【グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金】採択されても海外進出に失敗する企業の3つの傾向
令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、「グローバルサウス補助金」と略称)を念頭に、補助金獲得に成功しても、海外進出に失敗してしまう企業によく見られる傾向を説明します。
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2026年4月17日、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」(以下、グローバルサウス補助金)の小規模実証・FS事業公募が開始されました。中小企業なら補助率は最大2/3、小規模実証事業で最大5億円、FSで最大1億円の支援が受けられます。
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(1)補助金の獲得が目的化してしまう
グローバルサウス補助金のような大型補助金の獲得は資金面のメリットがあるだけでなく、「行政から公的に認められた企業である」という点で、自社ブランディングにも大いに貢献します。
また、例えばグローバルサウス補助金の大型実証事業では相手国の公的機関との覚書を事前に交わす必要があるように、一般に大型補助金は申請準備段階から重い業務負担が発生します。
このため、補助金の獲得自体が目的化することが往々にして起こり、次のようなトラブルが発生しがちです。
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- 補助金獲得ばかりに目が行き、事業展開に本来必要なリソースの手配やコストの見極めが雑になる。結果、事業展開中に想定外のコストが発生する。
- 補助金の金額に合わせた事業計画にしてしまう。
- 本来、門外漢であるはずの補助金事務局側の意見に振り回されてしまい、美しいけれど現実味に乏しい事業計画を報告書用に作ってしまう。
(2)エースの兼務で回そうとする
顧客の信頼が厚く売上に大きく貢献している社員、過去に新規事業や拠点の立ち上げを成功させた社員など、頼りになるエース社員や役員がいて、その方に海外進出プロジェクトを兼務してもらうケースです。
社内のエースが海外進出プロジェクトメンバーに入ると、社内の様々な部署から信頼感を既に得られているほか、経営層にも一目置かれているため、社内調整や経営者とのコミュニケーションの点では大きな利点があります。
一方で、エースの方々は兼務が多くなりがちです。
また、これまで日本や他国で彼らが培ったノウハウが新規進出国では役に立たないことも多々あります。
結果として大型補助金を活用した海外進出事業では、以下のような問題を引き起こします。
- 会議時間の調整に手間取る。特に時差のある現地とのオンライン会議で時間調整が難しくなる。また、会議を設定してもエースが途中参加・退席してしまい、深い話や重要な意思決定が行われないまま時間が過ぎてしまう。
- 多忙が故にメッセージや資料の理解が中途半端で、エースが誤った判断をする。
- 大型補助金事業では証憑書類の整理、報告所の作成等の事務作業の手間がかかるほか、補助金事業のマニュアル類を読解する必要がある。それらのための時間を取ることが兼務では難しい。結果的に事業スピードが落ちる。
これではエースも周囲のメンバーも次第に疲弊してしまい、最悪の場合、補助金の最終報告書を出し終わる頃には、海外進出自体に対する社内の熱が冷めてしまうこともあり得ます。
このような場合、本質的な問題はエースに頼り切っている組織設計にあります。
大型補助金の場合は補助対象事業専任のプロジェクトマネジャー(PM)役を決めて、意思決定と事業活動の質とスピードを担保することを推奨します。
人選としてはエースを専任とするか、「将来のエース候補」となるような若手社員を専任者に抜擢し、その方を上司や経営陣がバックアップしていくことを社内に周知すると良いでしょう。
(3)海外展開に向けた社内体制を作れていない
社内のエースが兼務で海外展開担当になるケースと類似しますが、海外展開担当チームの全員が他業務と兼務している場合、また担当チームが社内の他部署と連携できていない場合では次のような問題が起きやすくなります。
- 全員が兼務で海外進出プロジェクトチームを作る場合、補助金事業を回すための事務作業だけで手一杯で、現地の情報収集や戦略の決定がいい加減になる。
- 海外進出担当チームが他部署から浮いてしまっていると、例えば現地向けに製品の機能や仕様の変更が必要な場合、海外送金や税金などで経理部門がケアをするべき場合などで、必要な時に必要なフォローを社内から受けられず、結果的に大きな金銭的損失が発生しやすくなります。
海外展開する予定の製品・技術を日本国内で販売・契約・納品・アフターフォローするまでに関わっている全ての部門からメンバーを出して、プロジェクトチームを組めれば理想的です。
経営層の役目は全社一体で海外展開を推進するための社内ネットワークを整備することですが、例えば現地の言葉やビジネス環境に明るい人材など、社内で見つからない専門人材は補助金で積算可能な範囲で外注化も可能です。
まとめ:
以下のような問題を社内体制に孕んでいると、グローバルサウス補助金のような海外進出のための大型補助金が獲得できたとしても、その後の海外事業に失敗する可能性があります。
補助金の獲得が目的化する
本当に着手すべき経営課題や海外進出の優先度が曖昧な状態では、大型補助金の獲得が目的化してしまい、現地展開に必要な事業戦略やコストの見極めが甘くなりがちです。
社内のエースが兼務で対応する
社内でエース的立場の社員や役員は日頃から多忙です。それ故に情報の理解や意思決定、必要な事務作業の質が低下し、結果的に事業スピードが落ちます。
兼務者のみのチーム編成や他部署との連携不足
兼務者のみで海外進出プロジェクトチームを編成すると、現地情報の分析や戦略決定が疎かになります。また、プロジェクトチームと他部署の連携が取れていないと、結果的に多大な金銭的損失を招くことになります。
アクセルパートナーズの「グローバルサウス補助金」トータル支援サービス
上記のようなリスクを避けるためには、会社全体のビジョン・ミッション・バリューや中長期的な経営戦略の中で海外進出事業を位置づけ、適切なリソース(人材、予算等)の社内配分を行う必要があります。アクセルパートナーズは約200人の中小企業診断士や会計専門家達を擁しますので、事業計画や組織・財務戦略の策定もサポート可能です。また、新興国への事業展開支援の実績が豊富な国際コンサルタント達も提携パートナーに含んでいます。
アクセルパートナーズの主な支援内容:
- 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
- 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
- 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
- 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。
「自社が対象になるか知りたい」「直近の締切に間に合わせたい」など、活用をご検討の際は、まず無料相談にてご構想をお聞かせください。
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