中小企業のデジタル変革成功事例3選!省人化から全社改革まで実践ポイント解説
【この記事のポイント】
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中小企業でもできる!デジタル変革の現状と可能性
人口減少による労働力不足が深刻化する中、デジタル技術を活用した業務効率化の重要性がますます高まっています。
実際に、ものづくり企業の約8割がデジタル技術を活用した業務改善を行っており、「製造」「生産管理」「事務処理」などの工程での実施が多くなっています(白書P.65)。
企業規模による差はありますが、従業員数の少ない企業でも十分に取り組める内容であることが分かります。
人材確保は社内育成が中心、3割は新たな確保なし
デジタル技術導入時の人材確保について、興味深いデータがあります。
- 「社内人材の活用・育成」が最も多く6割程度
- 3割弱の企業は人材確保を行っていない
- 人材育成では「会社の指示による社外機関での研修・講習会への参加」を多く採用
これらの結果から、新たな人材確保よりも既存社員のスキルアップを重視する企業が多いことが分かります(白書P.65)。
成功事例1:省人化から始めた段階的なデジタル化
長島製作所株式会社(岩手県一関市、従業員185名)は、1976年創業の金属加工メーカーです。
同社は2000年頃から自動車部品産業への参入をきっかけに省人化を開始。当初は外注していたロボット等の工作機械を、システムエンジニアとしての能力が高い現副社長が中心となって社内生産できる体制を整えました(白書P.66)。
具体的な取り組み:
- ロボット溶接のティーチング作業の有資格者育成
- 工程や治具の設計からロボットシミュレーションまで自社開発
- 2021年以降、開発した生産ラインの他社販売も開始
成功事例2:設備の見える化で生産性向上を実現
山本工作所株式会社(福岡県北九州市、従業員249名)は、1946年創業の鋼製ドラム缶製造企業です。
同社は設備トラブルの多発や生産性の悪化が課題でしたが、「設備の見える化システム」を導入して大きな改善を実現しました(白書P.67)。
導入した仕組み:
- 主要設備にカメラやセンサーを設置
- 設備データをリアルタイムで収集・監視
- 録画機能でトラブル発生時の要因特定を効率化
- 故障要因の分析による改善活動で故障率・不具合率を低減
重要なポイントは、社長をトップに各部門からメンバーを集めてプロジェクトを進めたことです。現場を熟知したメンバーがデジタル変革推進を担うことで、現場ニーズに合致した仕組みの導入を実現できました。
中小企業が今すぐ始められる実践ポイント
これらの成功事例から、中小企業でも実践可能なデジタル変革のポイントが見えてきます:
- 段階的な導入:省人化など身近な課題から始める
- 社内人材の活用:新規採用よりも既存社員のスキルアップを重視
- 現場主体のプロジェクト:経営者がリーダーシップを取りつつ、現場を知る社員を巻き込む
- 外部機関の活用:社外研修や講習会を積極的に利用
人手不足という課題をデジタル技術で解決し、さらなる成長につなげている企業の取り組みを参考に、自社でも実践可能なところから始めてみませんか。
出典
経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2025年版ものづくり白書」
ものづくり白書2025年版
参照ページ:P.63〜67

