【簡単解説】事業再構築補助金の実績報告書の作成方法とポイント
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今回は、事業再構築補助金での事業が終わったあとに作成&提出する「実績報告書」等について解説していきます。
採択後の流れのおさらいから、実績報告書とは?や、申請方法、注意ポイントなどを解説しています。
事業実施中しか入手できないデータもありますので、ご注意ください!
事業再構築補助金を申請するなかで、こんなお困りごとはありませんか?
✓事業再構築補助金に採択されて、交付決定も出て、ようやく事業を開始できる!けど本当にちゃんと補助金が出るか不安だ
✓事業を終えて、補助金をもらうまであと一息!でも実績報告書の出し方が分からない!
✓忙しくて調べたり実績報告書などを作成したりする暇がない
今回は、事業再構築補助金での事業が終わったあとに作成&提出する「実績報告書」について、事業再構築補助金公式HPの情報をもとに丁寧に解説していきます。
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目次
1.事業再構築補助金の実績報告とは?マニュアルをもとに解説!
事業再構築補助金の実績報告の詳しい解説に入る前に、簡単に採択後の流れをおさらいします。
【事業再構築補助金】採択後の流れ
1.採択公表・通知
2.交付申請
3.交付審査
4.交付決定
5.補助事業期間(12か月または14か月)
6.「実績報告書」等の作成と提出、今回はこの段階を解説します
7.確定審査(補助額の確定)
8.補助金の請求
9.補助金の支払い
交付申請については、「【徹底解説】事業再構築補助金の交付申請の方法と必要書類」で解説しています。
では、実績報告についてご紹介していきます。
実績報告書とは事業完了後に提出する書類
補助金での事業は、申し込んで採択されて実施したらそれでおしまい、ではありません。
補助事業終了後もいくつかの対応が必要となってきます。そのひとつが「実績報告書」等の作成と提出です。
この「実績報告書」等の作成と提出について、事業再構築補助金公式HPにある「実績報告書等作成マニュアル」をもとに詳しく解説していきます。
事業者は補助事業完了後、「実績報告書の入力」と「証拠書類の添付」をJグランツにて行う必要があります。
「実績報告書」等の提出期限は、補助事業の完了日から起算して30日を経過した日、もしくは補助事業完了期限日のいずれか早い日です。
提出期限内に提出されない場合は、交付決定取消もあり得るため、注意が必要です。補助金が貰えなくなった、という事態にならないようご注意ください。
実績報告Q&A
Q.交付申請のとき、事務局から修正してほしいという差し戻し依頼があったと思いますが、実績報告にもあるのか?
A.マニュアルに記載されていない注意事項もあるようなので、ほぼ100%差し戻しがある印象です。数回は差し戻されるかと思います。
Q.実際、実績報告が完了するのはどれくらいかかる?
A.初回の申請から、最初の差し戻しまで、1~2か月くらい待たされることが多いです。そこから修正のやり取りを行い、初回申請から3~4か月くらいで入金となる事業者様が多い印象です。
Q.実績報告期限内に提出しないと交付取り消しもありうる、という文言を見かけたが、差し戻し対応で期限を飛び出した場合、大丈夫なのか。
A.実績報告期間内に初回申請していれば、現状問題ないようです。
次に実績報告書の申請方法についてご紹介します。
実績報告書の申請方法
実績報告書の申請方法は、「Jグランツ」へ必要項目を入力していきます。
様式の作成(全補助事業者共通)
実績報告で提出する様式第6の別紙1~4、様式第7は、交付決定後、電子申請システムよりダウンロードすることができます。
まず、電子申請システムにログインします。各様式の解説やポイントは事項でご紹介します。
(出典:実績報告書等作成マニュアル)
【銀行振込手数料について】
業者等への銀行振込手数料が先方負担の場合は実質値引きとして取り扱います。
先方の請求金額から手数料を差し引いた金額の税抜きが、補助対象経費となります。
(例)請求金額1,100,000円(税込み)振込手数料880円(税込み)の場合で、振込手数料を先方負担とする場合、先方に振り込まれる金額は、1,100,000円-880円=1,099,120円になります。補助対象経費は、この金額の税抜き金額である 999,200円 です。
つまり、発注先が振込手数料を負担すると、交付額が少し減額になります。
次に、実績報告書で必要となる書類と注意するポイントをご紹介します!
2.実績報告書の必要書類と注意ポイント
事業再構築補助金の実績報告書に必要な書類は、何を購入するかによって変わってきますが、主に以下のものがあります。
実績報告の必要書類
実績報告書に必要な様式は、実績報告で提出する様式第6の別紙1~4、様式第7です。それぞれ、交付決定後、電子申請システムよりダウンロードすることができます。電子申請システムにログインし、ダウンロードすると、一部すでに登録済みの情報が入力された状態で作成データを入手できます。
様式自体がどんなものかは、事業再構築 公式HPの事業者向け資料の「様式集」で閲覧することが可能です。
実績報告の必要書類
① 補助事業実績報告書(様式第6)
Jグランツに直接入力します。そのため、書式の添付はありません。
以下のデータは、「様式集」では、第3回公募用以降が一部準備中(2022年3月現在)になっています。どんなものかは第1回、第2回公募用のデータで見ることができます。
また、上記の通り電子申請システムへログインし、ダウンロードすると一部が入力された状態で出力されるため、作成の際はログインしてダウンロードすることをおすすめします。
②補助事業実績報告書(様式第6の別紙1)
Excelデータ
③経費明細表(様式第6の別紙2)
Excelデータ
④費目別支出明細書(様式第6の別紙3)
Excelデータ
⑤様式第6の別紙4はクラウドサービス利用費を計上する場合のみ必要
⑥取得財産等管理台帳(様式第7)
Excelデータ
様式第7は、補助事業によって取得、または効用が増加した単価50万円以上(税抜き)の物件等(財産)について入力してください。
書類作成時の注意事項
様式第6の別紙1「2.事業実施期間」の開始年月日は事前着手申請をしている場合も必ず交付決定日、完了年月日は交付決定日以降の日付を、記入してください。様式第6の別紙2及び別紙3 経費明細表及び費目別明細書の報告で使用します。
「様式第6の別紙1及び別紙4」「様式第6の別紙2及び別紙3」はダウンロードしたファイル名を変えずに添付してください。
(出典:実績報告書等作成マニュアル)
実績報告に必要な証拠書類
実績報告に添付が必要な証拠書類について紹介します。まずは、前庭となる時系列についての注意点です。
【証拠書類の日付の時系列について】
各証拠書類の日付(順番)に整合がとれているか(例えば「発注書の日付の同日以降に契約書を締結している」「請求書の日付の同日以降に支払いを行っている」等)の確認が必要です。ただし、契約内容により着手金や中間金等の先払いがある場合は、この限りではありません。
日付の整合がとれている例
見積依頼日 ≦ 見積発行日 ≦ 発注日 ≦ 契約日 ≦ 納品日(検収日)≦ 請求日 ≦ 支払済日
(1)証拠書類への付番
すべての証拠書類の右上に、経費の区別がわかるように番号を記入してください。手書きでも大丈夫です。
記入例
★建物を2棟建設した場合
「建-1」「建-2」
★機械を3台導入した場合
「機-1」「機-2」「機-3」
★2種類の広告宣伝を実施した場合
「広-1」「広-2」
(出典:実績報告書等作成マニュアル)
(2)証拠書類のPDF化
付番した証拠書類ごとにPDFファイルを作成し、ファイル名をつけてください。ファイル名は、<R2で始まる受付番号_物件名等_証拠書類内容>に準じてください。
(例)R2xxxZxxxxx_機-1_発注書
R2xxxZxxxxx_機-1_納品書
R2xxxZxxxxx_広-2_振込金受領書
(出典:実績報告書等作成マニュアル)
必要な証拠書類
補助対象経費の区分にかかわらず必要な証拠書類
A. 出納帳のコピー(補助事業に要した経費の出納状況が記載されている部分。〈参考様式19〉を使用しても可)
B. 通帳のコピー(補助事業に要した経費の出金が確認できる部分と、通帳の表紙またはその裏面で金融機関名、支店名、種別、口座番号がわかる部分)
補助対象経費の区分ごとに必要な証拠書類はそれぞれ違います。下記は、建築費がある場合に必要な証拠書類です。
補助対象経費の区分ごとに必要な証拠書類【建築費の場合】
・見積依頼書(仕様書)
・見積書
・相見積書(1者のみの場合は業者選定理由)
※交付決定(計画変更)時と内容に変更がない場合、本見積書のみの提出で大丈夫です。
・契約書(発注書または注文書と、請書または注文確認書でも代用可)
※組み合わせの例:発注書と注文請書
・重要事項説明書(新築の場合)
・納品書または引渡書または完了報告書
・検収書(その代替として、納品書等のコピーに「検収」と手書きし「検収年月日」「立合者氏名」をサインし、それをコピーしたものでも可。)
・完成後の写真(画像データ用台紙<参考様式17>に貼りつけてPDF化したもの)
・工事完了後の図面(工事前と変更ない場合は交付決定時のものを提出)
※新築工事の場合は、平面図と立面図
※改修・改築・増築など工事の場合は、平面図
※設備工事だけの場合は、配管図または配線図
・工事完成後の工事費内訳書または明細書(工事の契約時に取得されたもの、完了時に取得されたもの、完了時に所得されたもの、如何を問わず最終の費用内訳(明細)を提出)
・請求書
・代金支払済みを示す証票
銀行の振込金受領書または支払証明書等。ネット銀行の場合は、代金支払済みを示す取引記録等の画面のコピー
・領収書(存在する場合)
・預り金元帳<参考様式19>(ただし、個人事業主と取引し源泉徴収を行った場合)
・源泉所得税の納付書のコピー(ただし、個人事業主と取引し源泉徴収を行った場合)
加えて、抵当権設定契約書、設計図書、建築確認申請書、検査済書、工事写真、作業工程表、社内決裁資料、入出金伝票等・総勘定元帳、通帳の写し・固定資産台帳(建物取得費 が固定資産計上されていることがわかるもの)・登記事項説明書等を求める場合があります。
建築費以外に、以下の対象経費があります。
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・広告宣伝・販売促進費
・研修費
・海外旅費(卒業枠・グローバルV字回復枠のみ)
該当する対象経費によって必要となる書類が違ってきます。詳細は、「実績報告書等作成マニュアル」(p.14~)をご覧ください。
証拠書類の注意事項の主なポイント
①中古品の購入
中古品を購入する場合は、型式や年式が記載されており、性能が同程度であると確認ができる3者以上の相見積書が必要となります。(業者選定理由書は不可)
②クレジットカード払いの場合
経理処理の都合上、やむを得ない事情によりクレジットカードで支払う場合は、事前に事業再構築補助金事務局へ相談が必要です。
また、実績報告時に以下の書類の提出が必要です。
・カード会社発行のクレジットカード利用明細書
・領収書(クレジット利用の旨記載あり)
※上記、領収書がない場合はカード利用控えを提出
・カード利用金額引き落とし口座通帳の該当部分のコピー
クレジットカードによる支払いは補助事業期間中に引き落としが確認できる場合のみ認められます。また、クレジットカード利用時に付与されたポイントがある場合、補助対象経費から減算する必要があります。付与されたポイントがある場合、上記提出書類に追加して、以下の書類をご提出ください。
・何ポイント付与されたかわかる証憑
・1ポイント当たりいくらに還元されるか確認できる証憑
(1ポイント=1円等記載のあるスクリーンショット等でも可)
③社内で立替払いを行った場合
会社名義ではなく、個人名義で支払いを行い立替金が発生した場合、補助事業実施期間内に個人に立替分の支払いを行う必要があります。また、以下の書類を実績報告時に追加でご提出ください。
・会社から個人に支払いが行われたことがわかる通帳のコピー
・会社から個人の口座に振込みを行ったことがわかる支払証明書
実績報告は、事業者さんによっては、大量の書類提出が必要となるかもしれません。事業実施中でも準備できるものは随時準備して、スムーズな実績報告を行いたいですね
差し戻し対応について
初回の実績報告後、早くて1か月間前後で、差し戻し対応の連絡が補助金の事務局から来ます。
その際、不備の事項が伝えられるかと思います。
また、jGrantsへログインすることでも、不備の詳細を確認することが可能です。
再申請を行う場合は、不備書類のみ再度提出します。
ただし、様式第6の別紙1及び別紙4・様式第6の別紙2及び別紙3・様式第7については不備がない場合においてもjGrantsに必ず添付し申請が必要となります。
まとめ
今回のまとめ
今回は、事業再構築補助金での事業が終わったあとに作成&提出する「実績報告書」等について解説しました。
・採択後の流れ
・実績報告書とは?
・実績報告書の申請方法
・実績報告書の必要書類
・必要書類の注意ポイント
実績報告書を提出しなければ、補助金が交付されないという事態になりかねません。
しっかり事業実施中の記録を残し、実績報告を完了しましょう!
事業者さんによって、必要な書類が違ってくると思いますので、ぜひ、ひとつひとつ確認してみてくださいね!
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。