ものづくり補助金の加点要素「経営革新計画」「事業継続力強化計画」とは
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この「ものづくり補助金」の加点項目に、
・「経営革新計画」の承認
・「事業継続力強化計画」の認定
というものがあります。
公募前のこの時期に、その概要について確認したいとおもいます。
目次
1. 経営革新計画とは
※2016年7月1日に、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(中小企業新事業活動促進法)」を改正する、「中小企業等経営強化法」が施行されました。【経営革新計画】
「中小企業等経営強化法」にて、「経営革新支援」が規定されています。 経営革新計画とは、これから新規事業に取り組もうとする事業者の「想い」を、具体的な形にするためのツールです。≪1 新規事業の内容≫
次のいずれかの「新たな事業活動」をおこなうことによって、経営の向上をはかるものでなければなりません ①新商品の開発または生産 ②新役務(サービス)の開発または提供 ③商品の新たな生産または販売方法の導入 ④役務(サービス)の新たな提供方法の導入その他の新たな事業活動≪2 計画期間≫
3~5年の事業計画であること≪3 目標とする経営指標≫
次の条件をみたす必要があります ①付加価値額(企業全体または1人あたり)が年率3%以上向上すること 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費 ②経常利益が年率1%以上向上すること 経常利益=営業利益―営業外費用(営業外収益は含まない) このように事業計画を作成することで、社内における経営目標や課題を共有して、明確にすることができます。【新たな事業活動(新事業活動)とは?】
先ほどの≪1 新規事業の内容≫①~④について、どういう事業があてはまるのか、具体的にみていきましょう。 ≪具体例≫ ①新商品の開発または生産 ・建設業者が、産業廃棄物である下水汚泥などを甘味料としても知られる植物を用いて処理し、新たな肥料を生産し販売する。 ②新役務(サービス)の開発または提供 ・美容室が、高齢者や身体の不自由な方など、自分で美容室に行くことが困難な方のために、美容設備一式を搭載した車で美容師が出張し、カットやブローの基本コースからヘアメイクや着付けなどのサービスを行う。 ③商品の新たな生産または販売方法の導入 ・果物の小売業者が、本格的なフルーツパーラーを開店。果実店で培われた果物についての知識などの強みを活かすとともに、フルーツ&ベジタブルマイスターの資格をもつ店員が常駐し、高品質フルーツを使ったスイーツや、フルーツや野菜のフレッシュジュース、健康を意識した野菜を取り入れたランチメニューも提供する。 ④役務(サービス)の新たな提供方法の導入その他の新たな事業活動 ・不動産管理会社が、企業の空き家となった社員寮を一括借り上げして、それを高齢者向けに改装し、介護サービス、給食サービスを付加して、高級賃貸高齢者住宅として賃貸する。利用できる制度や措置
経営革新計画の承認を受けることで、活用できる公的支援策の幅がさらに広がります。 自社で何が使えるのか、参考にしてみてくださいね。 ■保証・融資の優遇措置 ①信用保証の特例 ②日本政策金融公庫の特別利率による融資制度 ③高度化融資制度 ④食品流通構造改善促進機構による債務保証 ■海外展開に伴う資金調達の支援措置 ⑤スタンドバイ・クレジット制度 ⑥中小企業信用保険法の特例 ⑦日本貿易保険(NEXI)による支援措置 ■投資・補助金の支援措置 ⑧企業支援ファンドからの投資 ⑨中小企業投資育成株式会社からの投資 ⑩経営革新関係補助金 ■販路開拓の支援措置 ⑪販路開拓コーディネート事業 ⑫新価値創造展 ■その他の優遇措置 ⑬特許関係料金減免制度 より具体的な内容が知りたい場合は、以下のガイドブックをご参照ください。 「経営革新計画 進め方ガイドブック」 各都道府県によっては、内容が異なるものもありますので、各都道府県担当部局、国の地方機関等にご相談ください。 都道府県問い合わせ先一覧はこちら 経営革新等支援機関はこちら2. 加点項目以外のメリット
経営革新計画の作成にチャレンジすることは、「ものづくり補助金」の加点項目になること以外にも、会社にとっていくつもメリットがあります。 【経営者】 ・「自社の現状や課題を見極めたい!」 ・「自社の業績をアップさせたい!」 ・「自社の経営の向上をはかりたい!」 といった「想い」を叶えられる可能性があります。 また、自分自身の会社を見直すことによって、会社の目的や社員のやるべきことを、具体的に理解して、意識を変えられることが何よりの収穫になるかもしれません。3. 事業継続力強化計画とは
中小企業・小規模事業者の方々が、防災・減災にむけて取り組む計画を、経済産業省が認定します。【取り組みの手順】
1)「何のために取り組むか」、事業継続力強化に取り組む目的を確認する 2)ハザードマップを活用して、自然災害のリスクを把握する 3)自社にとって必要な事前対策を検討する 特に、3)については、経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」の視点から考えます。 具体的には、 ・ヒト:災害時の緊急参集要員を決定する ・モノ:配電盤を高所に設置する(水害対策) ・カネ:水災や地震等の災害に対応した、損害保険などへ加入する ・情報:契約書などのバックアップを作成し、安全な場所(遠隔地など)に保管する 以上のような対策が考えられます。 自社にとって必要な事前対策をきめておきましょう。【認定企業への支援策】
認定された企業へは、以下の支援策がおこなわれます。 ①日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金) ②信用保証枠の追加 ③防災・減災設備への税制優遇 ④補助金の優遇措置 ⑤認定ロゴマークの使用 ⑥本制度と連携いただける企業・団体からの支援 「事業継続力強化計画」認定制度のご案内はこちら4.まとめ
いかがでしたか。 「ものづくり補助金」への加点になるから「経営革新計画」を作成する、もちろんそれでも構いません。 ただ、時間をかけて作成するので、加点項目以外にも、自社にとってメリットがあることを知っていただければとおもいます。 「ものづくり補助金」をきっかけに、自社の経営革新に取り組み、実効性のある自然災害等への対策を計画する。そして、経営者自らの「想い」の実現にむけて、一歩踏みだす機会になればとおもいます。]]>補助金に関するお悩みは
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。