P-MAXのアセットグループの詳細と効果的な設定方法

P-MAX(パフォーマンスマックス)は、検索キャンペーンのようにキーワードや入札で細かく配信を制御できません。そのぶん、AIに渡す「アセットグループの中身」が判断材料の中心になります。
この記事ではアセットグループの詳細と効果的な設定方法をまとめました。
1. アセットグループとは
アセットグループは、テキスト・画像・動画・ロゴといったアセットを、共通のテーマでひとまとめにした単位です。Google AIがこれらを組み合わせて、検索・YouTube・ディスプレイ・Gmail・Discover・マップなど各チャネル向けの広告を自動生成します。アセットグループは、テキスト・画像・動画・ロゴといったアセットを、共通のテーマでひとまとめにした単位です。Google AIがこれらを組み合わせて、検索・YouTube・ディスプレイ・Gmail・Discover・マップなど各チャネル向けの広告を自動生成します。
2. アセットグループの「分け方」
公式の基本的な考え方は、1つのテーマ、または1つのオーディエンスに関連するアセットでグループを作るというものです。商品カテゴリ別、サービス別、ターゲット別といった切り口が考えられます。
分け方に関して、ヘルプで触れられている注意点もあります。
・小売で複数のアセットグループを使う場合は、グループ間でターゲットにする商品 が重複しないようにする(例:グループ1は商品A〜L、グループ2は商品M〜Z)とされています。
・ロゴやビジネス情報はキャンペーン単位で統合されており、これらが異なるアセットグループに分かれた状態でのキャンペーン運用は避けることが推奨されています。
一方で、「分ければ分けるほど良い」とは言い切れません。グループを細かく分けるとトラフィックやデータが分散し、AIの学習が進みにくくなる可能性も指摘されています。
3. アセット(素材)の入れ方
P-MAXは多様な面に配信されるため、Googleはできるだけ多くの、多様なアセットを入れることを推奨しています。公式ヘルプで示されている目安は次のとおりです(仕様は変わり得るため、最新は管理画面・ヘルプで要確認)。
・上限の目安:広告見出し 最大15個、説明文 最大5個、画像 最大20枚(向き違い)、動画 最大5本
・最適化のヒントで示される推奨水準:少なくともテキストアセット20個(見出し15+説明文5)、画像7枚(横向き3・正方形3・縦向き1)、動画1本以上
・すべてのアセットタイプ(テキスト・画像・動画)を、各アセットグループに含めることが望ましいとされています
動画について:動画を入れない場合、アセットグループ内のアセットから動画が自動生成されることがあります。
「広告の有効性(広告アセットの充実度)」について:これはアセットグループの「幅」と「深さ」を示す指標で、Googleは評価が「非常に高い」「高い」になることを目指すよう推奨しています。
Googleは、充実度の向上とパフォーマンスの間に相関は認められるとしつつ、スコアの更新そのものでキャンペーンの成果が変わるわけではないとも明記しています。「充実度を上げれば必ず成果が上がる」という因果ではない、ということです。充実度を「非常に高い」に改善した広告主でコンバージョンが平均6%増加したというデータも示されていますが、これも平均であり、個々の結果を約束するものではありません。有効性スコアはあくまで目安として使い、最終的な良し悪しはコンバージョンの実数で判断するのが現実的です。
テキストの自動作成・最終ページURLの拡張:AIによるアセットの自動作成(テキストのカスタマイズ)は、有効のままにしておくことが推奨されています。また最終ページURLの拡張がオンの場合、ユーザーの検索語句に応じて、より関連性が高いとAIが判断した別ページにリンク先が置き換わることがあります。機会を広げられる一方、意図しないページに遷移する可能性もあるため、特定のLPに確実に着地させたい場合は設定を確認しておくとよいでしょう。
4. 検索テーマの設定
アセットグループの設定では、「検索テーマ」を設定することができます。
検索テーマは、ターゲットとしたいユーザーが使っていると分かっている検索語句を、広告主側からAIに伝える任意の機能です。Googleは、検索テーマを使うことで、まだリーチできていない検索面(検索広告枠)などへ配信を広げられるとしています。
P-MAXは通常、アセット・フィード・ランディングページ・過去の配信実績などをもとに配信対象を判断します。裏を返せば、これらのデータに含まれていない情報はAIの判断材料になりにくいということです。検索テーマは、そのギャップを人の知見で補い、AIの学習を後押しする位置づけと整理できます。Googleもこの機能を、LPに十分な情報が載っていない場合や、重要なビジネステーマを広くカバーしたい場合の活用例として挙げています。
公式ヘルプで示されている主な仕様は次のとおりです(仕様は変わり得るため、最新は管理画面・ヘルプで要確認)。
・設定単位:アセットグループごとに設定(シグナルの設定画面から追加)
・上限の目安:1アセットグループあたり最大25個程度(公式ページにより最大50個と記載されている箇所もあり、変更され得るため要確認)。1テーマあたりの文字数は全角40文字(半角80文字)まで、重複は不可
・除外の適用:P-MAXのブランドの除外と、アカウント単位の除外キーワードが適用される
検索テーマでランディングページに記載されていない検索ワードなどをAIにシグナルとして指定して伝えることで機械学習を早めるヒントにつながります。
なお、検索テーマは任意の機能であり、設定すれば必ず成果が上がると約束されているわけではありません。設定したテーマの検索ボリュームが小さい場合は、ほとんど加味されないこともあります。
また、設定したワードでユーザが検索した時に必ず広告表示されるわけではありません。
「効きそうなテーマを入れて終わり」ではなく、追加前後で検索語句の分析情報やコンバージョンの実数を見比べ、データで判断することが必要です。
特に、新規にP-MAXを立ち上げる初期フェーズで、検索広告で成果の良かったキーワードを起点にテーマを設定すると、学習の助けになることがあるとされていますが、これも確実ではありませんので
5. オーディエンスシグナルの設計
オーディエンスシグナルの追加は任意です。Googleは、シグナルを使うことでAIの学習速度と効率が向上し、最適化が促進されるとしています。
ここで誤解されやすいのが、シグナルの役割です。これは「この層だけに配信する」というターゲティング(絞り込み)ではなく、コンバージョンにつながる可能性が高い場合シグナルに該当しない関連性の高いオーディエンスにも広告が表示されることがあると明記しています。つまりシグナルは、配信先を限定するものではなく、AIの学習を助ける「ヒント」として捉えていただく形になります。
アセットグループが1つのテーマ/オーディエンスに紐づく以上、各グループの訴求に合った層をシグナルに設定し、クリエイティブとヒントの方向性を揃える、という考え方が公式の枠組みに沿っています。ただし、どのシグナルが実際に効くかを事前に確定することはできません。後述のインサイトで「答え合わせ」をしながら、検証を通じて調整していくことになります。
広告主様のデータ
HPに訪問したユーザをオーディエンスシグナルとして追加することで既存ユーザに類似したユーザへ広告が当たりやすくなります。
ユーザー属性
年齢性別子供の有無などをオーディエンスシグナルに設定することでAIは学習のヒントとして活用いたします。
除外設定が必要な時はアセットグループではなくキャンペーン単位で設定可能です。
6. 評価と運用 ― 「データで判断する」を徹底する
評価はキャンペーン単位で続ける
Googleは、アルゴリズムがコンバージョン目標に対して最適化される性質上、パフォーマンスは引き続きキャンペーン単位で評価することを勧めています。
アセットグループ単体の指標だけで削除しない
CPAが高い、あるいはROASが低いアセットグループであっても、キャンペーン全体の目標達成に貢献している可能性があるため、その情報だけでアセットグループを削除することはおすすめされていません。平均の費用対効果ではなく、限界費用対効果を重視する、という考え方です。
変更後は学習期間を見込む
シグナルやアセットを変更した直後は、AIの学習が動きます。短期間に変更を繰り返すと学習が安定しにくいため、一定期間データが溜まってから評価するのが一般的な運用上の注意点です(適切な期間はケースによるため、ヘルプや管理画面の表示を確認してください)。
アセットの評価を改善に使う
各アセットには「低い/良好/最高」といった評価が付きます。評価が低いものは差し替えの候補になりますが、「低い=即削除」と短絡せず、別の訴求軸でテストする一環として扱うのが穏当です。
最終的にはデータで判断する
どの構成・どのシグナル・どのアセットが効くかは、一概には言えません。期間比較やインサイト(オーディエンスの分析情報)で実数を確認し、成果の良かった層や訴求を次の設定に反映していく——この検証のサイクルが本質です。AIの精度は時間とともに変わるため、以前うまくいかなかった設定が、時期をおくと違う結果になることもあります。
まとめ
・公式が示す推奨は出発点を参考に設定した上で効果検証を行い、データをもとに判断する。
・グループは「テーマ/オーディエンス単位」が基本。分けすぎはデータ分散の懸念もるので適切な数を設定する。
・アセットは多様性と量が推奨されるが、有効性スコアは目安。最終判断はコンバージョンの実数で
・検索テーマは従来の検索広告のキーワード設定とは異なり、商品の有効なテーマを迅速にAIに知らせるためのもの
・オーディエンスシグナルは絞り込みではなく学習のヒント。任意だが学習を助ける
・評価はキャンペーン単位。CPA/ROAS単体でアセットグループを削除しない
アセットグループの構成や、自社データをシグナルにどう活かすかは、公式の考え方を踏まえつつ、自社の数値で確かめていくのが近道です。現状のアカウント構成を一度棚卸ししたうえで、検証の設計から見直したい場合は、専門家の視点を交えて整理することをおすすめします。







