多店舗展開しているサイトで陥りがちな見落とし。「店舗ページ」をLPとして作り込む重要性


複数の店舗を構えるビジネスのWebサイトを見ていると、よく出会う”惜しい”パターンがあります。トップページやサービスページ、会社案内はしっかり作り込まれているのに、各店舗の詳細ページが、住所と電話番号と地図だけの”名簿”のような作りになっている、というケースです。

これは、集客の観点でかなりもったいない状態かもしれません。なぜなら、検索から来るユーザーの多くは、トップページではなく店舗詳細ページに”最初に”訪れ、ユーザの多くは会社全体のコンテンツを見ることなく店舗ページのみで判断するためです。

この記事では、なぜ店舗詳細ページを「ランディングページ(最初の入り口)」として作り込むべきなのか、その具体的な作り込み方、そして「重複コンテンツ」の懸念点まで整理します。

見落としの正体:ユーザーはトップから来ない

ありがちな思い込みが、「ユーザーはまずトップページを見て、サービス内容をみた上でそこから店舗一覧をたどって、目当ての店舗ページにたどり着く」という導線イメージです。実際のユーザーの動きは、多くの場合これと違います。

たとえば「地域名+業種」「地域名+店舗名」「地域名+サービス」といった検索をした人は、検索結果からいきなり該当エリアの店舗詳細ページに直接アクセスします。トップページを経由しません。つまり、その店舗詳細ページが、その人にとっての”サイトの第一印象”であり、”来店するかどうかを判断する最初で最後のページ”になり得るわけです。

例えば、ビジネスホテルやフィットネスのようなお店について調べる時に会社のHPをくまなくチェックしますでしょうか?

フィットネスに国家資格を持ったインストラクターがいたり、サウナスペースがあったりしたとして、それが「当社の特徴」というページにしか書いていなかったとしてそれをきちんと確認するでしょうか?

そのサービスが全店舗共通だったとしても、大半のユーザは目当ての店舗しか見ていないため、その店舗ページに書いていなければそれを理解することはできません。

店舗ページが住所と地図だけの素っ気ない作りで、魅力をきちんと打ち出していないとせっかく検索でたどり着いてもらえたのに、入り口で取りこぼしてしまいます。

店舗詳細ページを「ランディングページ」として作り込む

では、どう作り込むか。「そのページだけで、来店の判断ができる」状態を目指すのが基本の考え方です。トップページや”私たちについて”のようなページを見なくても1ページ完結する、独立した入り口として設計します。具体的に盛り込みたい要素を挙げます。

その店舗ならではの情報を主役にする

この店舗固有の情報を前面に出します。店舗の外観・内観の写真、スタッフの顔や紹介、その店舗のこだわりや雰囲気、周辺エリアの特性(駅からの道順、駐車場、近隣の目印)など。

ユーザーが知りたいのは「会社」ではなく「自分が行こうとしている、この店」の情報です。

会社全体の理念とか関係ありません。会社の理念が落とし込まれた結果生まれる店舗の魅力が勝負になります。

基本情報をしっかりと記述する

住所・電話だけでなく、営業時間、定休日、アクセス方法(最寄り駅からの徒歩ルート、駐車場の有無と台数)、予約方法、対応可能なサービスや在庫の傾向など。来店前の不安をひとつずつ潰していくイメージです。

その店舗の”人”や”実体験”を見せる

スタッフ紹介、実際の接客の様子、来店したお客様の声やレビュー、店舗ブログなど。人が見える情報は、他店やチェーン全体との差別化になり、「ここに行ってみたい」という気持ちを後押しします。特にお客様の声は積み上げることで大きな資産になります。

その店舗単体でSEOを成立させる

ページのタイトルタグや見出しに、その店舗の「地域名+業種/サービス」を自然に含めます。地域ごとの検索に、それぞれの店舗ページが個別に応えられる状態をつくると、エリア単位での流入が積み上がっていきます。

構造化データ(Schema.org)を入れる

店舗情報は、LocalBusiness などの構造化データと相性が良い領域です。店名・住所・営業時間・地図情報などを構造化しておくと、検索エンジンが店舗情報を正しく理解しやすくなり、地図表示やリッチな検索結果につながる可能性があります。

会社のこだわり・魅力を各店舗ページにしっかりと記述する

前述したように、1ページで全てを理解できるように会社全体のこだわりが重複してしまったとしてもしっかりと全店舗ページに個別に記載しましょう。HP運営側から見たらしつこく見えるかもしれませんが訪れるユーザは数ページしか見ませんので問題ありません。

「重複コンテンツと思われてGoogleにペナルティを受けない?」

ここで多くの担当者さんがぶつかる懸念があります。

「全店舗ページを同じテンプレートで作ると、内容が似通って”重複コンテンツ”としてペナルティを受けるのではないか」

というものです。この不安は理解できますが、正確に理解しておく必要があります。

まず、大前提として、Googleには「重複コンテンツペナルティ」という仕組みは存在しません。これは長年言われ続けている俗説で、Google自身も公式に否定しています。同じヘッダーやフッター、共通の会社説明、テンプレート構造が複数ページにまたがること自体は、サイトとして当たり前の作りであり、それでペナルティを受けることはありません。

たとえ100ページある100店舗すべてのページに同じ”ウリ”が書かれていたとしてもそれは100店舗それぞれに書いてあるのが自然ですのでペナルティになることはありません。

重複への正しい向き合い方

ただ、重複したコンテンツ、他のページに記載されている情報をかき集めても有益なページとしては思われない可能性は高いのは事実です。

重複コンテンツを書くかどうか悩むというより、「各ページに、そのページならではの独自の価値を足す」ことが本筋になります。

店舗固有の写真、スタッフ、レビュー、周辺情報、店舗の売れ筋ランキングなど、その店舗ならではのコンテンツを出していくことで、Googleもそれぞれを別個の有用なページとして扱いやすくなります。

タイトルタグと見出しをしっかりと作り込む

店舗詳細ページは「サービス 地域名」という効果的なキーワードで上位表示させるためにとても重要なページです。

例えば

「フィットネス 五反田」

と検索して上位表示させたかったとしてもタイトルに”五反田”が入っていなかったら上位表示が困難になります。

五反田という言葉のイメージがあまり良くないからといって高輪とか池田山とつけると五反田という言葉での上位表示が難しくなりますし、逆に

・フィットネス 五反田
・フィットネス 高輪
・フィットネス 品川区

で上位表示させたければこれらすべてにまつわるコンテンツとタイトルタグへの自然な記述が必要になります。

まとめ:店舗ページは”名簿”ではなく”入り口”であり1ページで完結させるLP

多店舗サイトにおける店舗詳細ページは、単なる店舗情報の”名簿”ではありません。検索から来たユーザーが最初に降り立つ、独立した”入り口(ランディングページ)”です。ここを、その店舗ならではの写真・人・実体験・実用情報で作り込むことが、エリアごとの集客を積み上げる土台になります。

「他のページに書いてあるから」
「メンテナンスが大変だから」
「どこもやっていることだから」
「SEO的に重複コンテンツになるかもしれないから」

といって最小限の情報にとどめてしまうと思うように集客ができません。1ページでしっかりと店舗の魅力や情報、独自性を伝え切ることを念頭においたページの作り込みが重要になります。

なお、検索エンジンやAI検索の評価の考え方は変化の速い領域です。ここで触れた内容も現時点での整理であり、実際の施策は自社サイトのデータ(どの店舗ページに、どんな検索から流入しているか)を見ながら、テストと検証を重ねて判断していくことをおすすめします。

多店舗展開していて集客にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。集客成功実績豊富なコンサルタントが対応いたします。

二宮 圭吾
この記事の編集: 二宮 圭吾
アクセルパートナーズ代表・webコンサルタント・中小企業診断士

2010年にwebコンサルタントとして開業、2016年中小企業診断士登録。web集客や求人を中心に様々な支援を行う。独自の中小企業診断士ネットワークを運営。

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