中小企業向け、人手不足に陥らないための採用計画の作りかた
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人手不足が叫ばれる昨今ですが、みなさん採用活動は計画的に取り組んでおりますでしょうか。
素晴らしいサービスを提供している企業が多数ある中で、そのサービスを提供するために費やしている熱意やリソースを採用活動・採用計画には使いきれていない会社が多いなあとよく感じます。
特に「人が辞めたり、足りなくなったら急いで求人広告をだす」というシーンが多いですが、人手不足に陥ってから動き出すのは決して得策ではありません。
・優秀な人材が欲しい
・採用コストは出来るだけ抑えたい
・サービス品質の低下や納期遅れは避けたい
・残業代を抑えたい
・従業員のモチベーションを上げたい
人手不足を解消してこのような課題を解決するためには採用スキルを高めることが重要になります。
そのために必要な施策は様々ですが今回は採用計画を事前に策定する重要性についてまとめてみました。
目次
1.離職数と当期・次期売上計画を元に早めの採用活動を
人が辞めない会社を作ることはもちろん重要ですが、定年退職以外でも本人都合による退職をなくすことは非常に困難です。
辞めない会社を作ることに尽力しつつ過去5年間くらいの離職数を見た上で「今年何人辞める可能性がある」ということを想定する必要があります。
また、
売上を20%上げる!
という目標を掲げて社長が陣頭指揮をとって盛り上げていても人員補充や設備投資をせずに
「君たちの頑張りにかかっている」
ではなかなか従業員の心は掴めません。
そのような後手の採用活動ではなく、人手不足が深刻にならないような計画作りを推奨致します。
2.募集から1人前になるまでのリードタイムの概算を算出する
当たり前ですが、求人媒体に掲載したら人手不足が解消するわけではありません。
以下のようなステップを経て初めて一人前の従業員を確保することができます。
1.求人媒体に申し込む
↓
2.求人原稿や写真などを用意
↓
3.掲載
↓
4.面接
↓
5.内定(一定数内定辞退も想定)
↓
6.入社(試用期間の離職も想定)
↓
7.教育・業務把握
業種・職種にもよりますが、平均的に6ヶ月~1年程度はかかるのではと思います。
この平均的なリードタイムを把握しておくことも重要です。
3.当期の増員目標を立てる
続いて当期の増員数の目標を定めます。
離職や売上増加、教育にかかる期間を考慮してここでは「5名増員する」という目標を定めたいと思います。
4.増員目標達成のために必要な面接者数を算出
1名採用するにあたり、媒体掲載費用とそれに伴う平均的なエントリー数・内定率・入社率を考えて1名採用するのにだいたいいくらかかるのか算出して予算を投下することが求められます。
例えば
”
増員目標:5名
↑
入社:6名
↑
内定:8名
↑
面接:20名
”
となりますので面接を20件獲得を目標とします。
5.必要な広告コストを把握
次に広告コストを算出します。コストは少ない方がいいですが、適切な投資をしないと目標増員数を達成できないかもしれません。
ここでは面接1人獲得するための広告コストを算出します。
例えば平均的に30万円の広告掲載料金で10名面接を獲得できるというデータがありましたら
300,000円 ÷ 10名 = 30,000円
と算出されます。
とすると、今期5名採用するために必要な広告コストは600,000円ということになります。
6.いつから準備していつ広告掲載するべきか考える
あとはこの大切な広告コストを有効活用する為にいつ動くべきか、ということになります。
受け身の採用活動ではないので、タイミングをこちらで選ぶことができます。
一般的に中途採用の繁忙期は9月・3月と言われています。
9月・3月は期末の企業が多く、離職する人が多いため求人広告のアクセス数が増加致します。
ただ、もちろんそのような情報は大企業・大手媒体も把握しているので競争が激しくなりますので、競争にのるべきか避けるべきか、ということを考える必要があります。
私の2019年現在の見解と致しましては「繁忙期を狙うべき」です。
理由としては
a.競争が激しいがその分求職者も多い
b.離職することが決まっていないユーザが少ない
c.円満退職者・計画的な退職者が多い
と考えています。順番に説明致します。
a.競争が激しいがその分求職者も多い
一般的に競争が激しい繁忙期は競合他社も多数掲載します。その為競争が激しくなりますが、その分アクセス数も急増しますので結果として供給過多にはならないことが多いです。
b.離職することが決まっていないユーザが少ない
求人サイトを見ている人は全員今の仕事を辞めることが決まっている人や失業者と言うわけではありません。
・今よりいい条件があったら転職したい
・今の仕事に不満があって他社の条件を見ている
といった消極的なユーザが繁忙期は少なく、退職することが決まっている人が多い傾向にあります。
c.円満退職者・計画的な退職者が多い
一概には言えませんが、傾向・確率としては期末に辞める人は円満退職や前もって退職の意思を伝えてキチンと引き継ぎを済ませて辞める計画的な人が多いです。
あくまで傾向的なものですが、人間関係などで衝動的に辞めた人よりできれば前もって上司に退職の意思を伝えて期末に円満に退職した人に来て欲しいなあと思う経営者様が多いのではないでしょうか。
掲載月が決まったら逆算して1ヶ月前にはお申込みをするべきですので、素材が揃っていない場合は2ヶ月前から写真素材などの準備に取り掛かるべきかと思います。
7.できる限り同期の入社を心がける
6とも関連しますが、できれば掲載タイミングを繁忙期に絞り、集中投下した上で目標人員の確保は期首を中心に1、2回でまとめて達成させることをお勧め致します。
期首やキリの良い月にまとめて入社することで
・会社の今期の方向性を理解しやすい
・人事異動とまとめて対応できる
・同期社員がいることで同期内の競争や離職防止に貢献できる
・まとめて教育や事務処理できる
といったメリットがあります。
離職者が出るたびに後手に採用活動をしていてはこのようなメリットを享受することができません。
まとめますと、
・人が足りなくなる前に増員する
・離職数の傾向と売上計画を元に必要な増員数を把握する
・必要な増員数を確保するための広告予算を投下する
・広告掲載はその業界の繁忙月(一般的に9月3月)にまとめて掲載する
・できる限り同時に期首入社を目指す
いかがでしょうか?
戦略的・マーケティング的視点で採用に取り組み、人手不足に陥らないように心がけることが今度ますます求められるかと思います。
ただ、売上も人員計画も予定通りにはいかないことも多く、外部環境にも大きく左右されますので7割くらいを計画的な採用でまかない、3割くらいを状況に合わせて対応する、といったバランスが良いのではないかと思います。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。