令和5年度省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費について解説。最大20億円の補助も?
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2023年11月29日に、経済産業省から「令和5年度補正予算の事業概要」が発表されました。
様々な事業に関する予算が発表され、今後、この予算をもとに多様な補助金が展開されることになります。
今回は、その中でも、「令和5年度省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費」について解説をしていきます。
この予算発表により、今年も行われていた「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」が継続される見込みとなっています。
これは、「省エネルギー投資促進支援事業」と合わせて実施され、通称「省エネ補助金」と言われているものです。
今後の「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」に関する詳細はまだ発表されておりませんが、直近(2023年11月2日)まで公募が行われていた、令和4年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の内容が参考になりそうです。
このコラムでは、令和4年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の内容を参考に、2024年以降に実施される「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の概要について解説していきます。
目次
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費とは
中小企業庁が発表した、令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)の中では、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業の目的を下記のように定めています。
“本事業は、機械設計を伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて 設計・製造する設備、先進型設備等の導入などにより工場・事業場全体で 大幅な省エネ化を図る取組や、脱炭素につながる電化・燃料転換を伴う設備更新を支援することにより、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」 の達成に寄与することを目的とする。 その際、企業の複数年の投資計画に対応する形で支援を実施し、特に中小企業の省エネ投資需要を掘り起こす。 また、工場等における省エネ性能の高い設備・機器への更新を促進することにより、温室効果ガスの排出削減と我が国の産業競争力強化を共に実現する。”
つまり、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与するような設備導入等の取組をする場合、そこに係る費用を補助しますよ、という事です。
ちなみに、経済産業省は、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指しており、この事業による具体的な成果目標としては、「2030年度におけるエネルギー需給の見通しにおける産業部門・ 業務部門の省エネ対策(2,700万kl程度)中、省エネ設備投 資を中心とする対策の実施を促進し、本事業による効果も含めて、 省エネ量2,155万klの達成を目指す。」こととしています。
似た名前の補助金として、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」というものがありますが、こちらは「エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」と合わせて実施され、両方を合わせて通称「省エネ補助金」と言われています。
省エネ補助金は、実施する事業の内容によってA、B、C、Dに区分されており、A、B、Dの場合は、今回解説する「エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」を活用することになります。
どのような事業に補助が認められる?補助率・補助額は?
直近まで公募が行われていた令和4年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の内容だと、申請できる事業には3つの事業区分(A)、(B)、(D)があり、各事業区分で補助対象となる設備が異なります。 また、各事業区分で補助対象となる設備が異なります。
(A)先進事業
「先進事業」では、SIIが先進設備・システムであると認めてホームページ上で公表している設備を導入する場合に限られます。
導入できる補助対象設備は、下リンクから確認することができます。
【先進設備・システムの補助対象設備一覧】
https://sii.or.jp/senshin04r/system/search
(B)オーダーメイド型事業
「オーダーメイド型事業」では、機械設計を伴う設備又は事業者の使用目的に合わせて設計・製造する設備等であって、設計図書等の納品物があるものを導入する事業に対して補助されます。
(D)エネルギー需要最適化対策事業
「エネルギー需要最適化対策事業」では、SIIが補助対象設備として公表したエネルギーマネジメントシステムを導入する事業に対して補助されます。
それぞれの補助対象設備、事業要件、補助対象経費、補助率、補助金限度額は、下記を参照してください。
事業区分によって、補助率は1/3、1/2、2/3以内となっており、補助金限度額は下限100万円/年度、上限1~15億円/年度となっています。
非化石化を図る事業を申請する場合(別途、非化石化の要件あり)は、補助金上限が最大20億円となります。
どんな企業が申請できる?
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」は、以下のすべてを満たす事業者であれば申請することが可能です。
- 国内において事業活動を営んでいる法人及び個人事業主であること
- 本事業を実施するために必要な経営基盤を有し、事業の継続性が認められる者であること。
- 本事業により国内において設置する補助対象設備の所有者であり、その補助対象設備の処 分制限期間、継続的に使用する者であること。
- 本事業により取得した補助対象設備を、SIIが交付規程で定める取得財産等管理台帳に記載のうえ、善良な管理者の注意をもってその補助対象設備等を管理し、補助金の交付の目的に従って、その効率的運用を図る者であること。
- 経済産業省から補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられていない者であること。
- 公的資金の交付先として社会通念上適切と認められない者でないこと。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する「性風俗関連特殊営業」を営む事業所又は、それに類する事業所ではないこと。
- 成果報告時に、補助対象設備の1年間のエネルギー使用量と省エネルギー効果を報告でき る事業者であること。
- 会計検査院による現地検査等の受検に際し、事業者として会社単位で誠実に対応することが可能な事業者であること。
複数年度に渡って実施する事業も補助対象に!
令和4年度補正予算の「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」では、単年度での事業実施に限らず、複数年度での事業実施に対して補助を行う制度が設けられています。
事業規模が大きく(原則として補助対象経費が5千万円以上の事業。5千万円未満の事業については個別に判断。)、 単年度での実施が困難な事業であって年度毎の発生経費を明確に区分した事業計画が提出される場合は、複数年度事業として申請することができます。
採択率はどのくらい?
先進事業、オーダーメイド型事業、エネルギー需要最適化対策事業の3つを合計した採択率は、
1次公募11/12件(91.7%)
2次公募4/9(44.4%)
となっています。
まとめ
今回は、「令和5年度省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費」について解説をしました。
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」に関する詳細はまだ発表されていないため、直近(2023年11月2日)まで公募が行われていた、令和4年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」の内容をもとに、その対象事業、補助率、補助額等について見てきました。
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」は、複数年度事業での活用も可能であることから、前もって計画を立て、申請に向けては時間をかけて準備をしていく必要がある補助金です。
2024年の公募詳細がでたらすぐに動き出せるよう、今のうちから申請支援の専門家に相談をしておくことをおススメいたします。
当社アクセルパートナーズでは、幅広い補助金申請支援の実績があります。補助金申請でお悩みの事業者様は、是非お気軽にご相談ください!
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。