社会保険労務士と中小企業診断士の仕事の比較。どっちを取るべきか
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社労士と中小企業診断士、どちらを取るべきか迷っている人へ
業務の特徴・向いているタイプ・独立の難易度まで整理する

社労士と中小企業診断士。どちらも人気資格ですが、「どっちを取るべきか」で悩む方は少なくありません。
実際、診断士合格後に社労士を追加で狙う人もいれば、逆に「自分に合うのは社労士ではなかった」と感じる人もいます。
本記事では、経営者として社労士・診断士それぞれと仕事をしてきた立場から、両資格を “業務特性” と “向いている人” の観点で整理します。細かい業務範囲の比較ではなく、まずは「自分に合うのはどっちか」を見極めるための材料として読んでください。
1. 社労士の特徴は「細かさ」と「正確性」
社労士の仕事は、ひとことで言えば “細部の正確さが価値になる仕事” です。
給与計算、勤怠管理、各種手続き、就業規則…これらは、曖昧さやミスが許されません。
法令理解も必要ですし、チェック体制や継続学習が仕事の品質を支えます。
もちろん診断士にも、補助金申請など「ミスがあると一発アウト」という領域はあります。
ただし、社労士は業務全体が “正確であること” を中心に設計されている 点が大きな特徴です。
2. 診断士の特徴は「戦略」と「前進のための打ち手」
一方で診断士は、企業の戦略・マーケティング・差別化・売上最大化など、“前進するための意思決定” に関わる領域が中心になります。
戦略を考えるということは、場合によっては競合に勝ち、競合が撤退する結果も起こり得る。良くも悪くも「経営」そのものに踏み込む仕事です。
ここには社労士が重視しやすい “公平・平等” の価値観とは異なる論理が入りやすく、たとえば評価制度でも「伸びる人に厚く配分する」といった発想が自然に出てきます。
この価値観の違いは、実務においても相性に直結します。
3. 向いている人の違いは「公平を守る」か「成長を作る」か
あくまで傾向ですが、向いているタイプは次のように整理できます。
社労士が向きやすい人
- 公平性・納得感を大切にしたい
- 社内不満が出ない仕組みを整えたい
- ルール・制度で揉め事を防ぎたい
- どちらかと言うと “守り” を固めて組織を安定させたい
診断士が向きやすい人
- 売上を伸ばす、競争に勝つ、成長させることにワクワクする
- 施策を設計し、実行し、成果を作るのが好き
- 組織や人事も「経営戦略の一部」として扱いたい
- “攻め” の打ち手で企業を前に進めたい
4. たとえば「衛生要因」と「動機づけ要因」で考えると分かりやすい
組織論(モチベーション理論)でよく出てくる考え方に、
- 衛生要因(不満を防ぐ)
- 動機づけ要因(やる気を高める)
があります。
この枠組みで言うと、
- 社労士は 衛生要因 にアプローチしやすい(揉めない制度、整った運用、ルール整備)
- 診断士は 動機づけ要因 にアプローチしやすい(評価制度、キャリア設計、成長の仕組みづくり)
もちろん両方を扱うことは可能ですが、「自分が惹かれるのはどちらか」で、向き不向きが見えやすくなります。
5. 「人事がやりたい」なら、社労士一択ではない
誤解が多い点ですが、「人事・組織がやりたい=社労士」とは限りません。
たとえば、最低賃金の上昇局面では「制度を守る」だけではなく、
- 生産性を上げる
- 売上を伸ばす
- 採用計画・配置を最適化する
といった 経営(診断士的領域) の課題がセットで発生します。
「人事」でも、守りの制度運用に惹かれるのか、経営計画と結びついた組織設計に惹かれるのかで、選ぶ資格は変わります。
6. 最後にもう一つ大事な視点:「独立するなら営業力が必要」
ここは現実論として重要です。独立した場合、
- 診断士は特に「自分で商品(メニュー)を作り、自分で売る」必要が出やすい
- 社労士は紹介や顧問ルートに乗ると、比較的 安定しやすい 側面がある(もちろん個人差はあります)
つまり、「営業が本当に苦手」「自信がない」という人は、独立後の立ち上げ難易度まで含めて考える必要があります。
逆に言えば、営業が得意・発信が得意・提案が得意なら、診断士は伸ばしやすい資格でもあります。
まとめ:迷ったら“どんな支援をしている自分がワクワクするか”で決める
社労士と診断士は、優劣ではなく “価値を出す場所” が違う資格 です。
- 正確性・制度・公平性で組織を安定させたい → 社労士
- 戦略・施策・成長で会社を前に進めたい → 診断士
- そして、独立を考えるなら「営業」を避けて通れない
ここまで読んで、どちらの支援にワクワクしたか。そこが一番の判断材料になるはずです。
この話の詳細は以下の動画をご覧ください

