PMAXのシグナルの検索テーマを効果的に設定する方法。効果的な除外ワードの設定方法も解説


P-MAX(パフォーマンス最大化キャンペーン)は、配信の多くをAIに委ねる仕組みです。そのなかで、運用者が「配信の方向性」に人の意図を反映できる数少ないレバーが、検索テーマ(広げる側)と除外キーワード(絞る側)です。

本コラムは、Google広告の公式ヘルプの記載をもとに、検索テーマの効果的な設定の考え方と、除外キーワードの仕組み・設定方法を整理したものです。はじめにお断りしておくと、ここで紹介するのはGoogleが示す仕様や一般的な運用知見であり、そのとおりにすれば必ず成果が出ると保証するものではありません。効果は商材・目標・データ量によって変わり、一概には言えない部分が多くあります。最終的には検索語句レポートなどで実際の挙動を確認し、データで判断する前提でお読みください。

1. 検索テーマとは

検索テーマは、オーディエンスシグナルの一種で、アセットグループ単位で設定する任意の機能です。ターゲットとしたいユーザーが使っていると分かっている検索語句を、広告主側からAIに伝えます。

ここで押さえたいのは、検索テーマは完全一致のキーワードではなく、特定の会話・検索への配信を保証するものでもないという点です。P-MAXは通常、アセット・フィード・ランディングページ・過去の配信実績などから配信対象を判断します。検索テーマは、そうしたデータだけでは拾いにくい情報を人の知見で補い、AIの学習を後押しする「ヒント」という位置づけです。

公式ヘルプで示されている主な仕様は次のとおりです(仕様は変わり得るため、最新は管理画面・ヘルプで要確認)。

設定単位:アセットグループごと(オーディエンスシグナルの設定画面から追加)
上限:アセットグループあたり最大50個(以前は25個でしたが、リーチ拡大のため50個へ引き上げられました)。1テーマあたり全角40文字(半角80文字)まで
優先順位:検索広告枠では、検索テーマは検索キャンペーンのフレーズ一致・インテントマッチと同じ優先順位。検索語句と同一の完全一致キーワードは、引き続き検索テーマより優先される
除外の適用:P-MAXのブランドの除外と、アカウント単位の除外キーワードが適用される

2. 検索テーマを効果的に設定するポイント

以下は「こう設定すると効果が出やすい」とされる傾向であり、成果を約束するものではありません。自社での検証が前提です。

① AIがまだ拾えていない領域を補う

検索テーマの価値が出やすいのは、アセットやランディングページ、フィードからはAIが読み取りにくい情報を伝える場面だと考えられます。すでにサイトやアセットから明らかな内容を重ねて入れても、効果は限定的なことがあります。まだリーチできていない検索面や、ブランドが検索されている領域へ広げたいときに活用する、という位置づけが公式の考え方に近いといえます。

② 1テーマ=1つの明確な意図にする

広すぎたり曖昧だったりするテーマは、意図が伝わりにくくなります。ユーザーが実際に使いそうな語句を、意図が明確に分かる単位で設定するのが無難です。

③ アセットグループのテーマ・クリエイティブと方向性を揃える

アセットグループが1つのテーマ/オーディエンスに紐づく以上、そのグループの訴求と検索テーマの方向性を一致させると、AIにとって一貫したヒントになります。

④ 検索で成果の良かった語句を起点にする

検索キャンペーンでコンバージョンにつながった語句を手がかりにテーマを設定すると、初期学習の助けになることがあるとされています。ただしこれも環境によるため、鵜呑みにせず検証しましょう。

⑤ 上限まで機械的に埋めない/絞りすぎない

最大50個まで設定できますが、数を埋めること自体が目的ではありません。意図の通ったテーマを厳選するほうが、結果的に扱いやすいことがあります。一方で、極端に少なすぎても学習の手がかりが乏しくなります。適量は一概に言えないため、データを見ながら調整します。

⑥ 検索語句レポートで「答え合わせ」をする

検索テーマを設定したら、実際にどんな検索語句で配信されたかを検索語句レポートで確認します(P-MAXの検索語句レポートは、APIを通じて参照できるようになっています)。想定と違う配信があれば、テーマの見直しや、後述の除外キーワードで調整していきます。

3. 除外キーワード(除外ワード)の解説

検索テーマが「広げる」レバーなら、除外キーワードは「絞る(ガードレールを設ける)」レバーです。

そもそも除外キーワードは必要か

公式ヘルプでは、P-MAXは価値の高いユーザーを見つけるように作られているため、除外キーワードは必ずしも必要ではないとされています。一方で、配信先をブランドに適したユーザーに確実に絞り込みたい広告主にとっては、引き続き重要なツールになり得る、とも位置づけられています。つまり「絶対に入れるべき」ではなく、目的に応じて使うもの、と捉えるのが適切です。

実務では、次のような場面で検討されます。

・意図しない検索語句での配信を抑えたい
・既存の検索キャンペーンとの「食い合い」を避けたい(主要キーワードを検索側で押さえたい)
・ブランドに適さない語句での表示を避けたい

まず押さえるべき「適用範囲」

重要な前提として、P-MAXの除外キーワードが適用されるのは、検索広告枠とショッピング広告枠のみです。YouTubeやディスプレイなど、それ以外の配信面には除外キーワードは効きません(そうした面は、後述のプレースメント除外などで対応します)。

除外の3つのレベル

P-MAXの除外は、適用範囲に応じて主に3つの方法があります。

① アカウント単位の除外キーワード
アカウント内のすべてのキャンペーン(検索・ショッピング・P-MAXを含む)の検索/ショッピング広告枠に自動的に適用されます。どのキャンペーンでも共通して出したくない語句(例:「求人」「ログイン」「クレーム」など)に向いています。
▶ 設定:管理画面の[管理]→[アカウント設定]→[除外キーワード]から追加
⚠️ 注意:検索キャンペーンにも一律で適用されます。P-MAXでの配信を止めたいつもりでアカウント単位に入れると、本来配信したかった検索キャンペーンまで止まることがあります。

② キャンペーン単位の除外キーワード
特定のP-MAXキャンペーンにだけ適用したい場合に使います。以前はGoogleへのフォーム申請が必要でしたが、2025年より順次、管理画面から直接設定できるようになっています(アカウントにより未提供の場合は従来どおりフォーム申請)。商品Aでは「格安」を除外するが商品Bでは除外しない、といった細かな出し分けに向いています。
▶ 設定:対象のP-MAXキャンペーンを選び、[キャンペーン]→[キーワード]→[除外キーワード]タブ→「+」から追加(1行に1語ずつ、記号でマッチタイプを指定可能)
※複数キャンペーンに同じ除外を適用できる「キャンペーン単位の除外キーワードリスト」も、順次利用できるよう拡張が進んでいます。

③ ブランドの除外(ブランドリスト)
ブランド関連のトラフィックを配信対象から除外する機能です。ブランドリストを作成してキャンペーンに適用します。除外キーワードと違い、表記ゆれや外国語表記なども逐一設定せずに対象にできるのが利点とされています。ブランドがリストにない場合はリクエストでき、審査には数週間かかることがあります。

(なお、特定のサイト・アプリ・動画などの配信面を除外したい場合は、[ツール]→[コンテンツの適合性]からのプレースメント除外を使います。これはアカウント単位/MCC単位での設定になります。)

除外キーワードを設定するときのコツ

いずれも傾向であり、入れ方の正解は一律には決まりません。

検索語句レポートを根拠にする:憶測で大量に入れるより、実際にCVにつながっていない語句や不適切な語句を確認してから除外するほうが、機会損失を抑えやすい
表記ゆれ・誤字も想定する:ただし網羅しようとして入れすぎると、今度は表示機会を失う恐れがある。バランスが重要
アカウント単位とキャンペーン単位を使い分ける:全社共通で避けたい語はアカウント単位、特定商材だけの事情はキャンペーン単位、と役割を分ける
入れっぱなしにしない:定期的にパフォーマンスを見て、効きすぎ・不足を調整する

4. 検索テーマと除外キーワードは「セット」で考える

検索テーマ(アクセル)で配信を広げ、除外キーワード(ブレーキ)で不要な配信を絞る——この両輪で、P-MAXに人の意図を反映していくのが基本の考え方です。

そして、どちらにも共通する原則があります。それは**「設定して終わり」にしない**こと。検索語句レポートで実際の配信を確認し、想定とのズレをテーマの調整や除外に反映する、という検証のサイクルを回すことが欠かせません。AIの精度や仕様は変化するため、以前の設定が今も最適とは限らない、という前提で見直していくのが現実的です。

まとめ

検索テーマはアセットグループ単位の任意のヒント。完全一致でも配信保証でもない。上限は最大50個(25個から引き上げ)に更新
効果が出やすいのは、AIが拾いにくい領域を補うとき。意図を明確にし、アセットグループの方向性と揃える。検索語句レポートで検証する
除外キーワードは「必ずしも必須ではない」が、絞りたい場合の重要なツール。適用は検索・ショッピング枠のみ
除外はアカウント単位/キャンペーン単位/ブランドの除外を使い分ける。アカウント単位は検索キャンペーンにも効く点に注意
検索テーマ(広げる)と除外(絞る)はセット。いずれも入れて終わりにせず、データで検証して調整する
効果は一概には言えないため、公式の考え方を出発点に、自社の数値で確かめる姿勢が欠かせない

検索テーマの設計や除外の設計は、公式の仕様を踏まえつつ、検索語句レポートを見ながら自社に合わせて詰めていく地道な作業です。現状の設定を棚卸しし、検証の設計から見直したい場合は、専門家の視点を交えて整理することをおすすめします。

※本コラムは2026年6月時点のGoogle広告ヘルプの記載および一般的な運用知見にもとづいています。検索テーマの上限や除外キーワードの提供状況(キャンペーン単位設定・リスト適用など)は変更・段階提供の場合があるため、最新の情報は必ずGoogle広告ヘルプおよび管理画面でご確認ください。

二宮 圭吾
この記事の編集: 二宮 圭吾
アクセルパートナーズ代表・webコンサルタント・中小企業診断士

2010年にwebコンサルタントとして開業、2016年中小企業診断士登録。web集客や求人を中心に様々な支援を行う。独自の中小企業診断士ネットワークを運営。

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