【グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金】高市外交を追い風にしたベトナム進出申請書の勝ち筋
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親日国でありかつ経済成長が著しい「ベトナム」には多くの日本企業が進出しています。最大40億円が補助される経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、グローバルサウス補助金)においても、採択案件数が多い国の一つです。今回は、2026年5月に開催された「日越首脳会談」の合意内容と外務省発表資料に基づき、ベトナムでの補助金申請における「狙い目」分野と過去の採択事例を解説します。
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ベトナムにおけるグローバルサウス補助金の「狙い目」分野とは?
【結論】 「科学技術」「人工知能(AI)」「農業・食料安全保障」の3分野が狙い目
2026年5月2日、高市早苗内閣総理大臣とベトナムのレ・ミン・フン首相による首脳会談が行われました。 この会談において、両国間の包括的戦略的パートナーシップを推進するため、「日越間の経済安全保障分野における優先協力事項リスト」が発表されています。
狙い目①「科学技術」分野での勝ち筋とは?
【結論】「衛星データを用いた災害対応・農業支援システム」や鉱山開発等に関連したDX技術が勝ち筋
日越首脳会談の「科学技術」項目では、以下のようなプロジェクトの推進が確認されました。
- 災害対応及び農業等の分野への衛星データの活用促進
- 災害予測や気候変動対策のための地球観測、衛星データ活用に関する人材育成などの連携強化
ベトナムでは都市化による地盤沈下や洪水被害が深刻化しており、日本の高度な衛星通信技術による広域監視ソリューションが強く求められています。また、ベトナムはレアメタルの産出国なので、人工衛星を使って鉱山事故の予知や鉱物探査などに適用可能な技術も重点5分野の1つ「エネルギー・重要鉱物」とも絡められるため、採択確率が上がります。
【過去の関連採択事例】
- 株式会社スペースシフト(対象国:インドネシア・ベトナム):農地衛星情報を活用した農家向けマイクロファイナンスサービス実証事業
- 株式会社Synspective(対象国:南アフリカ・ブラジル・チリ・ペルー・アンゴラ):SAR衛星を利用した鉱業運営に効果的なモニタリング実証事業
狙い目②「人工知能(AI)」分野での勝ち筋とは?
【結論】 現地の言語や文化を反映した「特化型AI」の共同開発や、AI技術による社会課題解決が勝ち筋
優先協力事項リストの「人工知能(AI)」分野では、以下の項目が表明されました。これは、現地で中国製AIに対抗することが課題となっていることを背景としています。
- アジアの多様な言語・文化を反映した大規模言語モデル(LLM)や産業別AI基盤の共同開発
- AI分野の人材育成と人的交流
ベトナムでは都市化による地盤沈下や洪水被害が深刻化しており、日本の高度な衛星通信技術による広域監視ソリューションが強く求められています。また、ベトナムはレアメタルの産出国なので、人工衛星を使って鉱山事故の予知や鉱物探査などに適用可能な技術も重点5分野の1つ「エネルギー・重要鉱物」とも絡められるため、採択確率が上がります。
【過去の関連採択事例】
- Automagi株式会社(対象国:ベトナム):AI画像診断技術を用いた「送電線などインフラ設備の点検高度化」に関する実証事業
- カーブジェン株式会社(対象国:インドネシア・ベトナム):クラウドベースAI画像解析を用いた医療機関に対する診断支援サービスのFS事業
狙い目③「農業・食料安全保障」分野での勝ち筋とは?
【結論】ベトナム最大の穀倉地帯である「メコンデルタ地方」の農業課題を解決する、日本のアグリテック(農業DX)や灌漑技術・水管理システムが勝ち筋
優先協力事項リストの「農業・食料安全保障」項目で、日本の中小企業の技術が特に活用しやすいのは以下の2つです。
- メコンデルタ地方での高品質・低排出米プロジェクト(※民間企業との実施を明記)
- 灌漑・排水分野の技術交流に関する協力
世界有数のコメ輸出国であるベトナムの主要産地、メコンデルタが塩害や干ばつに直面していることは、ベトナムの外貨獲得だけでなく世界の食料事情にとっても深刻な問題です。一方、 日本にはコメ分野で実績のあるアグリテック企業が多く、近年の米価高騰を背景にベトナム米の輸入量も伸びています。このため、グローバルサウス補助金の求める「日本企業の高度技術海外展開」や「サプライチェーン強靱化」のストーリーが作りやすい分野です。
【過去の関連採択事例】
- 阪和興業株式会社(対象国:インドネシア):稲作もみ殻バイオ炭農業施用およびGX貢献評価調査事業
- 株式会社フェイガ―(ウガンダ):カーボンクレジットを活用した収益性・生産性を高める環境配慮型稲作の実証事業
現在、中東情勢の影響で化学肥料の国際価格が高騰しており、ベトナムはコメの生産調整に追い込まれています。このため、バイオ肥料に関わる技術も現地ニーズが膨らんでいます。
まとめ
グローバルサウス補助金の申請(ベトナム展開)において、日越首脳会談の合意事項が追い風となっている「勝ち筋」の分野と技術を整理します。
- 科学技術:衛星データを活用した防災・農業・鉱業等の関連システム
- 人工知能(AI):現地の言語に配慮したAI基盤の開発、分野特化型AIのインフラへの応用
- 農業・食料安全保障:メコンデルタのコメ生産に直結する技術
これらの分野において現地の研究・教育機関と協同で実証事業を行えば、各分野で合意された「人材育成」の文脈を事業計画に組み込むこともできるため、採択確率は更に高まるでしょう。この点での要注意事項としては、ベトナムの行政機関(国立の研究・教育機関を含む)とのプロジェクトについては、「政令313」に基づく事前認可手続きが必要なことが挙げられます。 環境や通信、医療分野等の規制も日本とは異なるため、計画段階から現地制度の事前リサーチは必須です。
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