グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金とは?中小企業が活用できる要件と対象国をわかりやすく解説
  


土井 晶
 編集:土井 晶
 中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

「米国や中国との取引環境が不透明になり、他の国での市場開拓が必要」
「東南アジアやインドなどへの海外進出を検討しているが、自社で使える補助金があるか分からない」
とお悩みではありませんか?

経済産業省のグローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(以下、「グローバルサウス補助金」と略称を使用)は、ASEAN諸国やインド、アフリカなど新興国への進出を支援する制度です。

中小企業なら「GX・DX・経済安全保障」分野の小規模実証・FS事業で、最大2/3(上限5億円)の補助が受けられます。

本記事では、グローバルサウス補助金の概要や対象となる国・地域、中小企業が申請するための具体的な企業要件、採択率を上げるための加点対策までをわかりやすく解説します。

グローバルサウス補助金(未来志向型共創等事業)とは?

グローバルサウス補助金は、ASEANやインド等の新興国が抱える課題解決と、日本の経済成長を両立させるための補助金です。

支援規模や対象地域に応じて4つの事業枠が設けられています。

政府が推進する背景と支援の狙い

政府がグローバルサウス補助金を推進する主な目的は、以下の3点です。

  • グローバルサウス諸国が抱える課題(産業の脆弱さ、保健・防災・食糧問題等)を解決すること。
  • 日本の経済安全保障(サプライチェーン強靱化など)を確保すること。
  • 日本国内のイノベーション創出により、国内産業を活性化させること。

つまり、現地の社会課題を解決すると同時に、相手国が持つ市場の成長力を活かして日本経済の持続的な発展も目指す「未来志向型の共創」が支援の狙いとなります。

支援される4つの事業枠

グローバルサウス補助金には、事業の規模や対象国に応じて以下の4つの事業枠(公募メニュー)が用意されています。

事業枠 概要
①小規模実証・FS事業 案件組成段階での事業実現可能性調査(FS)や、小規模な実証事業を支援します。
②大型実証(ASEAN加盟国) ASEAN加盟国において、商用に向けたスケール化を目指す大型の実証事業を支援します。
③大型実証(非ASEAN加盟国) ASEAN以外のグローバルサウス諸国において、商用に向けたスケール化を目指す大型の実証事業を支援します。
④ウクライナ復興支援に向けた欧州企業連携・中東欧諸国等連携強化 ウクライナ現地や周辺の中東欧諸国等での復興に資するFS事業および実証事業を支援します。

これら4つの枠のうち、中小企業が海外進出の第一歩として活用するには、「①小規模実証・FS事業」が最も適しています。 

大型実証事業は下限額が5億円超の大規模なプロジェクトが対象ですが、小規模実証・FS事業は事業化前の調査段階から支援されるため、これから海外展開を本格化させる中小企業にとって使いやすい制度となっています。

対象国はどこ?東南アジアやインドだけではない、「グローバルサウス」の範囲

「グローバルサウス」として、主に以下のように様々な国や地域が対象となります。

  • ASEAN加盟国
  • 南西アジア(インドなど)
  • 中央アジア・コーカサス
  • 中東
  • アフリカ
  • 中南米
  • 太平洋島嶼国など

※進出を検討している国が対象国に該当するか判断に迷う場合は、補助金事務局へ個別に相談することが推奨されています。

ウクライナおよび中東欧諸国も対象に

ウクライナ復興支援に向けた欧州企業連携・中東欧諸国等連携強化事業の枠では以下の国が対象となります。

  • ウクライナ現地
  • ウクライナの周辺国であるポーランドやルーマニア等

※周辺国での活動であっても、ウクライナ復興に資する事業であることが求められます。

中小企業が使いやすい「小規模実証・FS事業」とは?

中小企業には「小規模実証・FS事業」がおすすめです。

GX、DX、経済安全保障の3分野が対象となり、中小企業なら最大2/3の補助(上限5億円)が受けられます。
(大企業と共同で申請する場合、補助率は最大1/2。)

対象となる3つの注力分野(GX・DX・経済安全保障)

小規模実証・FS事業では、以下の3つの分野に該当する事業が支援対象となります。

対象分野 内容
GX(グリーントランスフォーメーション) 化石燃料からクリーンなエネルギー利用への転換など、GHG(温室効果ガス)排出削減を図る案件です。
DX(デジタルトランスフォーメーション) デジタル技術を用いて、ビジネスモデルの変革を図る案件です。
経済安全保障 日本政府が指定した「特定重要物資」のサプライチェーン強靱化等に係る案件です。

いくらもらえる?補助額と補助率(中小企業は最大2/3補助)

「小規模実証・FS事業」における補助上限額と補助率は以下の通りです。
中小企業が申請する場合、要件を満たせば補助率が「2/3以内」に優遇されます。

メニュー 補助上限額 補助率
FS事業 1億円 1/2 または 2/3以内
小規模実証事業 5億円 1/2 または 2/3以内

また、最新の令和7年度補正の暫定版募集要項によると、小規模実証・FS事業の採択予定件数は前回の60件程度から「80件程度」に拡大される見込みとなっており、中小企業にとってはより狙い目の事業となっています。

自社は対象になる?中小企業が申請できる企業要件と注意点

グローバルサウス補助金は、日本に拠点と法人格がある企業が対象です。

複数社での共同申請を行う場合、最大2/3の補助率を適用するには構成員すべてが中小企業である必要があります。

必須となる基本的な応募資格

  • 日本国内に拠点があることが必要です。
  • 法人(登記法人)格を有していることが必要です。
  • 日本における事業実態を有している必要があります。

共同申請(コンソーシアム)と現地パートナーの要件

  • 事業を実施するにあたり、相手国の現地企業と連携する体制が求められます。
  • 共同申請を行う場合、幹事法人と共同申請者の両方が応募資格を満たす必要があります。
  • 共同申請において中小企業向けの優遇補助率(2/3以内)を適用するには、幹事法人と共同申請者が「すべて中小企業」でなければなりません。

採択率を上げるには?中小企業が今すぐ準備すべき加点対策

グローバルサウス補助金の採択率を上げるには、審査時の加点項目を満たすことが重要です。

賃上げ計画の表明

  • 事業実施期間中に従業員の賃上げを行う計画を表明すると加点されます。
  • 中小企業の場合は対前年度比1.5%増が要件です。(※暫定版募集要項より)

その他の主な加点要件(ワークライフバランス、J-Startup等)

以下の取り組みを行っている企業も加点対象となります。

  • ワークライフバランスの認定取得(くるみん認定、えるぼし認定など)。
  • パートナーシップ構築宣言ポータルサイトにおいて宣言を公表していること。
  • J-Startup企業に選定されていること、または「J-StarX(起業家等の海外派遣事業)」で海外派遣された経験があること。
  • 南西アジア、中南米、太平洋島嶼国、アフリカ、中央アジアなどの重点協力地域との経済連携、またこれらの地域と日本政府が結んでいる協定と申請事業が関連づけられること。

まとめ:グローバルサウス補助金の申請要件に当てはまるか確認することが重要

グローバルサウス補助金は、新興国への海外展開を目指す中小企業にとって強力な資金支援策となります。まずは自社が企業要件や対象分野に当てはまるかを確認しましょう。

グローバルサウス補助金の採択を勝ち取るには、単なる製品の輸出ではなく、相手国の課題解決につながる論理的な事業計画と、現地パートナーとの強固な連携体制が不可欠です。

「自社の事業がどの分野に当てはまるか分からない」
「共同申請の要件を満たしているか確認したい」

という方は、ぜひ一度海外展開の専門家を擁するアクセルパートナーズへご相談ください。

アクセルパートナーズの「グローバルサウス補助金」トータル支援サービス

グローバルサウス補助金は、難易度の高い事業計画の策定だけでなく、採択後の証憑管理・実績報告や現地調整の負担が非常に重い補助金です。

アクセルパートナーズでは、グローバルサウス諸国への事業展開支援に実績のある中小企業診断士を中心とした専門チームが、申請から事業完了までを一気通貫でサポートします。

アクセルパートナーズの主な支援内容:

  1. 申請・事業計画策定:採択に繋がる「共創型」「リバースイノベーション」等の文脈を盛り込んだ事業計画を作成し、最適な申請枠を提案します。
  2. 採択後のPMO:複雑なプロジェクトの進捗管理代行、現地企業・政府との調整を支援します。
  3. 証憑管理・実績報告:厳格な補助金ルールに基づく証憑整理と実績報告書作成を全面的にバックアップします。
  4. 実行支援・経営顧問:補助金獲得だけでなく、現地パートナーの開拓と管理、現地事業の黒字化とキャッシュフロー最大化を支援します。

「自社が対象になるか知りたい」「直近の締切に間に合わせたい」など、活用をご検討の際は、まず無料相談にてご構想をお聞かせください。

お問い合わせはこちら▼
https://listing-partners.com/gbiz/subsidy_form/

 

土井 晶
 編集:土井 晶
 中小企業診断士

公的機関コンサルタントとして中小企業の海外展開支援をベトナム(金型)、ケニア(農業機器・資材、食品加工機材ほか)、ミャンマー(自動車検査用機材、教育用電子機器ほか)、パキスタン(縫製機械、工場用ソフトウェア)、タイ(建設資材)等で実施。 現地での実行支援に加え、新規の海外展開を成功させるために前提となる経営・事業戦略、組織・人員体制、ファイナンスなどの全社的調整も伴走支援させて頂きます。

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