「助成金使えますか?」研修会社の正しい答え方と社労士との役割分担
「助成金は使えますか」という質問
研修をご提案する際、受講を検討している企業様から「人材開発支援助成金は使えますか」と質問を受けることがあると思います。
助成金を活用できる可能性があることは、企業様が研修導入を判断するうえで大きな材料になります。しかし「制度を詳しく説明できない」「申請までは対応できない」という理由で、案内自体をためらってしまう研修会社様も少なくありません。
本記事では、なぜ研修会社様が「申請代行」を担うべきではないのか、そして代わりに社会保険労務士(以下、社労士)と連携することで何が変わるのかを、事業展開等リスキリング支援コースを念頭に解説します。
研修会社様が「申請代行」をできない理由
人材開発支援助成金の申請は、申請事業主である受講企業様ご自身か、受講企業様から正式に依頼を受けた社労士・社労士法人が行うものです。
社会保険労務士法第27条により、社労士・社労士法人ではない第三者が、報酬を得て申請書の作成や提出代行、審査対応などを業として行うことは禁止されています。「代行は無料」とご案内していても、その対価が研修費用に含まれていると評価されれば、同様に問題となる可能性があります。
そのため研修会社様の対応としては、支給可否を断定したり申請を代行したりするのではなく、次のようなご案内が適切です。
「助成金を活用できる可能性があります。対象となるかどうかは、状況や研修内容を確認したうえで専門家からご案内します」
あらかじめ社労士との連携体制を整えておけば、制度上の役割分担を守りながら、ご相談にも前向きに対応できます。
研修会社様・受講企業様・社労士、それぞれの役割
役割を明確にしておくことで、手続き全体がスムーズに進みます。
研修会社様
- 研修内容・カリキュラム・受講料などの情報提供
- パンフレット・申込書・契約書・請求書などの提供
- 研修を計画どおり実施したことの確認、変更発生時の情報共有
受講企業様
- 社労士との契約、必要書類の準備・提出
- 訓練期間中の適正な賃金支払い
- 支給申請日までの研修費用負担
社労士
- 助成対象となる可能性の事前確認
- 計画届・支給申請書類の作成支援と提出代行
- 提出期限の管理、労働局からの照会対応
社労士に依頼した場合でも、事実確認や資料提供は研修会社様・受講企業様の協力が必要です。ただし、進行管理や書類確認という負担の重い部分を専門家に任せられる点は、大きな違いです。
社労士と連携する3つのメリット
①質問が来た際、商談を止めずに次へつなげられる
「当社では分かりません」という回答は、検討自体を止めてしまいがちです。連携体制があれば、その場で断定せず、必要事項の確認や専門家への相談につなげられます。
②営業や研修品質の向上に集中できる
計画届、変更手続き、支給申請と、各段階で必要な対応は研修方法によっても異なります。書類作成や労働局対応を任せることで、本業に集中しやすくなります。
③受講企業様との認識のずれを防ぎやすくなる
計画届の受付は支給決定を意味しません。支給・不支給は、研修終了後の審査を経て決まります。この点を申請前から社労士が説明することで、「受け付けられたので必ず支給される」といった誤解を防ぎやすくなります。
注意点
社労士との連携は万能ではありません。契約や情報共有の体制づくりには一定の準備期間が必要ですし、対象となるかどうかは案件ごとの個別確認が前提で、確約できるものではありません。
また、助成金の広告表現や、研修費用の設計方法(キャッシュバックの禁止など)にも守るべきルールがあります。
この点は今後更新予定のコラム記事(研修会社様が知っておきたい助成金案内の注意点)をあわせてご覧いただければと思います。
まとめ
「助成金は使えますか」という質問に、研修会社様が制度のすべてを説明したり、申請を抱えたりする必要はありません。
研修内容の情報提供は研修会社様、必要書類の準備は受講企業様、申請手続きは社労士。この役割分担を明確にすることで、研修会社様は本来の営業活動や研修品質の向上に集中できます。
※本記事は執筆時点の情報です。制度や様式は変更される場合がありますので、最新情報は専門家にご確認ください。
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- 経営視点の提案:代表は社会保険労務士と中小企業診断士の両方の資格を保有し、事業成長を見据えた助成金活用をご提案します。
「助成金の対象になるか分からない」「計画届や支給申請書の作成に自信がない」という研修会社様・受講企業様は少なくありません。
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