症の拡大が致命的な被害をもたらします。 日本の高度なバイオ解析技術(非PCR検査など)やIoTセンサーを用いて水質を常時モニタリングする技術は、都市部だけでなく地方部の公衆衛生を劇的に向上させる力を持っています。

【採択例】

スリランカ/排水中病原体モニタリングによ る浄化槽性能アセスメントに基づくDX型水質管理システムにおけ る社会小規模実証

勝ち筋③ モバイルヘルスのためのハード設備と遠隔診療システム

【結論】  「ポータブル機器と通信アプリを組み合わせた遠隔診療基盤」は、感染症のアウトブレイク時などに、地方部の患者と都市部の専門医を即座に繋ぐための極めて強力なインフラとなります。

【根拠・詳細】 感染症のアウトブレークを防ぐ水際対策では、患者との最初の接触地点(一次医療機関や保健師)での迅速なデータ共有と遠隔からの専門的支援、院内感染状況のモニタリングが不可欠です。 日本のIT中小企業が持つアプリ開発技術やクラウドデータ基盤を現地の保健ネットワークと連携して展開する事業は、スケーラビリティ(横展開のしやすさ)の観点から事業展開を計画しやすい分野です。

グローバルサウス補助金の過去採択事例では、感染症対策に限った遠隔診療システムの事例はありませんが、非感染症対策も含めた類似事例としては次の事業が挙げられます。

【採択例】

ケニア共和国/医療機関における日本発抗菌薬・衛生用品の適正使用に向けたDX活用調査事業
ケニア共和国/X 線画像検査及び体外診断用機器を活用した巡回検診に関する実証事業

なお、26年6月に京セラが感染症対策に限った遠隔検査技術システムを発表しています。このシステムは2028年以降に発売目標とされており、随分と先を見据えた発表です。システムと一言で言っても、DXや微細加工など複数の先端技術が必要となるため、1社で完結することは大企業といえども難しいようです。また、完璧を期するなら、検査システムのほか、院内感染を防御するための装備や設備、システムも必要となります。感染症対策分野は、得意分野を持つ複数の企業がコンソーシアムを組むことで実効性が担保できる領域と言えます。

まとめ:感染症対策を「事業計画」に落とし込むには?

今回解説した、グローバルサウス補助金申請における感染症対策・公衆衛生分野のポイントを整理します。

1.リスク予測・監視:AIやドローンを用いて、極端気象に伴う蚊媒介感染症(マラリア等)のリスクを予測する。

2.水質・病原体検知:IoTやバイオ技術を用いて、下水や排水からの病原体検知システムを構築する。

3.モバイルヘルス基盤:アプリやクラウドを用いて、地方部の保健データを一元化し、アウトブレイク時の迅速な対応を可能にする。

感染症対策・公衆衛生分野での事業化は現地の病院や政府機関、国際援助機関との連携が欠かせません。

政府や医療機関の財政基盤がぜい弱な国々では国際援助の資金と医療技術者の派遣を実施している国際援助機関や大規模NGOを事実上の協業先かつ顧客とするアプローチが必要になります。資金力を持った販売先が限定されるため、単発で売り切るのではなく、サブスクリプション型のビジネスにする課金型ビジネスで持続性を担保する必要もあります。今回挙げたデータ・モニタリング系の技術は、そのような戦略も採用しやすい領域です。

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アクセルパートナーズは新興国への事業展開支援の実績が豊富な国際コンサルタント達を提携パートナーに含んでおり、進出国ごとの注意事項をアドバイスさせて頂きます。また、約200人の中小企業診断士や会計専門家達を擁しますので、事業計画や組織・財務戦略の策定もサポート可能です。

アクセルパートナーズの主な支援内容:

  1. 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
  2. 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
  3. 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
  4. 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。

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土井 アキラ
この記事の編集: 土井 アキラ
中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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