Indeedの提供するクローリングの仕組みについて
人手不足が社会問題化していることもあり、「従業員が足りなくて仕事が回らない」「求人情報を公開しても応募してくる人がほとんどいない」といったことで悩んでいる企業も多いでしょう。こういった問題の解決策として求人サイトを利用する企業も増えてきていますが、より効果的に求人募集を行うためには利用する求人サイトの特徴や仕組みをしっかりと理解することが重要です。
ここでは、大手求人検索サイトである「Indeed」がどのように求人情報を掲載しているのか、その仕組みについて詳しく見ていきたいと思います。
Indeedとは
「Indeed」は、2004年にアメリカで設立された求人情報サイトです。2012年からは日本でも事業をスタートさせるなど、世界60ヶ国以上でサービスを展開しています。
現在では、国内だけでも毎月のユニークビジターが4,000万以上、全世界では2億5,000万を超えるユニークビジターを誇る世界最大級の求人情報サイトです。なぜIndeedがこのように圧倒的なユーザー数を獲得できたのか、その理由の一つは徹底したSEO(検索エンジン最適化)により利用者が必要としている求人情報に素早く確実にアクセスできることです。マッチング率の高さにより応募率も必然的に高いものとなります。
もう一つの理由はクリック課金型の広告料金体系です。一般的な求人情報サイトの場合は情報を掲載するだけでも費用がかかりますが、Indeedでは情報の掲載は無料であり、利用者が求人情報を閲覧して初めて料金が発生します。このシステムによって企業側は採用コストを抑えることが可能になるのです。
Indeedに求人情報を掲載するには
Indeedは、一般的な求人情報サイトとは異なり、厳密には「求人情報検索エンジン」と呼ばれるサービスを展開しています。つまり、求人情報に特化した検索エンジンであり、利用者は「キーワード」×「勤務地」で検索することで自分に条件にあった求人を見つけることができます。
Indeedに求人情報を掲載するには次の2つの方法があり、企業はどちらかを選ぶことが可能です。
1.直接投稿
直接投稿とは、Indeedの提供する求人情報登録用のフォーマットに自社の求人情報を直接投稿する方法です。つまり、Indeedのサイトに自社の求人情報サイトを作成するといったイメージとなります。
会社名や勤務地、職種、給与など11個の情報を入力する必要がありますが、自社のホームページを持っていない企業や技術的な理由によってホームページのスマートフォン対応が難しい場合などには便利に利用することができます。また、入力した情報は審査に合格すれば最短数時間で掲載が開始されるので、できる限り早く求人方法を公開したい場合にも有効な方法です。
2.クローリング
クローリングは、Indeedの検索エンジンが企業の採用ページを定期的に周回し、その情報を自動的に読み込んで掲載する方法です。この方法では、直接投稿と違って情報を自分で入力する手間や時間が必要ないので気軽に利用することができますが、特定の条件を満たしていないとクローリングが行われなくなってしまうこともあります。また、直接投稿と比べると求人情報が公開されるまでに時間を要する場合があるため、急いで人材を募集したい時は適さないこともあります。
Indeedのクローリングの仕組み
先ほども説明したように、Indeedに掲載されている求人情報は「直接投稿」と「クローリング」の2つの方法によって収集されています。従来の求人サイトでは直接投稿が一般的であったのに対して、Indeedはクローリングという方法を採用したことで企業側の負担を顕現することに成功し、多くのクライアントを獲得することにつながりました。
このクローリングという手法は、Googleなどの検索エンジンが世界中のサイトの情報を取得するために使用しているものであり、クローラー(スパイダー)と呼ばれるプログラムがウェブサイトを定期的に巡回することによって情報を取得し保存します。ただし、世界中のありとあらゆるウェブサイトを巡回するGoogleのクローラーと違い、インディーとのクローラーはある特定の条件を満たしているサイトだけを巡回しています。
主な条件は次のようなものです。
1.自社のサイトに求人に関するページがあること
クローラーは、サイトに掲載されている情報を収集してくるわけですから、そもそも求人情報が掲載されていなければ情報を集めることができません。求人情報をIndeedに掲載してもらうためには自社のサイトに求人情報を掲載していることが原則となります。
企業によっては自社のサイトではなく、Indeed以外の求人情報サイトに求人を公開しているということもあるでしょう。このような場合、他社の求人情報サイトから情報を集めてもらいたいと考える企業もあるかも知れませんが、そのようなことはできません。Indeedのクローラーは、原則的に他社の求人情報サイトをクローリングすることはできないからです。
クローリングによる求人情報の掲載を希望する場合は自社のサイトに求人情報があることが条件になるため、求人情報がない場合には作成してから利用を開始するか、直接投稿による掲載を利用することになります。
2.必要な情報が正確に記載されていること
たとえ自社のサイトに求人ページが用意されていても、情報の内容が曖昧である場合や不正確なものである場合にはクローリング審査を通過することはできません。利用者とのマッチング率を高めるためにも、求人内容についての情報をできるだけ詳しく、正確に記載していることがクローリングの条件となります。少なくとも職種名、会社名、勤務地、給与、雇用形態、仕事内容、勤務時間、交通アクセス、福利厚生といった項目は記載しておく必要があるでしょう。
3.1つの求人ごとに1つのURLが割り当てられていること
企業によっては1つのURLに複数の求人を掲載してるケースが見られますが、Indeedでは原則的に「1つの求人について1つの職種、1つの勤務地」を提示していることがクローリングの条件となります。仮に採用ページのトップに複数の職種の求人を掲載している場合には、それぞれの求人について別々のページを用意しなければなりません。
4.自社の求人サイトがHTML形式で作成されていること
クローラーはHTML形式で作成されたページの情報しか読み取ることができません。採用の詳しい内容についてPDFファイルやWordのドキュメントファイルへのリンクを貼っているケースも見られますが、これらのファイルはクローリングの対象とはならないので注意が必要です。
5.求人情報が課金やユーザー登録の必要がないページに掲載されていること
企業によってはユーザー登録をしないと採用ページにアクセスできないケースがありますが、このような場合はクローリング審査で落ちてしまう可能性があります。また、求人に応募するために課金が必要となる場合もクローリングの対象とはなりません。
誰もが自由に閲覧・応募できる状態になっていることを確認しましょう。
6.応募方法が明記されていること
求人に応募する方法にはネットの応募フォーム、電話、郵送などいくつかありますが、それぞれの求人ページに応募方法が明記されていなければなりません。
7.Indeedの求人ページに応募ボタンが設置されていること
会社の採用ページに応募ページが用意されていて、Indeedの求人ページに設置された応募ボタンから直接企業の応募ページに移動することが可能であることも条件の一つです。この場合、応募ページが自社のサイトにあることが条件であり、他社のサービスが提供する応募フォームを使用している場合はクローリングの対象とはなりません。
まとめ
Indeedは、従来の求人情報サイトとは異なり、クローリングの仕組みを採用した求人検索サイトサービスを展開しています。クローリングは、自社サイトに公開している求人情報の内容を自動的に読み取って掲載してくれるので、わざわざ情報を個別に入力する手間や時間を省くことができ、より効率的な採用活動を実現します。Indeedに求人情報を掲載することにより、これまでとは比べ物にならないくらい多くの求職者に情報を見てもらえる可能性が高まるでしょう。
求人情報へのアクセスが少なくて悩んでいるならばIndeedにクローリングの申請を行ってみてはいかがでしょうか。