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【徹底解説】家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業とは

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家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業」は家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業は、再生可能エネルギーの出力変動による電力の需給バランス調整を目的としています。この事業は、家庭や業務用の蓄電システムの導入を経済的に支援し、2030年までに再生可能エネルギー比率を3638%に達成することを目指しています。主な取り組みには、電力需給に合わせたディマンドリスポンスを可能にする蓄電システムの導入支援と、出力抑制時の調整力としての利用を見込んだ需要家リソースのIoT化推進が含まれています。これにより、安定的かつ環境に優しいエネルギーシステムへの移行が期待されます。本コラムでは、家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業の目的、概要や支援内容などについてお伝えします。 

 

分散型エネルギーリソースとはなにか 

「分散型エネルギーリソース」とは、「Distributed Energy Resources」の日本語訳で、略して「DER」とも呼ばれます。これは、電力会社から供給される電気を受け取る部分(受電点)よりも家庭や事業所の側にある様々なエネルギー設備のことを指します。これには、発電機や蓄電池、そしてそれらの電力を使う設備(例えばエアコンや給湯器)が含まれます。また、電力系統に直接つながっている大きな発電所や蓄電所もDERの一部です。 

分散型エネルギーリソースの具体的な例には、太陽光発電設備、家庭用蓄電池、電気自動車(EV)、そして給湯器などがあります。これまでのエネルギーシステムは、大規模な火力発電所や水力発電所、原子力発電所などが中心でした。しかし、再生可能エネルギー源や家庭や事業所に設置される太陽光発電設備、電気自動車、給湯器などの分散型エネルギーリソースが増えることで、カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量のバランスをゼロにすること)の実現に向けた動きが進んでいます。これらを上手く活用することが、今後さらに重要になってきます。 

 

広がるディマンド・リスポンスの活用 

家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業を理解するためには、ディマンド・リスポンスについても理解を深めておくことが重要です。 

 

ディマンド・リスポンス:再生可能エネルギー時代の電力バランス調整戦略 

再生可能エネルギー(再エネ)の使用が増えるにつれて、電力の供給と需要のバランスを取る新しい方法として「ディマンド・リスポンス(DR)」が注目されています。これまでは、主に電力会社の発電所(供給側)が電力のバランスを調整していましたが、DRでは、家庭や事業所が持つさまざまなエネルギー源を使って、電力の需要もコントロールします。例えば、家庭用の燃料電池(エネファーム)、蓄電池、電気自動車(EV)などです。この方法では、電力の需要と供給のバランスをより効率的に取ることができます。今回は、このDRが実際にどのように行われているのかについて紹介します。 

 

ディマンド・リスポンスの活用例 

猛暑が続いた2022627日~30日、東京エリアで「需給ひっ迫注意報」が発令されました。このとき、電力の需要を抑えるために、DRが実施されました。実際にどのような方法でDRがおこなわれ、どんな効果があったのかを、3つのアグリゲーターの対応事例をもとに見ていきましょう。 

 

東京電力エナジーパートナー株式会社の取り組み 

627日~30日の期間、化学・産業ガスなど主に素材系メーカーを中心とした約300件を対象に、昼と夜とに分けて電力需要の抑制(下げDR)を要請しました。その結果、最大約33kW(推定値)の電力需要の調整がおこなわれ、需給バランスの確保に貢献しました。 

 

株式会社エネットの取り組み 

同社では約6000施設の顧客に対して、節電要請に協力すると節電量に応じて電気料金を割引するDRサービスを提供しており、20226月の電力需給ひっ迫時にも契約顧客に対して節電を要請しました。その結果、627日~30日の9時~20時、東京エリアで合計約23kWhの需要抑制(下げDR)となり、需給バランスの調整に貢献しました。 

 

株式会社エナリスの取り組み 

同社では20217月から、需給ひっ迫時に節電要請に協力した事業者に報奨金を支払うDRサービスを開始しており、6月の電力需給ひっ迫時には、全国各地の業務産業用需要家30件ほどに節電を要請しました。その結果、4日間で合計約12.5kWhの需要抑制(下げDR)となりました。 

 

家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業の目的 

太陽光発電などの再生可能エネルギーは、時間や天候によって発電量が変わるため、電力の供給と需要をうまく調整する必要があります。家庭で使う蓄電池のような機器を上手に使うことで、私たちの側からも電力のバランスを調整することができ、電力の過剰または不足を防ぐ助けになります。 

 

この事業では、こうした蓄電池のような設備を導入することを支援して、電力のバランスを保つための設備を増やします。これにより、2030年までに再生可能エネルギーを全体の電力の約3638%まで増やすという目標の達成に貢献することが期待されています。 

2.家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業の概要 

以下2事業を通じ、出力制御の抑制にも貢献可能な分散型エネルギーリソースの導入を支援します。 

 

(1)家庭・業務産業用蓄電システム導入支援 

電力需給の状況に合わせて、電力需要の最適化(ディマンドリスポンス) に活用可能な、家庭・業務産業用蓄電システムの導入にかかる費用を補助する。 

 

(2)ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進

出力抑制時等に調整力として活用が見込まれる需要家保有リソースのディマンドリスポンス対応化(IoT化)に必要となる費用を補助する。 

 

事業スキーム(対象者、対象行為、補助率等)は下記の図の通りです。 

令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)より引用  

 

まとめ 

いかがでしたでしょうか。 

本記事では、「家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業」について詳しく解説しました。この支援事業の主な目的は、再生可能エネルギーの出力変動に伴う電力需給バランスの調整を支援し、2030年までに再生可能エネルギーの比率を36~38%に達成することです。分散型エネルギーリソース(DER)としては、太陽光発電設備、家庭用蓄電池、電気自動車(EV)などが含まれ、これらはカーボンニュートラル実現に向けた動きの重要な要素となっています。 

ディマンドリスポンス(DR)の活用は、再生可能エネルギーの普及に伴い電力バランス調整の新たな戦略として重要になってきており、家庭や事業所が持つ様々なエネルギー源を利用して電力の需要もコントロールする方法です。具体的なDRの実施例として、猛暑期の電力需要抑制などが挙げられます。 

この事業では、家庭や業務用の蓄電システム導入を経済的に支援することで、再生可能エネルギーの出力変動による電力の需給バランス調整に貢献することが期待されています。また、出力抑制時の調整力としての利用を見込んだ需要家リソースのIoT化推進も重要な取り組みです。これにより、安定的かつ環境に優しいエネルギーシステムへの移行が促進されることが期待されます。 

補助金の活用時には、最新の公募要領や事業概要ご確認いただき、必要に応じて専門家の支援を受けることをおすすめいたします。最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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