Warning: Undefined array key "HTTP_ACCEPT_LANGUAGE" in /home/accelpartner/listing-partners.com/public_html/accel/wp-content/themes/twentynineteen/header-gbiz.php on line 139

【人材育成】「次世代リーダー研修」を続けても、なぜ自社のリーダーが増えないのか
  


鴨居 陽介
編集: 鴨居 陽介
アクセルパートナーズ 取締役・中小企業診断士

国内Sier企業でシステムエンジニア、PM、研修講師、法人営業を経験。 人と組織の成長を支えるマネジメントに携わる。2023年 中小企業診断士登録。2025年 アクセルパートナーズの理念や行動指針に強く共感し、取締役として参画。

「次世代リーダー研修を毎年実施しています。でも、実際にリーダーとして機能している人材が増えた実感がなくて…」

こうした声は、人事担当者から驚くほど頻繁に聞かれます。

次世代リーダーの育成は、多くの中堅企業にとって最重要の経営課題のひとつです。その課題意識から、リーダーシップ研修に継続的な投資を行っている企業は少なくありません。ところが、研修の回数と実際に輩出されるリーダーの数が比例しないという現象が、至るところで起きています。

なぜ投資が成果に結びつかないのか。そこには、リーダー育成に関する根本的な誤解があります。本稿では、次世代リーダー研修が機能しない構造的な理由と、実際に「リーダーが生まれる組織」が実践していることをお伝えします。


第1章|研修の「回数」と「リーダーの輩出数」が比例しない現実

リーダーシップは、知識として学べるものでしょうか。

「リーダーシップの本質とは」「変革型リーダーの5つの特徴」——こうした内容の研修は、受講者に重要な知識や視座を与えます。しかし、研修室でリーダーシップを「知ること」と、実際の組織でリーダーとして「機能すること」のあいだには、大きな溝があります。

この溝を生む最大の要因は、「経験の欠如」です。リーダーは知識で育つのではなく、経験と内省の繰り返しによって育ちます。研修という場は、その経験を補うことができません。

これは研修の否定ではありません。研修が「経験の前提知識」として機能する設計になっていないことが問題なのです。


第2章|リーダー育成研修が機能しない5つの落とし穴

パターン①|研修が「インプット完結」になっている

研修で学んだことを、実際の業務でアウトプットする機会が設計されていない。インプットだけで完結する研修は、知識として頭に残るだけで、行動には変わりません。「研修後にどう使うか」の設計が欠かせません。

パターン②|参加者の選定が「優秀者の報酬」になっている

「優秀だから研修に参加させる」という発想で対象者を選ぶと、研修が「ご褒美」になります。その場合、参加者の意識は「学んで成長する」ではなく「選ばれた自分への確認」になりがちです。リーダー育成は、選抜の場ではなく挑戦の場として設計される必要があります

パターン③|研修が「現場から切り離されている」

研修で学ぶ内容が、受講者の現在の業務・課題と連動していない。学んだことを試せる場が研修の外にない。現場から切り離された研修は、どれだけ内容が優れていても”浮いた知識”として消えていきます

パターン④|「リーダーになること」が本人の目標になっていない

会社がリーダーに育てたいと思っている人材が、本人にその意志を持っていないケース。あるいは、何のためのリーダーなのかが腹落ちしていないケース。外から「リーダーになれ」と押しつけても、内発的動機がなければ成長しません

パターン⑤|研修後のフォローアップがない

研修は終わったら終わり。その後に学びを振り返り、行動に移し、また内省する機会がない。学びの定着には「反復」と「対話」が不可欠ですが、多くの研修プログラムは研修当日で完結してしまっています


第3章|リーダーに育った人物に共通する「修羅場経験」の構造

実際に組織のリーダーとして機能するようになった人材を振り返ると、ひとつの共通点があります。それは、「修羅場」と呼べる経験を乗り越えていることです。

修羅場とは、答えが見えない状況で判断を迫られた経験、失敗しても諦めずに立て直した経験、対立を乗り越えてチームを動かした経験——そうした「正解のない状況との格闘」です。

特徴①|「正解のない問い」に向き合っている

リーダーに育つ人材は、決まった答えがある課題ではなく、誰も答えを知らない問いに向き合う経験を持っています。その経験が、不確実性の中で判断する力を育てます。

特徴②|失敗の後に「内省と再挑戦」がある

失敗そのものは成長の材料ではありません。失敗を内省し、そこから学びを引き出し、再挑戦するサイクルが回ったときに初めて、失敗は成長になります。内省の習慣を持つ人材は、経験の密度が違います

特徴③|「自分以外のために動く」経験がある

リーダーとして機能する人材は、自分の成果だけでなく、チームや組織のために動いた経験を持っています。他者への責任を感じながら行動する経験が、リーダーとしての自覚を育てます。


第4章|研修×実務経験を連動させる設計モデル

研修と実務をバラバラに設計するのではなく、「学んで→試して→内省して→また学ぶ」という経験学習サイクルを組み込んだ設計が、リーダー育成を機能させます。

フェーズ 内容 機能
①研修(インプット) リーダーシップの知識・フレームワーク・視座の提供 実務での試行の”言語”を与える
②実務課題の付与 研修テーマと連動した実際の業務プロジェクトの担当 学びを試す「場」を作る
③振り返りセッション 経験からの学びを言語化し、次の行動を設計する 経験を”資産”に変える
④伴走支援 外部専門家や上位職との定期対話 成長の方向を修正し、継続を支える
⑤次の挑戦機会の設計 より難易度の高い役割・課題への段階的移行 「修羅場経験」を意図的に提供する

このモデルで特に重要なのは②と③です。実務と内省をセットにする設計こそが、研修投資を育成成果に変換するカギです。


第5章|社内で「リーダーが生まれる土壌」を作る体制設計

個別のプログラム設計だけでなく、組織そのものが「リーダーが育つ環境」になっているかどうかが重要です。プログラムがどれだけ優れていても、それを支える土壌がなければ、花は咲きません。

ステップ1|「任せる文化」を経営が体現する

リーダーは、任される経験によって育ちます。経営者自身が、幹部候補に「正解がわからない課題」を意図的に任せる姿勢を持つことが、土壌作りの第一歩です。失敗を責めず、挑戦を評価する文化を経営が体現することが不可欠です。

ステップ2|「内省の時間」を制度として守る

業務の繁忙を理由に、内省の時間が真っ先に削られます。定期的な振り返りセッションや1on1を「業務の一部」として守る仕組みを、制度として組み込む必要があります。

ステップ3|外部の伴走者を活用して「育てる人を育てる」

リーダーを育てる管理職自身が、育成の方法を学べているか。外部の専門家による管理職向けの伴走支援を組み合わせることで、組織内に育成の連鎖を作ることができます。


よくあるご質問

Q. 研修を廃止して実務中心にすればいいということですか?
A. そうではありません。研修には「共通言語の形成」「視座の拡大」という固有の価値があります。ただし、研修単独では育成は完結しません。研修と実務経験を連動させる設計が重要です。
Q. 「修羅場経験」を意図的に作るのは難しくないですか?
A. 日常業務の中にも「修羅場」の種は埋まっています。新規顧客への提案、部門横断のプロジェクト推進、困難な交渉——こうした経験を意図的に幹部候補に担わせ、その前後に内省の場を設ける設計が現実的です。
Q. 育成に時間をかけすぎて、事業のスピードが落ちませんか?
A. 育成と業務推進は並立できます。むしろ、育成を意図した業務設計は、担当者の当事者意識を高め、中長期的には事業スピードを向上させます。「育てるための時間」を惜しんだ結果、リーダー不在が続くコストのほうが大きいと考えてください。

まとめ|リーダーは「研修」では育たない、「経験と内省の設計」で育つ

次世代リーダー研修が機能しない根本原因は、研修だけで完結する設計にあります。リーダーは知識ではなく経験によって育ち、経験は内省によって初めて成長の資産になります。

  • 研修と実務経験を連動させる設計にすること
  • 内省の場を制度として守ること
  • 任せる文化と失敗を許容する土壌を経営が体現すること

アクセルパートナーズでは、研修設計から実務経験の付与・伴走支援まで、一貫した次世代リーダー育成プログラムを提供しています。現在の研修効果に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

鴨居 陽介
編集: 鴨居 陽介
アクセルパートナーズ 取締役・中小企業診断士

国内Sier企業でシステムエンジニア、PM、研修講師、法人営業を経験。 人と組織の成長を支えるマネジメントに携わる。2023年 中小企業診断士登録。2025年 アクセルパートナーズの理念や行動指針に強く共感し、取締役として参画。

相談無料、お気軽にご相談ください!

Contact