【2026年版】農家・農業法人が使える補助金|新事業進出・ものづくり補助金の活用例と注意点
「農家や農業法人でも、経済産業省の補助金は使えるの?」というご相談をよくいただきます。結論からいうと、加工・販売・飲食などに取り組む「6次産業化」や、新しい製品・サービスの開発であれば、対象になる可能性があります。
ただし、以前よく使われていた「事業再構築補助金」はすでに公募を終え、「ものづくり補助金」も2026年に新しい補助金へ統合されました。この記事では、2026年10月時点の制度をもとに、農家・農業法人が使える補助金と申請のポイントを整理します。
この記事のポイント
- 事業再構築補助金は終了。ものづくり補助金は新事業進出補助金と統合され「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に
- 同補助金の第1回公募は2026年10月30日(金)18:00締切
- 対象になりやすいのは、加工・販売・飲食などの6次産業化や、新しい製品・サービスの開発
- 作物の種類を増やすだけの投資など、農業生産そのものの拡大は対象になりにくい
※2026年10月7日時点の情報です。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
農家・農業法人が使える「新事業進出・ものづくり補助金」
2026年、「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が始まりました。中小企業者・小規模事業者に加え、農業法人や農事組合法人なども、要件を満たせば対象になります(個人の農業者を含め、対象になるかは公募要領で確認してください)。
| 枠 | どんな取り組みが対象か | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 新しい製品・サービスの開発や、生産・提供方法の改善 | 最大3,500万円 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
| 新事業進出枠 | 既存事業とは異なる、新しい市場・高付加価値の事業への進出 | 最大9,000万円 | 1/2 |
| グローバル枠 | 海外展開や輸出に向けた体制づくり | 最大9,000万円 | 2/3 |
補助上限額は従業員数で決まり、大幅な賃上げを行う場合は引き上げられます(上の表は最大額)。どの枠でも、付加価値額の年平均成長率4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金を地域の最低賃金より30円以上高くする、といった目標を含む3〜5年の事業計画が必要です。
第1回公募のスケジュール
- 申請受付:2026年9月30日(水)〜
- 締切:2026年10月30日(金)18:00
- 採択発表:2027年1月頃の予定
ポイントは「6次産業化」
6次産業化とは、農産物をつくる1次産業だけでなく、加工などの2次産業、販売・サービスなどの3次産業まで一体的に取り組み、農業の価値を高めることです。1次×2次×3次=6、という意味からこう呼ばれています。
経済産業省系の補助金は、新しい製品・サービスや新しい市場への挑戦を支援するものです。そのため農家・農業法人の場合は、次のような加工・販売・飲食などへの展開が対象になりやすくなります。
- 自社で育てた果物を使った加工品の製造・販売
- 農園に併設したカフェやレストランの開業
- 収穫物の冷凍・長期保存技術を使った新商品の開発とネット販売
参考:過去の採択事例
事業再構築補助金の事例
| 事業計画名 | 既存事業 → 新事業 |
|---|---|
| 果樹園の6次産業化によるブランド構築事業 | 果樹園 → 飲食業 |
| そば農家による、国産自家栽培そばの冷凍食品化および販売 | そば栽培 → 冷凍そばの製造・販売 |
| 自家栽培いちごを活かした加工品の開発といちごカフェの展開 | 観光農園(いちご狩り)→ 加工品・飲食業 |
どの事例も、農産物の生産から加工・販売・飲食へと事業を広げています。
ものづくり補助金の事例
- 牛肉・生乳の製造能力を高め、製造販売やレストランサービスを強化する計画
- 小豆やいんげん豆などを原料に、酵素発酵で乾燥粉末素材を開発する計画
新しい補助金でも、こうした「農産物を起点に新しい製品・サービスをつくる」計画は参考になります。
申請するときの注意点
- 農業生産そのものの拡大は対象になりにくい:いちご農家がメロンの栽培を始めるための設備など、作物を増やすだけの投資は、新しい製品・サービスとはみなされにくくなります。
- 原材料の生産にかかる経費は注意:加工事業に参入する場合でも、材料となる農作物の生産に必要な経費は対象外になることがあります。
- 農林水産省の補助金も比べる:トラクターなどの農業生産用の機械や施設は、農林水産省や自治体の補助制度の対象になっていることが多いため、あわせて検討しましょう。
- 交付決定前の発注は対象外:設備の発注・契約は、交付決定を受けてから行います。
- GビズIDプライムを早めに取得:電子申請に必要で、取得に時間がかかることがあります。
まとめ
農家・農業法人でも、加工・販売・飲食などの6次産業化や、新しい製品・サービスの開発であれば、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」を活用できる可能性があります。一方で、農業生産の拡大が目的なら、農林水産省系の補助金のほうが合うこともあります。
アクセルパートナーズは、ものづくり補助金をはじめとする補助金の申請を100社以上支援してきました。どの補助金が合うかの判断から、事業計画書の作成、採択後の交付申請・実績報告まで一貫してサポートしています。農業の新しい展開を考えている方は、お気軽にご相談ください。






