【サイバーセキュリティ】情シス担当者が1人で抱え込まないために ― セキュリティ業務の外部委託という選択肢


~「一人情シス」のセキュリティ対策に限界を感じたら読むコラム~

中小企業の情報システム担当者の多くが、たった1人で社内のIT環境を管理しています。PC設定、ネットワーク管理、クラウドサービスの運用、従業員からの問い合わせ対応……そのうえに「セキュリティ対策もやってほしい」と言われたら、物理的に手が回りません。

「ランサムウェア対策は?」「取引先のセキュリティチェックシートに回答しておいて」「社員向けセキュリティ研修を企画して」――経営層からの要求は増える一方ですが、人員が増えるわけではありません

このコラムでは、一人情シスがセキュリティ業務を外部に委託する選択肢と、その具体的な進め方を解説します。

この記事でわかること

・「一人情シス」がセキュリティ対策を抱え込むリスク
・セキュリティ業務のうち外部委託すべき領域
・外部委託の選択肢比較(vCISO、リモートセキュリティ顧問、スポットコンサル)
・サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用して外部専門家の費用を抑える方法


1. 「一人情シス」がセキュリティを抱え込むリスク

リスク1:対応が後手に回る

日常のIT運用(PC設定、ネットワークトラブル対応、クラウドの管理等)に追われる中で、セキュリティ対策は「緊急性は低いが重要度は高い」業務として後回しにされがちです。しかし、サイバー攻撃はその「後回し」のすきを突いてきます。

リスク2:属人化による脆弱性

1人の担当者にセキュリティの知識と運用が集中すると、その担当者が病気・退職・異動した場合にセキュリティ体制が崩壊します。「あの人しかわからない」状態は、それ自体がセキュリティ上の大きなリスクです。

リスク3:専門知識の限界

サイバーセキュリティは専門性が非常に高い分野です。一人情シスの担当者は、サーバー管理やネットワーク構築の知識は持っていても、最新の脅威動向やセキュリティ製品の選定、インシデント対応の知識まではカバーしきれないのが実情です。

リスク4:経営層への説明が難しい

「セキュリティにもっと予算をつけてほしい」と経営層に説明するのも、一人情シスの難題です。技術の話を経営の言葉に翻訳し、投資対効果を示す必要がありますが、これはセキュリティと経営の両方を理解する人でなければ困難です。


2. セキュリティ業務のうち外部委託すべき領域

すべてのセキュリティ業務を外部に丸投げする必要はありません。「社内でやるべきこと」と「外部に任せるべきこと」を切り分けるのが重要です。

業務領域 社内でやるべきか 外部委託すべきか 理由
セキュリティ戦略・計画の策定 専門知識と経営視点の両方が必要
セキュリティ製品の選定 中立的な立場と市場知識が必要
インシデント対応の初動指導 × 経験と判断力が求められる高度な業務
セキュリティ教育の企画・実施 最新事例を使った教育は専門家が得意
日常的なセキュリティ相談対応 社内で対応しつつ、判断に迷う場合は外部に相談
セキュリティ製品の日常運用 日常的な運用は社内が効率的(マニュアル整備は外部支援可)
パスワード管理・アカウント管理 × 社内の人事情報と連動するため社内が適切

特に戦略策定、製品選定、インシデント対応は、外部の専門家に任せることで大きな効果が得られる領域です。


3. 外部委託の選択肢を比較する

中小企業がセキュリティ業務を外部に委託する場合、主に以下の3つの選択肢があります。

選択肢 概要 費用の目安 こんな企業に向いている
vCISO(セキュリティ伴走コンサルティング) セキュリティ責任者の役割を外部の専門家が担う。月1回以上の定例で戦略から実行まで伴走 月額30万〜50万円 従業員50〜1,000名。中期的な計画策定や取引先対応が必要な企業
リモートセキュリティ顧問 メール・チャット・オンラインで気軽に相談できるセキュリティの「かかりつけ医」 月額5万〜10万円 従業員5〜200名。困ったときに聞ける相談窓口がほしい企業
スポットコンサルティング 特定のテーマ(製品選定、リスク評価等)について単発でアドバイスを受ける 1回10万〜30万円 特定の課題だけ解決したい企業

vCISO(セキュリティ伴走コンサルティング)

vCISOは、CISO(Chief Information Security Officer:最高情報セキュリティ責任者)を正社員で採用する代わりに、外部の専門家がその役割を担うサービスです。

一人情シスの担当者にとって、vCISOは「自分の上に立ってセキュリティの方針を決めてくれる専門家」です。戦略策定、予算計画、ベンダー選定、規程整備、社員教育の企画、インシデント対応まで、幅広くカバーします。

月額30万円〜は決して安くはありませんが、CISOを正社員で採用すると年収1,000万円以上かかることを考えれば、年間360万円〜で専門家の知見を活用できるのは合理的な投資です。

リモートセキュリティ顧問

リモートセキュリティ顧問は、セキュリティに関する日常的な相談窓口です。「フィッシングメールが届いたが本物か偽物か判断してほしい」「取引先のセキュリティチェックシートの書き方を教えてほしい」「セキュリティ製品の営業を受けたが、この製品は必要か」――こうした日常的な疑問に、メールやチャットで気軽に相談できます。

月額5万円〜と手軽な価格で、一人情シスの心理的・実務的な負担を大きく軽減できます。


4. サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用した外部委託の費用削減

「外部委託の必要性はわかるが、費用が厳しい」という声にお応えする方法があります。サイバーセキュリティ対策促進助成金を活用して、セキュリティ機器の導入費用を助成で賄い、浮いた予算を外部専門家の費用に充てるという戦略です。

費用シミュレーション

項目 助成金なしの場合 サイバーセキュリティ対策促進助成金活用時
セキュリティ機器導入費(UTM+EDR等) 200万円(全額自己負担) 100万円(助成金で100万円カバー)
リモートセキュリティ顧問(年間) 60万円 60万円
年間合計 260万円 160万円

サイバーセキュリティ対策促進助成金で機器導入費を半額にすることで、その差額を外部専門家の費用に回せます。結果として、「機器」と「人」の両面でセキュリティ体制を強化できるのです。

サイバーセキュリティ対策促進助成金の申請手続きについては、サイバーセキュリティ対策促進助成金 申請サポートサービスで一貫して支援を受けられます。


5. 外部委託を成功させるための3つのポイント

ポイント1:「丸投げ」ではなく「役割分担」を明確にする

外部委託は「すべてお任せ」ではありません。社内でやること(日常運用、従業員への情報共有)外部に任せること(戦略策定、製品選定、インシデント対応指導)を明確に分けましょう。

ポイント2:社内の窓口担当者を1名決める

外部の専門家との窓口になる担当者を社内に1名決めてください。多くの場合、情シス担当者がその役割を担います。外部専門家と定期的にコミュニケーションを取ることで、知識の移転も進みます。

ポイント3:まずは小さく始める

いきなりvCISO(月額30万円〜)を契約するのは不安という場合は、リモートセキュリティ顧問(月額5万円〜)から始めるのが現実的です。実際に利用してみて、外部専門家との連携のメリットを実感してから、必要に応じて支援範囲を広げていけば良いのです。

また、まずはセキュリティ教育・研修を1回お試しで実施してみるのも良い入口です。1回8万円(税別)からのオンライン研修で、外部専門家の価値を実感できます。


まとめ

一人情シスがセキュリティを1人で抱え込む時代は終わりつつあります。外部の専門家を「仲間」として活用することで、限られたリソースの中でも効果的なセキュリティ対策が可能になります。

戦略策定、製品選定、インシデント対応は外部委託の効果が高い領域
・vCISO(月額30万円〜)はセキュリティ責任者の代替、リモートセキュリティ顧問(月額5万円〜)は日常の相談窓口
サイバーセキュリティ対策促進助成金で機器導入費を半額にし、浮いた予算を専門家の活用に回す
・まずはリモートセキュリティ顧問から小さく始めて、効果を実感してから範囲を広げる


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アクセルパートナーズでは、中小企業のセキュリティ体制を支援するサービスを複数ご用意しています。

セキュリティ伴走コンサルティング(vCISO):月額30万円〜
リモートセキュリティ顧問:月額5万円〜

「一人情シスの限界を感じている」「外部の専門家に相談できる体制がほしい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

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お問い合わせ:0120-659-057(平日対応)


参考・出典

・IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第3.1版」 https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html
・経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」 https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html
・東京都中小企業振興公社「サイバーセキュリティ対策促進助成金」公式ページ

鴨居 陽介
この記事の編集: 鴨居 陽介
アクセルパートナーズ 取締役・中小企業診断士

国内Sier企業でシステムエンジニア、PM、研修講師、法人営業を経験。 人と組織の成長を支えるマネジメントに携わる。2023年 中小企業診断士登録。2025年 アクセルパートナーズの理念や行動指針に強く共感し、取締役として参画。

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