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事業継続力強化計画(ジギョケイ)は補助金のためだけにあらず。平時の生産性と「選ばれる理由」を作る経営戦略とは
  


堀 靖和
編集: 堀 靖和
中小企業診断士

「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」は、単なる補助金の加点要素ではありません。2026年版中小企業白書が警告する「労働供給制約社会」において、現状維持は最大のリスクです。ジギョケイ策定を通じたリスクの可視化は、平時のムダ削減による生産性向上、従業員の定着(心理的安全性)、そして取引先からの「供給責任を果たせるパートナー」としての信頼獲得に直結します。令和8年度の専門家支援施策などを賢く使い、ジギョケイを「稼ぐ力」を強化する攻めの経営戦略ツールとして活用すべきです。

なぜ今、災害対策が「攻め」の経営戦略になるのか?

多くの経営者さまにとって、「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」は「補助金の加点のために仕方なく作るもの」という認識かもしれません。しかし、その捉え方は大きな機会損失を招いています。
現在、日本の中小企業は「労働供給制約社会」という、これまでのやり方が通用しない経営環境の転換期に立たされています。2040年には中小企業の雇用者数が2018年比で約8割半ばまで落ち込むという試算もあり、もはや「人を増やして解決する」ことは不可能です。この過酷な環境で生き残るには、付加価値を高め「稼ぐ力」を抜本的に強化した「強い中小企業」へと成長しなければなりません
ジギョケイは、その変革を実現するための「守りと攻めを同時に強化する経営インフラ」なのです。

ジギョケイ策定のメリット①:プロセスの棚卸しが「平時の稼ぐ力」を磨く

ジギョケイを策定する過程では、自社の製造工程や業務フローを徹底的に洗い出すことになります。これは、実は「災害対策」であると同時に「最強の業務改善」でもあります。

事例:アイ・エム・マムロ (出典:全国商工会連合会)
同社ではジギョケイ策定を機に、災害時にボトルネックとなる製造工程を特定しました。
その結果、平時においてもその工程が「生産効率を下げているムダ」であることを発見。
設備の配置見直しと多能工化(マルチスキル化)を進めることで、平時のコスト削減と劇的な生産性向上を実現しました。

計画策定を通じて「何が止まると会社が死ぬか」を特定することは、平時の収益性を阻害している要因を削ぎ落とすことに繋がります。

ジギョケイ策定のメリット②:人材確保の武器としての「安全・安心」

人手不足時代、従業員は単に給与が高い会社ではなく、「自分と家族を大切にしてくれる会社」を選びます。例えば、2025年版の中小企業白書概要によれば、「人材の確保・定着に効果があった取組」として、「有給休暇・育児休業など休暇が取得しやすい職場づくり」を挙げる企業が67.9%に上のぼります。
これは、給与の高さと同じくらい、プライベートや家族との時間を確保できる環境が、従業員に選ばれるための決定的な要素となっていることを示しています。

事例:サンユー技研工業(出典:中部経済産業局)
同社では「働きたい会社」への変革に向け、個々の人生背景に応じ休暇制度や勤務形態を柔軟にカスタマイズしました。これにより、属人業務の削減と、不在を社員間でカバーし合う相互支援体制の構築し、心理的安全性を高め、人材の確保と定着を実現しています。

「働きたい会社」としての魅力を社外へ発信することは、人材の確保・定着(リテンション)において競合他社に対する圧倒的な優位性となります。「うちは従業員を守る仕組みがある」と言い切れることは、労働供給制約社会における最強の採用ブランディングです。

ジギョケイ策定のメリット③:サプライチェーンから「選ばれる」ためのライセンス

今やBCP(事業継続計画)への対応は、大企業がサプライヤー(仕入先)を選別する際の「必須条件」になりつつあります。 認定マーク(ジギョケイ)の取得は、取引先に対し「予期せぬ事態でも供給を止めない体制がある」という客観的な証明になります。災害への対応力が低い企業は、有事のリスクとしてサプライチェーンから排除されるリスクを抱えます。
逆に言えば、ジギョケイを策定、認定を得ることは「信頼できるパートナー」としての合格証を得たことになり、他社との大きな差別化に繋がります

リスクファイナンス:被災時の「資金の壁」を突破する

財務面での事前準備、いわゆる「リスクファイナンス」も不可欠です。 被災時、事業を再開させるために最も必要なのは、当面の「運転資金」です。ジギョケイ策定を通じて、保険の加入状況や緊急時の融資枠を整理しておくことで、必要以上のキャッシュアウトを防ぎ、倒産リスクを最小限に抑えることができます。これは「経営リテラシー」の実践そのものです

令和8年度、国の支援施策を賢く活用

2026年(令和8年度)は、中小企業の「稼ぐ力」を支援する施策がさらに強化されます

ジギョケイ認定により、補助金加点や低利融資、税制優遇といった国の支援を活用できます。
これら公的リソースを賢く使うことで、人手不足下の「稼ぐ力」の強化と事業継続力の向上を同時に実現することが可能です。

補助金加点と優先支援
小規模事業者持続化補助金、中小企業省力化投資補助金、事業承継・M&A補助金などの主要な補助金で加点対象となるほか、認定取得によって日本政策金融公庫の低利融資等の優遇を受けられるメリットがあります

専門家による伴走体制
「よろず支援拠点」や中小機構による「ハンズオン支援」が強化されます。
経営者さまは一人で悩む必要はありません

補助金はあくまで「おまけ」です。
ジギョケイ策定というプロセスを通じて、自社の脆弱性を強みに変え、10年後も「選ばれ続ける会社」を作る。今すぐ、国の「リスクファイナンス判断シート」を活用し、専門家と共に一歩を踏み出しましょう。
堀 靖和
編集: 堀 靖和
中小企業診断士

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