【完全ガイド】補助金の事業計画書はこう作る!採択率を高める3つのポイント
  


大久保 克彦
 編集:大久保 克彦
 中小企業診断士

中小企業の経営計画の策定を軸に、補助金を活用したIT導入・設備投資を一貫してサポートしています。IT導入は「目的」ではなく、企業が成長するための「手段」であるという信念のもと、技術と経営の双方を理解するパートナーとして、企業の成長基盤構築を支えます。

補助金申請において、事業計画書の提出を求められることが少なくありません。
しかし、いざ作成しようとすると、「何から書き始めればいいのか?」と、手が止まってしまう事業者様も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、各種補助金に共通する事業計画書の作成ノウハウを分かりやすく解説します。

・本記事をお読みいただく前の留意点
本コラムで解説する内容は、多くの補助金に共通するポイントをまとめた一例です。
補助金申請にあたっては、各補助金ごとに詳細なルールや審査基準を定めた「公募要領」が公表されます。
補助金の種類や公募回によって、申請要件や評価の重み付けは異なります。
大きな方向性を本コラムで掴んでいただいた後は、ご自身が申請される補助金の最新の公募要領を確認した上で計画策定を進めてください。

補助金の「目的」を正しく把握する。

各種補助金は、国がその予算を投じる明確な目的があります。
例えば「ものづくり補助金」なら革新的な新製品・新サービス開発による経済活性化といった具合です。
申請する事業(投資内容)が補助金の目的にマッチしたものであることを事業計画書内でアピールしましょう。

図:省力化投資補助金の目的(公募要領より抜粋)

具体的に、省力化投資補助金の目的を例に取ると、下記がキーワードとなります。

人手不足 労働力不足が売上拡大、生産性向上のボトルネックになっているか?
デジタル技術の活用 デジタル技術等の活用(設備投資)により、効率化が可能か?
生産性向上 人的リソースに対して、どれだけ売上・収益が拡大するのか?
賃上げ 収益が上がった結果、それを従業員に賃上げという形で還元できるか?

アウトラインを作る。

上記のキーワードからおおよその事業計画のアウトラインを作成することをお勧めします。
例として製造業の場合は、下記のようなアウトラインが考えられます。

1. 人手不足
深刻な人手不足に直面しており、手作業による工程が生産性向上の妨げとなっている。特に最終工程の「検査・梱包」がボトルネックとなり、受注増にもかかわらず制限を余儀なくされる機会損失が発生している。

2. デジタル技術の活用
そこで、最新のAI外観検査システムと自動梱包ロボットを導入する省力化投資を行い、単純作業をデジタル技術へ置換する。これにより現場負担を軽減するとともに、24時間稼働に近い安定した検査体制を構築し、不良率の低減を実現する。

3. 生産性向上
創出された人的リソースは、高度な技術を要する多軸加工機の操作や試作開発へ再配置する。追加雇用なしに月間受注キャパシティを拡大し、売上拡大と付加価値額の向上を同時に達成する。

4. 賃上げ
生産性向上による収益を原資に、ベースアップや手当新設による賃上げを断行する。これにより従業員の離職を防止し、次世代の技能者を確保できる持続可能な経営体制を構築する。

このように、「課題」→「投資」→「事業拡大」→「賃上げ」という一連の流れを意識してみましょう。

現状分析で計画の実現可能性を裏付ける

上記で作成したアウトラインが自社の実情と乖離していれば、審査員には「絵に描いた餅」と判断されてしまいます。
審査員は、会社のことを全く知りません。そのため、計画書では「この会社には、この事業を成功させるだけの強みがあり、今の課題さえ解決すれば飛躍できる」ということを客観的に証明する必要があります。
事業計画書では、会社概要や内部・外部環境分析で計画の実現可能性の根拠を示しましょう。

会社概要

会社概要は、単なる基本情報を羅列するのではなく、事業を完遂できる能力があることを証明する場であると捉えましょう。以下記載のポイントを示します。

技術・ノウハウ 創業からの年数や、これまで手がけてきた主要な製品・サービスの実績を記載し、事業基盤の強さを示す。
主要取引先と信頼性 大手企業との取引継続年数や、業界内での評価、認証(ISO等)を挙げ、社会的信用をアピールする。
実施体制(人) 従業員が保有するスキル、関連する資格保有状況を明記し、事業計画を実行する人が見えるようにする。

【記載例】
当社は、創業30年の精密金属加工メーカーであり、大手自動車部品メーカー3社と20年以上の継続取引を有する。ISO9001認証を取得しており、品質管理体制には定評がある。現場には多軸加工機の操作に精通した熟練技能者が多数在籍しており、事業を継続・発展させる基盤を十分に備えている。

内部・外部環境分析(SWOT分析)

SWOT分析とは、自社の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、現状を多角的に把握するためのフレームワークです。補助金申請においては、この分析を通じて、今回の投資内容がいかに理にかなっているか、事業の成長に直結するかを示しましょう。SWOT分析の軸としては下記のような視点が考えられます。

強み 独自の技術、長年の信頼、既存の顧客ネットワークなど、事業拡大の土台となる要素。
弱み 設備の老朽化、アナログな工程など、今回の投資で解決すべき課題。
機会 市場の需要増、取引先からの増産要請など、今投資すべき追い風。
脅威 競合の台頭、原材料高騰、人件費の上昇など、放置すれば事業の衰退を招くリスク。

このように、会社概要で実績を伝え、SWOT分析で「今、なぜこの投資をすべきか?」という必然性を伝えることが、計画書の実現可能性の裏付けになります。

審査のポイントを押さえる。

公募要領には、審査員がどこを見て採点するかという審査項目が明記されていることが多いです。
省力化投資補助金の場合は下記のような審査項目が提示されています。

技術面 省力化指数や投資回収期間などの内容、およびその算出根拠が妥当か。
計画面 財務状況、実施体制、スケジュールが具体的かつ現実的か。
政策面 国および地域経済の発展に寄与し、施策目的に合致する取組か。

これらの項目に対し、客観的な数字や根拠、国の施策との関連性を端的に記載することで、審査員の納得感に繋がります。
審査員が知りたいこと(審査項目)を抜けもれなく答えることが、採択へ繋がります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?事業計画書の作成は、慣れない方にとっては非常に大きな負担に感じられるかもしれません。
しかし、今回解説したポイントを整理すれば、採択に一歩近づく事業計画書の骨組みが見えてきます。
事業計画を書くプロセスそのものが、自社の強みを整理し、成長戦略を練り直す絶好の機会となります。
まずは自社の現状、課題を書き出すところから始めてはいかがでしょうか。

当社、アクセルパートナーズは、各種補助金において数多くの中小企業様をご支援、採択された実績がございます。
応募申請だけでなく、その先の交付申請、実績報告といった手続きのサポートに至るまでのサービスメニューをご用意しております。
これまでのご支援で蓄積したノウハウをもとに、お客様の状況に合わせた最適なサポートを提供いたします。
補助金申請をお考え、手続きでお悩みの事業者さまは、ぜひ当社までご相談ください。

大久保 克彦
 編集:大久保 克彦
 中小企業診断士

中小企業の経営計画の策定を軸に、補助金を活用したIT導入・設備投資を一貫してサポートしています。IT導入は「目的」ではなく、企業が成長するための「手段」であるという信念のもと、技術と経営の双方を理解するパートナーとして、企業の成長基盤構築を支えます。

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