競合の社員数や事業規模の調査方法と競合と比較した規模と給与条件別の打ち手の紹介
採用をする時に自社のことを深く知ることも大切ですが、競合のリサーチもとても大切です。
よほどのことがなければ求職者さんは複数の会社を見比べてエントリーする会社を考えています。
給料や条件、口コミなどの公開情報を自社と比較している会社は多いと思いますが、それだけでは数字的なものしか見えてこない可能性があります。給与や条件面で勝っていればそのまま行けばいいかもしれませんが、負けている場合には対策が必要になります。
そのような時はまずは事業規模を調べ、それにあった戦略を練ることが重要になります。
そこで、事業規模がわからない時にサクッと調べる方法とそれに対する対策をまとめました
社員数をザックリと検索できる社会保険検索
有料で調査するほどではないけど信ぴょう性の高い情報を知りたいときは求人に限らず多いと思います。
そういう時に活躍するのが日本年金機構が公開している厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システムです。
こちらは社会保険に加入している社員数が公開されているので競合のおおよその社員数を把握することが可能です。
会社名や地域、法人番号などで簡単に検索することができますので、同じ業界の会社がどれくらいの社員数なのか横断的に理解することもできます。
試しにアクセルパートナーズで検索してみます。
こんな風に被保険者数が見られます。
地域の競合と自社の両方を検索し、自社が規模において勝っているのか負けているのかを把握しましょう。
競合の粗利益におおよそのアテをつける
これで自社の社会保険に入っている社員数が理解できました。
次にここから粗利益のおおよそのアテをつけることができます。
そこで一人あたりの粗利を考えます。
「一人あたりの粗利 標準」
と検索してみました。
アルバイトの比率にもよるので一概には言えませんがとりあえずアルバイトは0.7くらいで換算した上で社員数×1,000万円を掛けた数字が競合の粗利益としてイメージすることができます。
競合の事業規模を理解した上で自社の現在の求人戦略が正しいか考える
比較されている地元で比べられるであろう会社たちが自社よりも大きいのか、それとも小さいのか、給与は高いのか、低いのかまとめます。
①規模は大きく給与も高い | ②規模は大きいけど給与は低い |
③規模は小さいけど給与は高い | ④規模は小さく給与も低い |
こんな風に4つのうちどれに当てはまるか整理します。
どれに当てはまるかによって大きく変わります。
以下クラスターごとの戦略について整理してみました。
①規模は大きく給与も高い
これであればとにかく規模で勝ちにいけばいいので、広告費用をしっかりと活用し、競合他社よりも多く露出をし、しっかりと優秀な人材を勝ち取りましょう。
このクラスタなのにも関わらずエントリーが取れない時は露出が少ないか魅力を適正に伝えられていないかどちらかになります。
規模や安心感といった自社の魅力をしっかりとありのままに伝えていくことで、求職者さんの心理的安全性・モチベーションにリーチできるはずです。
②規模は大きいけど給与は低い
この場合も競合に比べて広告費用を捻出することができるはずなので数で勝負をすれば一定の成果を出すことができます。①に比べてエントリー率や採用単価は劣りますが、会社としては人件費よりも広告費でカバーしたい意図が見えますので広告費をしっかりと使いましょう。
ただ、どうしても①よりも質が下がってしまいます。②の求職者はどういう人が多いのか考えます。
・①の会社に落ちてしまった
・そこまで高い給与はいらないけどとにかく生活を重視したい
・心理的安全性が高い職場で働きたい
・決められた仕事をコツコツこなしたい
・大きな目標があるわけじゃないけど大きな会社で働きたい
そんな想いを仮説立てます。
要するに、
・①は落ちた、恐れ多い。
・小さな会社は距離が近すぎるから嫌
・小さな会社はマニュアルがなく色々やらされる
・小さな会社は労働環境が整備されていないのでは?
そんな風に考えて、会社のHPを眺めて大きそうな会社を重視しています。
そういう風に考えている人にリーチすることでエントリーを増やせるかもしれません。
そのような会社では法令遵守だけでなく
・マニュアルが整備されている
・評価制度や等級制度が整備されている
・休憩スペースがある
・上司以外の相談窓口がある
・定期的な1on1で相談ができる
・産休・育休制度あり
・入社後は丁寧なオリエンテーション・研修あり
このようなキッチリした会社に魅力を感じる人が多いです。
③規模は小さいけど給与は高い
新興成長企業に多いパターンかと思われます。この会社は条件は良いものの残業が多かったりハードだったりするのでは?と求職者さんに思われる可能性が高いです。
この場合、それを払拭するのか、それともハードルを高く持つのかは会社の方針次第になります。
どちらでいくかをしっかりと方針だてすることが重要です。
前者であればハードワークではないことをしっかりとアピールしましょう。
後者であれば自社が求めることをしっかりと記載した上でマッチした人に刺さる求人票、HPを心がけましょう。
前者に寄り添うと後者の人たちは逃げてしまう可能性があります。
例えば
「未経験歓迎!」
という言葉は万能のように見えますが、見る人によっては「今までの経験が活かせない」と捉えます。
基本的にあらゆる言葉は表裏一体です。
規模が小さな会社こそ、こういった表現に対して一つ一つ向き合うことが重要です。
条件は良くても規模や歴史、知名度などで負けている場合はとにかく自社の魅力、固有の価値をしっかりとアピールすることが重要です。
④規模は小さく給与も低い
このクラスターは最も苦戦が強いられます。
お金か時間どちらかをしっかりと使う必要がありますのでしっかりと掘り下げて記載したいと思います。
④ー1 求人媒体について真剣に学ぶ
一番苦戦するからこそしっかりとどの媒体に出すか考えましょう。
ロットの大きな広告媒体に出した結果1件も応募がなかったりするとダメージが大きいです。
indeedや求人ボックスであれば下限金額がありませんので少額で反応を見ながら試しつつ改善を加えることができますのでそのような
・小ロットで挑戦できる
・改善ができる
こういった広告を活用することがオススメです。
④ー2 特殊な媒体に手を出さない
求人広告に出して効果がなかったからといって、求人広告ではない、どこも出していないような安い広告に出すことはあまりおすすめしません。
④ー3 商圏やターゲットを思いっきり狭めてみる
商圏やターゲットを狭めることでもしかしたら求職者さんにとって世界一の職場になるかもしれません。
わかりやすい例で言えば歩いて5分で通えて不満がない職場は人によって世界一の職場になります。
④-4 SNSの発信や張り紙などは意外と効果的
ターゲットを思いっきり狭めた上で、近隣のユーザにどうやったらリーチできるか考えます。
わかりやすいのはSNSや張り紙ですが、それ以外でも地域のふれあい的な場所や交流など細かなつながりも視野に入れます。
採用は企業において最重要課題です。とにかく頭と時間、足を使います。
④ー5 自社の魅力を正しく理解する
地域貢献、やりがいを感じる部分、スタッフの笑顔、経営者の人柄、環境への配慮、お客様との関係性など、お金ではない価値を考えます。
「アットホームな職場」「家族的な経営」
という言葉がブラック企業の代名詞のように言われるようになりましたが、それらを排除したら大には勝てなくなってしまいます。
アットホーム・家族的経営という言葉自体は不人気ではありますが、それらの良い点を切り出し、訴求することで特定の人に刺さる求人票に仕上がるかもしれません。
いかがでしょうか?
会社の規模によってとるべき戦略は変わってきます。
また、条件は良いに越したことはありませんが、給与などはすぐに触ることができません。
だからこそ、競合と比較をして自社の規模と求職者から見た魅力を理解した上でとるべき戦略を整理し、適切な求人票を作ることで良い採用ができるようになります。
アクセルパートナーズでは1社1社に寄り添った求人票を作成し、求人票を作成した後も改善作業を繰り返し、採用の成功を支援します。
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