最大40億円!新興国進出を後押しするグローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金が求める「共創」とは?
  


土井 アキラ
編集: 土井 アキラ
中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

【この記事のポイント】

  • 2026年3月末に公開された「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、「グローバルサウス補助金」と略称)は最大40億円・補助率2/3で、新興国進出(GX・DX等)を支援する大型補助金。
  • 採択のカギは「共創」。単なる輸出ではなく、現地課題の解決とリバースイノベーションまでが求められる。
  • 審査では事業化ストーリーと政策整合性が重視され、戦略的事業計画の設計が不可欠。

2026年3月30日、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、グローバルサウス補助金)の募集要項(暫定版)が公開されました。中小企業なら補助率は最大2/3、大型事業では上限40億円規模の支援が受けられます。

一方で、この補助金は単なる製品輸出や海外進出では採択されません。
カギとなるのは、現地とともに価値を生み出す「共創」という考え方です。

日本政府も通商戦略の中で、グローバルサウス諸国との「共創」を通じた海外活力の取り込みを重視しており、本補助金もその流れの中で位置づけられています。

本記事では、採択の分かれ目となる「共創」の具体的な意味と、経産省が推進する政策の背景を踏まえながら、評価されるポイントを整理します。

なぜ、いま新興国進出が国に後押ししてもらえるのか?

日本政府が「グローバルサウス補助金」を通じて新興国進出を支援する主な理由は、以下の2点に集約されます。

理由1. グローバルサウス諸国との経済連携を通じた日本経済の活性化

経済産業省の「2025年度通商白書」では、「海外活力の取り込みに向けたグローバルサウス・同志国との共創と輸出促進」が通商戦略の柱として明記されています。

これは、欧米や中国向けの輸出拡大が困難な現状において、急成長を遂げる新興国の成長力を日本の経済成長に取り込むことが急務となっているためです。

理由2. マスタープラン策定(政策・制度策定支援)を通じた日本企業の優位性確立

政府は、GX、再生可能エネルギー、電力系統、半導体、蓄電池、資源循環などの重要分野において、「マスタープラン策定」を通じた制度整備を推進しています。

新興国では、最新技術を受け入れるための法規制や運用ルールが未整備なことが多いため、その土台(マスタープラン)作りを日本政府が支援していく戦略です。
その結果として、安全性や品質に問題のある廉価品が市場から排除され、日本の優れた技術が現地の「標準」として認められることで日本企業が参入しやすい環境が構築されます。

採択と不採択を分ける大前提:「共創」とは?

グローバルサウス補助金の採択を分ける最大のポイントは、「共創」を前提とした事業になっているかどうかです。

まず押さえておきたいのは、単なる製品輸出では採択されないという点です。
日本国内向けに開発した製品をそのまま海外に持ち込むだけでは、現地ニーズとのズレや価格競争で失敗することが多く、仮に受け入れられたとしても模倣されやすいのが現実です。

一方で、海外市場でも競争力を持つのは、現地の課題や使用環境に合わせて活用できる「中核技術」を持つ企業です。
こうした技術は、現地パートナーと連携しながら最適化することで価値を発揮し、さらに現地で得られた知見を日本に持ち帰ることで、新たな技術革新(リバースイノベーション)にもつながります。

つまり、製造・販売だけでなく、企画・開発の段階から海外パートナーと一体となって価値を生み出していくこと。
これが、現代の海外展開における「共創」の基本的な考え方です。

そのうえで、経済産業省が本補助金で求める「共創」には、さらに明確な条件があります。

経済産業省の定義する「共創」

小規模実証・FS事業の暫定版募集要項、通商白書などの記載を踏まえると、経産省の考える「共創」のポイントは以下の3点に整理できます。

  • 単なる一方的支援ではない新興国の課題解決に協力する双方向のパートナーシップであること。その上で、現地での実証事業等から得られたデータや知見をもとに、日本国内へ還流可能な新たなイノベーションの種を創出すること。
  • 単なる製品の輸出ではない:現地での「デファクトスタンダード(標準)の獲得」も求められる。
  • 審査の鍵相手国との経済連携強化にどれだけ寄与するか、実証終了から数年(事業の種類によって3年ないし5年)以内の事業化、将来的な日本国内の雇用増加等の具体的ストーリーが問われる

政府事業である以上、相手国・地域との連携協定に沿っていること、社会課題解決への貢献という要素が審査される点には注意が必要です。
意識すべき連携協定については、募集要項の中で毎回列挙されます。

採択を勝ち取るための事業展開ストーリー

ここまで読んで頂いた方の中には、「自分の会社はこの補助金に手が出ないのでは?」と不安に思う方が少なくないかもしれません。

実際、GX・DX・経済安全保障、インフラ関連など分野が限定的であること、相手国の社会課題解決に資することに加え、申請する技術は日本国内で既に実証段階を終えていることも求められます。

しかし、これらの条件をクリアできる企業の場合、規模や売上の大小に限らず補助を受けるチャンスがあります。
実際、これまで創業期のベンチャー企業も採択されてきました。

結局、その技術・製品がどのように経済産業省の描く「共創」のストーリーを実現できるのか、という説得力のある事業計画と判断材料を伝えきることが採択への鍵なのです。

まとめ:新興国進出と「共創」が高額補助金で後押しされる理由

グローバルサウス進出が推進される背景 

現在、欧米や中国向けの輸出拡大が困難な状況にあります。
そのため、新興国の成長力を取り込む通商戦略が急務となっています。

補助金採択の鍵となる「共創」の定義 

経済産業省が申請企業に求める「共創」とは、単なる既存製品の輸出や一方的な支援ではありません。
現地ニーズに合わせて中核技術を活用し、そこで得た知見で「リバースイノベーション」を起こし、日本経済にメリットを還流させることが「共創」の真の目的です。

企業に求められる姿勢 

したがって進出企業には、単なる一ビジネスにとどまらず、両国政府の連携協定を踏まえた公的な意識と、現地と持続的な価値を創出する姿勢が強く求められています。

アクセルパートナーズの「グローバルサウス補助金」トータル支援サービス

アクセルパートナーズでは、新興国の社会課題、それらの国での日本政府の取り組みや国際連携等に関する調査、また実際の現地活動の推進について、類似業務の実績が豊富な国際コンサルタント達を提携パートナーに含んでいます。

また、約200人の中小企業診断士や会計専門家達が事業計画の策定もサポート可能ですので、申請企業様は「共創」のストーリーづくりと体制的準備(組織体制やファイナンス面の準備など)にご注力いただけます。
採択後の証憑管理・実績報告や現地調整の負担も含め、以下のようなバックアップが可能です。

アクセルパートナーズの主な支援内容:

  1. 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
  2. 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
  3. 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
  4. 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。

「自社が対象になるか知りたい」「直近の締切に間に合わせたい」など、活用をご検討の際は、まず無料相談にてご構想をお聞かせください。

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グローバルサウス補助金を中小企業が活用する際の要件と対象国については以下の記事をご覧ください▼

グローバルサウス補助金の対象地域と補助率、各事業の特徴については以下の記事をご覧ください▼

土井 アキラ
編集: 土井 アキラ
中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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