履歴書不要で採用活動をすべき?メリットとデメリットを解説!
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履歴書不要で採用活動する企業が増えています。
採用活動に伴う工数は多く、時間もコストもかかります。履歴書不要で採用活動することで効率的かつ効果的な採用活動ができるなら、自社でも取り入れたい、と考える向きもあるでしょう。
そこでこの記事では、履歴書不要で採用活動する際のメリットとともに、注意すべきデメリットについてもご説明します。
目次
履歴書不要で採用活動する5つのメリット
履歴書不要で採用活動することで期待できるメリットには、次のようなものがあります。
1:応募率が上がる
2:スピード感のある採用活動ができる
3:質問すべき事項を漏れなく確認できる
4:履歴書を返却する手間がない
5:公平性への配慮を示せる
応募者率が上がる
応募者にとって、履歴書を作成するのは手間のかかる作業です。履歴書不要であれば、応募に対するハードルが下がることによって、応募率の上昇が期待できます。
スピード感のある採用活動ができる
履歴書を不要にすれば、書類選考の時間を省いて、スピード感のある採用活動ができます。
また迅速に面接の機会を設けられるので、早く就業先を決定したい応募者のニーズに応えることが可能です。応募率アップに貢献するほか、採用を予定していた人材が、採否の通知を待てずに他社に流出する、といった事態への抑止力にもなります。
質問すべき事項を漏れなく確認できる
履歴書の代わりに、確認すべき内容を取りまとめたエントリーシートや、フォーマットを作成しておけば、効率よく面接を進められるので便利です。
履歴書のフォーマットによって、記載内容が異なります。またパソコンスキルで作成した自作の履歴書を使う応募者もいるでしょう。履歴書だけに頼って選考活動を進めると、質問すべき事項の確認漏れが発生する可能性があります。
自社の採用選考に際して必要な事項だけを取りまとめたフォーマットがあれば、スムーズに面接を実施することができます。
履歴書を返却する手間がない
履歴書を収集しないことで、採用選考後に発生する事務処理の手間を大幅に軽減できます。
たとえば不採用が決定した場合、応募者に返却するか否かは企業側に委ねられています。返却するための事務手続きや送料といったコストを抑えるために、履歴書を返却しない方針を取る企業も少なくありません。
しかしその場合、個人情報が記載された書類として一定期間、厳重に保管する必要があります。また一定期間後はシュレッダーで裁断する、もしくは溶解処理するといった手間がかかるのも、デメリットです。
履歴書不要で採用選考することは、採用活動の工数を減らし、コスト削減に大きく貢献するため有益です。
公平性への配慮を示せる
履歴書の提出を求めることは、センシティブな個人情報の収集につながります。
たとえば履歴書に記載する性別や年齢、婚姻状況、顔写真といった情報は、本来は採用の可否に影響すべきでない事項です。こういった情報を記載する履歴書に対して諸外国では、採用選考の公平性に影響する可能性があるとして、慎重な姿勢を取る傾向もみられます。
世界の履歴書に対する対応や、昨今のジェンダーに対する意識の高まりを受けて、2021年には厚生労働省が、性別を記載しないスタイルの履歴書を、厚生労働省履歴書様式例として発表しています。
これまで日本の企業では、採用活動においては当然のように、履歴書の提出を求めてきました。しかし社会の動きを加味すると、履歴書不要で採用活動を進めることには、十分検討の余地があります。
(参考URL:厚生労働省)
履歴書を求める理由
採用活動にあたって履歴書の提出を求める理由は、次の3点です。
1:書類選考の資料
2:応募者に関する基本事項の確認
3:採用後の人事データ
書類選考の資料
履歴書は、応募者に関する基本的な情報を確認するための重要な資料です。
応募件数が多い場合、すべての応募者に面接を実施するのは困難です。あらかじめ履歴書の提出を求めて書類選考れば、面接の機会を設けるにふさわしい応募者を抽出し、効率よく採用活動を進めることができます。
応募者に関する基本事項の確認
履歴書の提出を求めれば、応募者の学歴や職務経歴、取得している資格、志望動機、希望する雇用条件といった情報を、一括で確認できます。
また面接の際に履歴書の記載内容を元に質問することで、効率の良い採用活動を促進することが可能です。
採用後の人事データ
履歴書は、採用後に労働者名簿を作成する際にも有益です。
労働者名簿は、賃金台帳、出勤簿と並んで、労働基準監督署がチェックする法定三帳簿のひとつです。労働者名簿を正確に記載する際に、履歴書の情報が活躍します。
また採用に関して虚偽の申告があった場合に、当該従業員に処罰を与える際の根拠資料としても有効です。
(参考URL:労働基準法第107条)
履歴書不要で採用活動するデメリット
履歴書不要での採用活動には、次のようなデメリットが発生する可能性があります。
1:応募者の質の低下
2:聞き忘れ
応募者の質の低下
履歴書を不要にすれば、書類作成の手間がない分、応募率が上がります。その反面で、自社の求める人材のイメージにそぐわない、意欲の低い応募者が増える可能性は否めません。
多数の応募者の中から自社の求める人材を的確に抽出するために、選考の工程や基準を見直すことが大切です。
聞き忘れ
面接に進んだ際に、選考に必要な事項の聞き忘れが発生することもあります。質問し損ねた事項を確認する手間がかかるほか、選考に手間取っている間に有益な人材を逃すこともあるでしょう。
履歴書不要で採用活動する場合は、履歴書に代わって選考に必要な情報を聴取するためのフォーマットを用意してください。
履歴書不要の採用活動に失敗しない3つのポイント
履歴書の提出を求めずに採用活動する場合は、次の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
1:職種や業種による向き不向きを見極める
2:エントリーシートを作成する
3:最終選考の前に履歴書の提出を求める
職種や業種による向き不向きを見極める
履歴書不要での採用活動には、職種や業種による向き不向きがあります。
深刻な人材不足に悩んでおり、すぐにでも複数の人材を採用する必要がある場合は、履歴書を求めず、スピード感のある採用活動をご検討ください。具体的には、飲食業やサービス業、期間限定の業務といったものが、これに当たります。
その反面で、一定以上のスキルや経験が求められる職種や業種では、履歴書の提出を求める方がよいでしょう。履歴書があれば、どの程度のスキルや資格を持つ人材であるかを容易に把握できます。採用活動の効率を維持しながら、人材の質を的確に判断する材料として採用活動に大いに貢献するのが、履歴書です。
エントリーシートを用意する
履歴書の提出を求めずに採用活動する場合、あらかじめエントリーシートを作成することは必須です。エントリーシートを用意することで、面接時の聞き忘れを防止できます。
また自社独自のフォーマットを作成すれば、汎用の履歴書には記載されていない事項についても確認できます。面接での質疑応答を効率よく、かつ確実に進めることが可能です。
採用見込みのある応募者には履歴書の提出を求める
選考過程も終盤に差し掛かり、採用の見込みがある応募者には、履歴書の提出を求めてください。
履歴書は採用における選考資料となるだけでなく、入社後の人事資料としても重要な意味を持ちます。一度採用を決定したら、会社都合で解雇することは困難です。採用の可否を決定するにあたっては、可能な限りの選考資料を集め、慎重に検討することは欠かせません。
社員の縁故者や知人を紹介してもらうリファラル採用でない限り、採用の可能性が高い応募者には、最終選考の前に履歴書の提出を求めることをおすすめします。
まとめ
法的には、履歴書不要で採用活動をすることに何ら問題はありません。職種や業種によっては、より効率の良い採用活動に貢献し、応募率を上げることつながります。
しかし高いスキルや経験が求められる職種では、履歴書の提出を求める従来のスタイルの方が、自社の求める人材の採用につながる可能性があります。履歴書不使用にするか否かは、慎重にご検討ください。
「自社の場合は、履歴書の提出を求めた方が良いのか。」
「どのように募集をかければ、採用課題を改善できるのか。」
こういった採用に関するお悩みがおありでしたら、アクセルパートナーズに、ぜひご相談ください。御社の魅力をアピールしながら、求める人材に対して高い訴求効果を発揮する求人票の作成を、サポートいたします。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。