【サイバーセキュリティ】セキュリティ製品の見積もりが高すぎる? ― 相場感と費用を半分にする方法
~「想像以上に高い」を解決する3つのアプローチ~
「セキュリティ対策をやらなければと思ってベンダーに見積もりを頼んだら、想像以上に高くて驚いた」
中小企業の経営者からよく聞く声です。UTMだけで100万円以上、EDRを全端末に導入すると年間数十万円、バックアップシステムの構築で50万円……合計すると数百万円の見積もりになり、「うちの規模でこんなにかかるの?」と戸惑ってしまう。
しかし、その見積もりは本当に適正でしょうか。実は、中小企業が受け取るセキュリティ製品の見積もりには、「自社に不要なオプション」「オーバースペックな構成」「透明性の低い保守費用」が含まれていることがあります。そして、サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用すれば、対象経費の1/2を助成してもらえることを知らない企業も多いのです。
このコラムでは、セキュリティ製品の費用相場と、見積もりを適正化して実質負担を大幅に下げる方法を解説します。
この記事でわかること
・中小企業向けセキュリティ製品の費用相場(UTM、EDR、EPP、MDM等)
・見積もりが高くなる3つの原因と対策
・サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用した費用削減シミュレーション
・中立的な専門家と一緒に製品を選定するメリット
1. セキュリティ製品の費用相場 ― 中小企業の場合
まず、中小企業がよく導入するセキュリティ製品の費用相場を整理しましょう。以下の表は、従業員30〜100名程度の中小企業を想定した目安です。
| 製品カテゴリ | 製品の役割 | 初期導入費の目安 | 年間ランニングコストの目安 |
|---|---|---|---|
| UTM(統合脅威管理) | ネットワーク境界の防御 | 30万〜150万円 | 10万〜30万円(保守・更新費) |
| EPP(ウイルス対策) | 端末のウイルス防御 | 5万〜15万円 | 5万〜20万円(ライセンス費) |
| EDR(端末監視) | 端末の不審挙動を検知・対処 | 10万〜30万円 | 15万〜60万円(ライセンス費) |
| MDM(モバイル管理) | スマホ・タブレットの管理 | 5万〜20万円 | 10万〜30万円(ライセンス費) |
| バックアップ | データの保護・復元 | 20万〜100万円 | 5万〜20万円(保守・クラウド費) |
| IT資産管理 | デバイス・ソフトの一元管理 | 10万〜30万円 | 10万〜40万円(ライセンス費) |
これらを複数組み合わせると、初期費用だけで100万〜400万円程度になることが一般的です。ここに年間のランニングコストが加わります。
ただし、上記はあくまで「相場」であり、自社に必要な製品だけを、適正な構成で導入すれば、この範囲の下限で済むケースも多くあります。
2. 見積もりが高くなる3つの原因
なぜ中小企業のセキュリティ製品の見積もりは高くなりがちなのか。主な原因は3つあります。
原因1:オーバースペックな構成を提案されている
セキュリティ製品のベンダーは、「万が一」を考えて必要以上にハイスペックな構成を提案する傾向があります。従業員30名の会社に、1,000名規模に対応できるUTMを提案するようなケースです。
また、「将来の拡張を見越して」という理由で上位モデルを勧められることもありますが、セキュリティ製品は3〜5年でリプレイスするのが一般的です。現在の規模に合った適正なスペックを選ぶべきです。
原因2:不要なオプションが含まれている
見積書を細かく見ると、自社では使わないであろう機能のオプションが含まれていることがあります。たとえば、社内にWebサーバーを持っていないのにWAF(Web Application Firewall)機能が含まれている、リモートアクセスをほぼ使わないのにVPNオプションが追加されているなどです。
見積書の各項目が「自社で本当に使うか」を一つひとつ確認することが大切です。
原因3:保守費用の内訳が不透明
セキュリティ製品には、導入後の保守・サポート費用がかかります。しかし、この保守費用の内訳が不明確な見積もりが少なくありません。「年間保守費:50万円」とだけ記載されていて、何が含まれているのかがわからないケースです。
保守費用には通常、以下のような項目が含まれます。
・ソフトウェアのアップデート費用
・ハードウェアの故障時の交換対応
・技術サポート(電話・メール)
・ログ監視・レポート作成
これらのうち、自社に必要なサービスだけを選んで契約することで、保守費用を適正化できます。
3. 費用を半分にする3つのアプローチ
見積もりが高いと感じたとき、具体的にどうすれば費用を適正化できるのか。3つのアプローチをご紹介します。
アプローチ1:サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用する
東京都内の中小企業であれば、サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用することで、対象経費の1/2(最大1,500万円)の助成を受けられます。これが最もインパクトの大きい費用削減方法です。
以下に、サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用した場合のシミュレーションを3パターンお示しします。
パターンA:基本的なセキュリティ対策を導入する場合
| 導入内容 | 導入費用 | 助成額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| UTM機器+設置費 | 80万円 | 40万円 | 40万円 |
| EPP(30台分・年間) | 15万円 | 7.5万円 | 7.5万円 |
| バックアップシステム | 30万円 | 15万円 | 15万円 |
| 合計 | 125万円 | 62.5万円 | 62.5万円 |
パターンB:包括的なセキュリティ対策を導入する場合
| 導入内容 | 導入費用 | 助成額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| UTM機器+設置費 | 120万円 | 60万円 | 60万円 |
| EDR(50台分・年間) | 100万円 | 50万円 | 50万円 |
| バックアップシステム | 50万円 | 25万円 | 25万円 |
| IT資産管理ツール | 30万円 | 15万円 | 15万円 |
| 合計 | 300万円 | 150万円 | 150万円 |
パターンC:大規模なセキュリティ基盤を構築する場合
| 導入内容 | 導入費用 | 助成額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| UTM機器+設置費(複数拠点) | 300万円 | 150万円 | 150万円 |
| EDR(100台分・年間) | 200万円 | 100万円 | 100万円 |
| MDM(50台分・年間) | 60万円 | 30万円 | 30万円 |
| バックアップ+IT資産管理 | 140万円 | 70万円 | 70万円 |
| 合計 | 700万円 | 350万円 | 350万円 |
いずれのパターンでも、サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用することで実質負担が半額になります。「セキュリティ対策は高い」と感じている経営者にとって、サイバーセキュリティ対策促進助成金は非常に大きな味方です。
サイバーセキュリティ対策促進助成金の申請手続きに不安がある場合は、サイバーセキュリティ対策促進助成金 申請サポートサービスをご利用ください。SECURITY ACTION二つ星の取得から申請書の作成、採択後の実績報告までトータルでサポートいたします。
アプローチ2:中立的な専門家に製品選定を依頼する
セキュリティ製品のベンダーは自社製品を売るのが仕事です。一方、製品を販売しない中立的な専門家に相談すれば、御社に本当に必要な製品だけを、複数メーカーの中から最適なものを選定してもらえます。
アクセルパートナーズのセキュリティ製品導入支援サービスは、特定メーカーの代理店ではないため、偏りのない提案が可能です。製品選定費用はかかりますが、オーバースペックな製品や不要なオプションを排除することで、結果的にトータルコストが下がるケースがほとんどです。
アプローチ3:優先順位をつけて段階的に導入する
すべての対策を一度に導入する必要はありません。リスクの高い対策から優先的に導入し、3年程度のスパンで段階的に整備していくアプローチも有効です。
| フェーズ | 時期 | 導入内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1フェーズ | 1年目 | UTM+EPP(最低限の防御基盤) | 50万〜100万円 |
| 第2フェーズ | 2年目 | EDR+バックアップ(検知・復旧力の強化) | 50万〜150万円 |
| 第3フェーズ | 3年目 | MDM+IT資産管理(管理体制の高度化) | 30万〜80万円 |
各フェーズでサイバーセキュリティ対策促進助成金を活用すれば、さらに自己負担を抑えることができます。サイバーセキュリティ対策促進助成金は年に複数回の公募がありますので、フェーズごとに申請することも検討できます。
こうした中長期的なセキュリティ計画の策定には、セキュリティ伴走コンサルティング(vCISO)が最適です。毎月の定例で計画の進捗を確認しながら、段階的な導入を着実に進められます。
4. 見積書チェックリスト ― ベンダーに確認すべき7つの質問
ベンダーから見積書を受け取ったら、以下の7つの質問を投げかけてみてください。
1. 「この構成は、従業員○名の企業に適正なスペックですか?」:オーバースペックでないかを確認
2. 「この見積もりに含まれるオプション機能のうち、当社で使わないものはどれですか?」:不要なオプションを洗い出す
3. 「保守費用の内訳を教えてください」:何にいくらかかっているかを明確にする
4. 「初年度と2年目以降で費用は変わりますか?」:ランニングコストの将来見通しを把握する
5. 「同等の機能を持つ他社製品と比較した場合の価格差はどの程度ですか?」:市場相場との比較
6. 「サイバーセキュリティ対策促進助成金の対象になる経費はどれですか?」:助成金活用の可能性を確認
7. 「導入後、自社の担当者が運用するのに必要なスキルレベルは?」:運用可能性を事前に確認
これらの質問に対するベンダーの回答を比較検討する際に、セキュリティの専門家のセカンドオピニオンがあると安心です。リモートセキュリティ顧問サービス(月額5万円〜)なら、見積書の内容について気軽に相談できます。
まとめ
セキュリティ製品の見積もりが高いと感じたら、まずは「なぜ高いのか」を分析しましょう。
・費用相場を把握して、見積もりが適正かどうかを判断する
・オーバースペック・不要オプション・不透明な保守費用がないかをチェックする
・サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用すれば、対象経費の1/2(最大1,500万円)の助成を受けられる
・中立的な専門家に製品選定を依頼することで、過剰投資を防ぐ
・段階的な導入で初年度の負担を抑えつつ、計画的にセキュリティレベルを引き上げる
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参考・出典
・東京都中小企業振興公社「サイバーセキュリティ対策促進助成金」公式ページ
・IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第3.1版」 https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html
・経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」 https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html







