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【グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金】タイで実証事業を妨げる現地制度リスクとは?(①申請準備編)
  


土井 アキラ
編集: 土井 アキラ
中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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2026年6月末現在、経済産業省「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、グローバルサウス補助金)は第1回大規模実証事業(ASEAN枠と非ASEAN枠)の公募中です(〆切は6月30日)。中小企業なら補助率は最大2/3、FSで最大1億円、小規模実証で最大5億円、大型実証だと5億円~最大40億円の支援が受けられます。今回はASEANの中心国、タイでの実証事業を計画する際に留意しておくべき行政リスクを説明します。

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相手国政府との書面手続き遅延リスク  

グローバルサウス補助金の大型実証事業は、補助金額が5億円超〜最大40億円という非常に規模の大きな事業です。 実証事業の審査では、対象国政府や公共機関とのMOUなどのレターの写しが加点項目(大企業は必須)となります。 つまり、検討段階で相手国政府機関の同意と協力関係を得ていることが事実上求められますMOUなど公式レターの署名には通常1か月程度はかかるため、早期の準備が必要です。また分野や実証内容によっては、複数の行政機関の手続きを事前に確認し、クリアしておく必要なケースもあります。

タイの場合、相手方機関(カウンターパート)によっては各種手続きやMOU等に関する書面は英語に加えてタイ語での作成を求められる場合があります。大型実証事業は公募期間がひと月しかないため、必要書類の手配に時間的余裕がない場合は、最初からタイ語版の文書を提出しておき、行政機関から突然タイ語版文書を求められるリスクに備えておきましょう。

現地入札の発生による「事業対象外」リスク

これは全ての対象国・分野を対象としたルールですが、事業実施期間中に事業実施国における入札等の影響により本事業の実施に支障が出る可能性がある場合は、本補助金事業では対象外と見做されます。GXやDXに関連する規制、入札制度が整備されているタイの場合、実証事業の対象システムや設備が、公共入札を経なければ導入できない建付けになっているケースがあり得ます。この場合、途中で他国企業などに落札されて実証が継続できなくなる恐れがあります。事前に現地パートナーやカウンターパート機関と調整し、実証期間中に入札リスクにさらされない契約形態や法的枠組みを確保した上で、そのようなリスクがないことを申請書で明記しておきましょう。

実証機材が輸出入管理対象(デュアルユース品目)に該当するリスク

近年、タイでは実証事業で多用される「高度な産業用センサー、ドローン、通信暗号化機能を持つソフトウェア、工作機械」などの輸出入において、商務省や税関への事前登録・エンドユーザー証明の義務付けが非常に厳しく運用されるようになりました。日本側で経済産業省の輸出許可(外為法)をクリアしていても、タイ側の手続きが完了するまで貨物が保税倉庫に留め置かれ、実証事業のスケジュールや予算(保税倉庫に留められている期間の管理料が発生)を圧迫する要因となり得ます。この対策としては、商務省直轄の公式プラットフォームで対象品目を事前確認しておき、該当する場合はタイ側での手続きに要する期間とコストを読み込んだ計画を立てておきましょう。

BOI(タイ投資委員会)の投資優遇ルールと実証内容のアンマッチ・リスク

BOIは2024年〜2025年にかけて投資奨励恩典(優遇措置)の対象業種を拡充した一方で、「BCG(バイオ・循環型・グリーン)経済」への貢献度や「高度な技術移転」の証明要件を厳格化しています。EV(電気自動車)サプライチェーン、脱炭素・省エネ技術、高度デジタル(AI・データセンター)への優遇が突出する一方で、伝統的な製造業や単純なサービス業への外資参入は優遇されにくくななりました。この結果、グローバルサウス補助金の事業計画そのものが、タイの現在のBOIの重点カテゴリーに合致していない場合、実証後に外資100%での事業化(直接投資)を認めさせる認可(BOI Certificate)を得ることが極めて難しくなっています。BOIの重点カテゴリーは公式ホームページで確認できます。判断に迷う場合、東京と大阪にあるBOIオフィスに相談してもよいでしょう。

手続き遅延に焦り「金品要求」に応じるリスクとは?

不測の理由で手続きが遅延する場合、現地パートナーなどから「手数料を払えば、手続きの順番を早められる」と暗に金品を要求されるケースがあり得ます。しかし、本事業は日本政府の公金(国費)を使った補助事業です。公募要領には厳格なルールがあります。

  • 応募資格:「国内外の法令・公序良俗に反する業務を行っていないこと」
  • 発覚時のペナルティリスク:採択取消、加算金・延滞金を含めた補助金の全額返還
  • 社会的信用の喪失リスク:経済産業省からの補助金交付等停止措置(指名停止)

役所の手続きを強引に進めるため、行政官からの「金品(賄賂)の要求」に応じることは絶対のタブーです。きっぱりと断らなければなりません。

まとめ

グローバルサウス諸国の中でも行政制度が比較的整備されているタイの場合、様々な規制が時流に対応して更新されます。進出する分野での公共入札制度や投資優遇措置等は事前に確認した上で、タイ語と英語の両方でカウンターパート機関とMOUを取り交わしましょう。MOUの取り交わしに時間がかかっても、金品などの要求には応じないでください。

アクセルパートナーズの「グローバルサウス補助金」トータル支援サービス

ベトナムだけでなく、他のASEAN諸国やインドなどでも実証事業を妨げ得る様々な制度があります。アクセルパートナーズは新興国への事業展開支援の実績が豊富な国際コンサルタント達を提携パートナーに含んでおり、進出国ごとの注意事項をアドバイスさせて頂きます。また、約200人の中小企業診断士や会計専門家達を擁しますので、事業計画や組織・財務戦略の策定もサポート可能です。

アクセルパートナーズの主な支援内容:

  1. 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
  2. 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
  3. 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
  4. 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。

「自社が対象になるか知りたい」「直近の締切に間に合わせたい」など、活用をご検討の際は、まず無料相談にてご構想をお聞かせください。
お問い合わせはこちら▼ https://listing-partners.com/gbiz/subsidy_form/

グローバルサウス補助金の対象地域と補助率、各事業の特徴については以下の記事をご覧ください▼

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土井 アキラ
編集: 土井 アキラ
中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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