運用型広告に向き合って感じる機械学習について
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僕がAIと呼ばれるものに初めて出会ったのは1990年頃のドラクエIVの思い出まで遡ります。
あの時代にいきなり自動戦闘モードを取り入れたのは本当にすごいと思いますが、
「ガンガンいこうぜ」
を選択するとクリフトがボスに対して絶対に効かない「ザラキ」を唱えまくるお粗末なものでした。
その後、AIと対峙することは減っていき、20代後半でGoogle AdWords(現Google広告)の入札戦略でドラクエ以上に強く向き合うことになります。
僕が20代の頃は「自動入札」と言ってもあの頃のクリフトザラキ現象に近いものがあり、ドラクエVから取り入れられた「めいれいさせろ」なる「個別クリック単価制」で僕らはCPAを競い合ってきました。
僕らも馬鹿じゃないので、AIがずっとクリフトザラキ状態のままとは思いません。
巷のニュースではチェス王者がAIに負けたりしている中でそのまま勝ち続けられるとは思いませんでした。
勝てなくなる未来を意識して色々な動き方をしたと思いますが、僕は中小企業診断士の試験勉強をする、という選択を取りました。
その後思ったより早く機械学習に明らかに勝てなくなる頃が訪れました。
悲観することもなく多数あるアカウントのうち機械学習がしっかり稼働する予算規模が大きいものを一気に切り替えたのを今でも覚えています。
幸いにも、まだまだ我々運用者の仕事はまだまだ残り、今後も形を変えながら残っていくと思いますし、うまくいかない時は
「めいれいさせろ」
と指揮権をスイッチすることもあります。
僕はAIと向き合っていて強く感じるのは
「自分の仕事を奪われる」
という陳腐な感情もなくはありませんが、それよりも個別最適の余地がどんどんなくなっていく、という懸念です。
僕らコンサルタントは「お金を払ってくれた顧客の収益を伸ばす」という個別最適を担っていて、
AIはそれとは異なり、プラットフォームが求める全体最適を実現する方向に進んでいくため、
個別最適の余地が減っていくことで、僕らは結局「良いサービスを提供するお手伝いをする」という本質に向き合うことが求められていることを痛感します。
そんなことを悶々と考えつつ、周りはコロナ系の補助金の話で盛り上がっていて、サービスを本質的によくすることよりも
「どうやったら補助金がもらえるのか」
という事業者様が多く、コンサルタントも事業再構築補助金をこなすことに盛り上がっているし、実際にうちの会社でも積極的に取り組んではいます。
ただ、僕らが大きく関わっている補助金が数年後どのように評価されるんだろう?とはふと考えたりします。
もちろん仕事としてこなす以上良い結果を出して関わったお客様の満足を最大限追求したいとは思います。
そんな中で、今これは本当に重要なミッションなのか、とふと立ち止まってしまうこともあります。
運用型広告の管理画面と日々にらめっこしながら、ふと不思議な気持ちになります。
この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。