グローバルサウス補助金の対象地域と補助率は?小規模実証・FS事業、大型実証事業の比較と概要
  


土井 晶
 編集:土井 晶
 中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

【この記事のポイント】

  • 2026年3月に公開された「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、「グローバルサウス補助金」と略称を使用)は、新興国進出を支援する最大2/3(上限40億円)の大型補助金です。
  • 中小企業が使いやすい「小規模実証・FS事業」の公募締切は【2026年5月11日(月)12時必着】と迫っており、早急な準備が必要です。

2026年3月30日、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(グローバルサウス補助金)の募集要項(暫定版)が公開されました。

今回の公募は、新興国市場への進出を狙う日本企業にとって過去最大級の支援策です。

補助率は最大2/3、大型事業では数十億円規模の支援が受けられます。

本記事では、小規模実証・FS、大型(ASEAN)、大型(非ASEAN)の3つの事業について、対象地域、補助率、公募内容の違いやスケジュールを分かりやすく比較・解説します。

2026年3月公開のグローバルサウス補助金とは?3つの公募事業の全体像

グローバルサウス補助金(グローバルサウス未来志向型共創等事業)は、東南アジア、南西アジア、アフリカ、中南米などの新興国・途上国が抱える社会課題を、日本の優れた技術やサービスで解決することを目的とした制度です。

今回の公募は以下の3つの柱で構成されています。

  1. 小規模実証・FS事業:進出の足掛かりとなる調査や小規模な実証を支援します。
  2. 大型実証事業(ASEAN地域):成長著しいASEAN諸国での本格的な大規模な実証を支援します。
  3. 大型実証事業(非ASEAN地域):アフリカ、中南米、中東など広域な地域での大規模な実証を支援します。

【比較表】小規模FS・大型ASEAN・大型非ASEANの対象地域と補助率は?

各事業の主要な要件と最新のスケジュールを以下の表にまとめました。
自社の検討しているプロジェクトがどの枠に該当するかご確認ください。

項目 小規模実証・FS事業 大型実証(ASEAN) 大型実証(非ASEAN)
主な目的 事業化に向けた調査・実証 ASEANでの社会課題解決 非ASEANでの市場獲得・実証
補助上限額 ・FS:上限1億円

・小規模実証:上限5億円

下限5億円超〜上限40億円 下限5億円超〜上限40億円
補助率 最大 2/3(中小企業) 最大 2/3(中小企業) 最大 2/3(中小企業)
対象地域 グローバルサウス全域 ASEAN加盟10か国 アフリカ、中南米、中東等
事業期間(交付決定起点) ・FS12か月以内
・実証:18か月以内
約3年間(2030年2月末まで) 約3年間(2030年2月末まで)
令和7年度公募締切 2026年5月11日(月)12時 必着 未定(申請開始は2026年6月頃を予定) 未定(申請開始は2026年6月頃を予定)

※補助率や上限額は、共同申請の有無や企業の規模(中小企業か大企業か)によって変動します。詳細は必ず最新の募集要領をご確認ください。

小規模実証・FS事業の公募内容は?新興国進出の「初期調査」に最適な理由

「まずは現地のニーズを知りたい」「自社の技術が適合するか実証したい」というフェーズの企業には、小規模実証・FS枠が最適です。 

令和7年度補正の公募締切は【2026年5月11日(月)12時】となっており、迅速な事業計画の策定が求められます。

小規模実証・FS事業の特徴

  • 活用のメリット:現地パートナーの開拓費用や、実証に必要な機器の輸送費、コンサルティング費用が広く対象となります。
  • 対象分野:GX(脱炭素)、DX(デジタル化)、経済安全保障の3分野を対象に、以下の「インフラ」に関わる事業展開を支援します。
     ・経済インフラ:情報通信、エネルギー、交通、都市基盤等
     ・社会インフラ:医療、介護ヘルスケア、農業・食品、廃棄物処理等
     ・防災等
  • 経営的視点:本格的な設備投資(大型実証)に進む前に、市場性を確認するための「失敗しないための先行投資」として活用できます。自己負担を抑えながら、初期段階での市場参入リスクを低減できます。
  • 留意点:事業終了後、概ね5年以内の受注・事業化を求められます。

大型実証(ASEAN / 非ASEAN)の要件は?下限5億円超の大型支援

タイ、ベトナムなどのASEAN諸国、およびインドやアフリカ等の非ASEAN諸国を対象に、下限5億円超〜上限40億円という大規模な実証・商業化を支援する枠です。対象分野は小規模実証・FS事業と同様、GX(脱炭素)、DX(デジタル化)、経済安全保障の3分野です。

大型実証事業(ASEAN / 非ASEAN)特徴

  • ポイント:単なる製品の輸出ではなく、現地での「デファクトスタンダード(標準)の獲得」や「共に価値を作る共創」が強く求められます。
  • 審査の鍵:相手国との経済連携強化にどれだけ寄与するか、また実証終了から原則3年以内の事業化と、将来的な日本国内の雇用増加にどう還流するかが問われます。
  • 留意点:事業規模が大きいため、相手国政府・機関とのMOU(合意文書)やレターの提出が審査において重要視されます。また、事業終了後3年以内の事業化を求められます。

申請時に選択が必要な「3つの事業類型」

本補助金には、審査で重要視される3つの類型があります。
申請時は、自社の事業がどこに当てはまるかを明確にする必要があります。

  • 1. 我が国のイノベーション創出につながる共創型:現地での知見を日本に持ち帰り、国内産業を活性化(リバースイノベーション)させる。
  • 2. 日本の高度技術海外展開型:日本の優れた技術で現地のデファクトスタンダード(標準)を獲得し、日本の雇用増につなげる。
  • 3. サプライチェーン強靱化型:特定重要物資の供給網を多角化し、日本の経済安全保障に寄与する。

まとめ:自社はどの枠で申請すべき?経営判断のポイント

グローバルサウス補助金は、単なる「海外進出経費の補填」ではなく、「中長期的な事業成長」のためのブースターとして捉えるべきです。

  • 調査段階であれば「小規模実証・FS」
  • ASEANでの確実な出口(事業化)が見えているなら「大型実証(ASEAN)」
  • フロンティア市場で先行者利益を狙うなら「大型実証(非ASEAN)」

まずは、自社の海外戦略のフェーズがどこにあるかを整理し、募集締め切りに向けたスケジュールを逆算して準備を進めましょう。

特に「小規模実証・FS事業」は締切が直前に迫っているため、逆算して今すぐ準備を進める必要があります。

グローバルサウス補助金に関するよくある質問(FAQ)

Q:小規模実証・FS事業の公募締切はいつですか?
A:令和7年度補正の小規模実証・FS事業の公募締切は、2026年(令和8年)5月11日(月)12時必着です。Jグランツ等での電子申請となるため、GビズIDの事前取得など早めの準備が必要です。

Q:中小企業と大企業で補助率は変わりますか?
A:原則として中小企業は「2/3以内」、大企業は「1/2以内」となります。共同申請を行う場合、2/3の補助率を適用するには構成員すべてが中小企業である必要があります。

Q:対象となる「グローバルサウス諸国」の具体的なリストはありますか?
A:募集要領に記載があります。特に非ASEAN枠では対象国が広いため、事務局への事前確認を推奨します。

アクセルパートナーズの「グローバルサウス補助金」トータル支援サービス

グローバルサウス補助金は、難易度の高い事業計画の策定だけでなく、採択後の証憑管理・実績報告や現地調整の負担が非常に重い補助金です。

アクセルパートナーズでは、グローバルサウス諸国への事業展開支援に実績のある中小企業診断士を中心とした専門チームが、申請から事業完了までを一気通貫でサポートします。

アクセルパートナーズの主な支援内容

  1. 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
  2. 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
  3. 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
  4. 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。

「自社が対象になるか知りたい」「直近の締切に間に合わせたい」など、活用をご検討の際は、まず無料相談にてご構想をお聞かせください。

お問い合わせはこちら▼
https://listing-partners.com/gbiz/subsidy_form/

 

土井 晶
 編集:土井 晶
 中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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