中小企業診断士と社会保険労務士のダブルライセンスについて考える
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中小企業診断士×社会保険労務士(社労士)のダブルライセンスは“めちゃくちゃ相性がいい”理由
――「長期伴走」と「人・賃上げ・助成金」まで見渡せる“経営社労士”という選択肢
今回は 「中小企業診断士と社会保険労務士(社労士)のダブルライセンス」 というテーマでお話しします。
最初に正直に言うと、僕自身は社労士資格を持っていません。
それでもこのテーマを話そうと思ったのは、最近 「アクセル経営社会保険労務士法人」(※僕が代表ではありませんが、仲間の診断士×社労士の方々と一緒に立ち上がった法人)に関わる中で、商品開発や営業の視点からも、この組み合わせの強さを強く実感しているからです。
昔は「なんで2ついる?」と思っていた。でも今は“めっちゃいい”と思う
診断士を取りたての頃は、「なぜ診断士の後に社労士を取るのだろう?」と疑問に思った時期もありました。
しかし最近は、はっきり思います。
診断士×社労士の組み合わせは、めちゃくちゃ相性がいい。
イメージで言うなら、難関士業(公認会計士・弁護士・司法書士など)とは違うところにいて、
【診断士(経営)と社労士(労務・人)の間をつなぐ“賢者”】みたいな存在になれる感じがあります。
診断士がぶつかりやすい壁:「長く伴走する“住宅型”の仕事が作りにくい」
僕が多くの診断士の方々を見てきて感じるのは、診断士として独立・活動を続ける上で、
- 補助金支援
- 融資支援
- スポットのコンサル
だけだと、どうしても 長期伴走の設計が難しくなりやすいという点です。
もちろんコンサルは、最終的には「手離れ(内製化・インハウス化)」がゴールになることもあります。
ずっとコンサルに依存し続けるのが健全とは限りません。
ただ一方で、企業を良くするには
- 決算書を見ながら
- 3年、5年、10年単位で
- 伴走し続ける
という支援が必要になる場面も多いのも事実です。
税理士が“長く続く”のは、顧問契約に「基礎業務」がセットだから
分かりやすい例として、税理士があります。
税理士顧問が長く続きやすい理由は、税務相談だけではなく、
- 記帳代行
- 決算・申告
- 税務相談
といった 定期的に発生する基礎業務が組み合わさっているからです。
これがあると、わざわざ変える理由が少なくなります。
一方で、診断士の仕事が“コンサル単体”になりやすいと、契約はどうしても
- 半年
- 1年
- 2年
と「更新型」になりやすく、毎回「続ける/やめる」の判断が起きやすい。
さらに、初回営業も「コンサルです」と言うだけだと、入口でハードルが上がりやすい面があります。
住宅型(定期業務)がないと、社員も雇いにくい
もう一つの課題は、雇用です。
診断士の仕事がスポット中心だと、安定収益が作りにくく、
- 社員を雇いにくい
- 仕事が「自分じゃないとダメ」になりやすい(手離れしづらい)
という状況になりがちです。
一方で、社労士や税理士は、定期業務(住宅型)があることで、
- 住宅型業務をスタッフに任せる
- 自分はコンサル領域に寄せる
- スタッフも“住宅型→コンサル”へ成長させる
といった事務所運営がしやすい構造があります。
だから「診断士×社労士」は、“2つで1つ”として成立しやすい
独立したい診断士の方でも、前職由来の専門性(例:Web広告、IT、製造、営業など)があれば、それを住宅型に近い形へ組み立てられることがあります。
ただ、そうした武器がない状態で「診断士一本」で独立するのは、悩みが尽きないのも現実です。
新しく何かを覚えようにも、すでにその分野で何年もやってきた人たちに追いつくのは簡単ではありません。
そこで、勉強が得意な方が選択肢にできるのが、
診断士を取ったら、社労士も3年がかりで取りに行く
→ 2資格で“1つの武器”にする
という発想です。
アクセルで言う「経営社会保険労務士」というイメージも、まさにこの延長線上にあります。
相性がいい最大の理由:「補助金×助成金」をワンストップにできる
ここが、診断士×社労士の強みとして非常に大きいところです。
最近の補助金では、たとえば
- 賃上げ要件
- 人事・労務整備
- 人的投資(リスキリング)
といった“人”に関わる条件が絡むことが増えています。
企業側は「補助金と助成金の違いが分からない」ということも多い。
その時に、診断士×社労士だと
- 補助金(設備投資・生産性向上)
- 助成金(人材開発・賃上げ・制度整備)
を セットで提案・設計しやすくなります。
しかも、補助金が増減する中で、
- 補助金が減って助成金が増える
- 助成金寄りの時代になる
という変化があった時にも、「リスクヘッジ(収益の平準化)」にもなり得ます。
生産性向上の“果実”は社長の懐だけではなく、賃上げへ回す時代
国が言っているのは、基本的に
- 生産性を上げて
- その分を賃上げへつなげる
という流れです。
だから例えば、
- 事業再構築補助金などで投資した後に
- 人材開発支援助成金でリスキリングを実行する
といった“流れ”を作れると、企業にとっても実行計画として筋が通ります。
さらに、社内教育(メール・接客・プレゼンなど基礎スキル)や、Webマーケの内製化(インハウス化)なども、助成金を活用して提案できる余地が出てきます。
中小企業の固定費の大半は「人件費」。“人”に触れない支援は不利になりやすい
中小企業において、成長も停滞も結局は 「人」に依存する部分が大きいです。
- 採用できないと売上を伸ばせない
- 定着しないと育たない
- 賃上げや人的資本経営が避けられない
- SNS等で離職・不満が可視化されやすい
こうした時代に、経営支援者が“人”に触れられないのは不利になりやすい。
診断士が社労士を持つことで、
- 給与計算などの定期業務で長期関係を作る
- 決算書×給与×採用をトータルで見る
- 中小企業の「社外No.2」「社外人事部長」的に伴走する
といった形が現実的になります。
まとめ:2000時間で「新しい職能」を作る。“経営社労士”という設計
診断士も社労士も、それぞれ学習量が必要な資格です。
ただ、両方を合わせて **“2つで1つの武器”**として考えると、すごく綺麗な形になります。
- 住宅型(定期)で顧客と長期関係が作れる
- 人・賃上げ・助成金まで支援範囲が広がる
- 補助金とも接続でき、提案の幅が広がる
- 事務所運営(雇用・育成)もしやすくなる
もし「診断士として独立・伴走型支援を作りたい」と考えるなら、
診断士×社労士のダブルライセンスは、かなり有力な選択肢だと思います。
詳細については以下の動画をご参照ください

