経営したことがない人に経営コンサルできるのか問題について考えてみた
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・サラリーマン
・個人事業主
・中小企業診断士
・社員を複数雇用する経営者
と一通り経験しましたので、よく議論される
「経営したことないのに経営コンサルタントになれるの?」
という論点について考えてみました。
最初に自分のスタンスを明示すると、僕は経営コンサルタントと名乗った事は人生で一度もありません。
僕のスタンスは
経営コンサルタントと名乗るのは経常利益1億円超えてから
です。
ただ、僕のスタンスがそうなだけであって、「経営した事ないのに経営コンサルタントになれない」とは思っていません。
自分に厳しい枷をかけているだけで、他の方々は顧客に認められれば経営コンサルタントだと思っています。
つまり、経営した事がないのに経営コンサルになるのは無理とは思いません。
無理ではないが不利ではある
という見解に落ち着いています。
そう思う点についてちょっと書いていきたいと思います。
経営の難しいところは基本的に「死と感情」が大きな要因を持つから、原体験を持っているかが大きなポイントになると思っているからです。
簡単に言えば、今40歳の自分は有限であり、8歳6歳の子供の人生も有限であるから、意思決定においてそれが足かせになります。
そこで働く社員さんも年を重ねていくと結婚し、子供を産んで、家を買ったりする中で、「生活に必要な年収の上昇」と「自分の能力や会社の利益を元にした実年収」がうまく連動しなくなることが多々あります。
ある程度セオリーが分かっていても100%ではない以上、ゲームのように期待値が最大なものを選ぶことができないのが経営の難しいところです。
また、
「こうした方がいい」
という正攻法をやろうとすると多くの場合感情面・企業風土面が大きく影響します。
例えば
・1億円借りる
・成功確率70%の挑戦をする
・スタッフがみんな自分の方向性に共感してくれる
・ITに強い人間を数名採用する
こんな条件が揃えば達成できる事があったとしても、これらを満たすために必要な覚悟と努力量、途中の懸念点を適性に把握して、その過程で抱える経営者の苦悩を正しく理解する事は、やはり経営をしたことがあり、その苦悩・苦労を乗り越えた人間の方が圧倒的に有利だとは思います。
ただ、これらの苦悩・苦労を知らない方が
無責任にやるべきことを言える
というのが強みになることもたまにはあります。
僕自身経営者でマーケターですが、webのコーディングはある程度できます。できるからこそ「ユーザにとって良いけど、死ぬほど大変なもの」を人に依頼する時に躊躇してしまう可能性があります。
わからない方がプラスなこともたまにはあります。
そして、今から最も不利だと感じることを書きたいと思います。
それは、コンサルタントは
自分が成功させるのではなく、相手の内発的動機付けによって相手がその人自身の努力で成功させるのをお手伝いする
職業であることです。
自身がそこそこの経営者であったり、わかりやすい実績を持っていると、
「この人の言うことが正しいかわからないが、とりあえずこの人の言う通りにやってみよう」
と思ってもらいやすかったりします。
逆に経営をしていなくて、
「この人の言うことを鵜呑みにしちゃいけないな」
と心のどこかで思われると、良い施策もうまくいきません。
受託業務であれば、成功確率が低い時は自分がフィー分以上の働きをして納品すれば一定の結果につながりますが、コンサルの成功はそこにないから、難しいです。
コンサルは頑張れば頑張るほどゴールが遠のくことだって多々あります。
よって経営をしたことがないと、どちらかと言うと不利に働く事はあるかなあと思います。
だからと言って無理ではありません。
経営者というのは少年のような心で夢を見て周りをそれに巻き込むのが得意な人が多いです。
その中で経営者の真逆となる性格で、その夢を実現するための道筋を論理と数字で作ってくれる人間はたとえ経営者でなくても尊敬され、重宝されると思います。
この時ポイントになるのは
「経営者の夢や想いを実現するための道筋を作るために賢い頭を使う」
という事です。
決して
・相手の価値観を否定するため
・マウントをとって上から指示するため
・単価を引き上げるため
・無謀に見える挑戦をやらない理由を述べるため
に使わない事かと思います。
そんな風に経営者の真の応援者になれれば、最後は経営コンサルタントが経営者であろうが個人事業主であろうが関係ないかなあとは思います。
ただ、再三お伝えしているように、不利なのは間違えないという見解です。
弊社であれば、僕だけでなく、所属コンサルタントやスタッフと「事務所総出」で必要な書類作りや市場分析、必要な受託業務までこなしますし、
デジタル時代に一人で発信・営業・顧客対応・デスクワークと全てこなすのは大変です。
これからは特に一人経営コンサルタントが不利な時代かもしれませんが、そんな不利な状況で刀一本で戦う姿もその人その人の美学であったりするし、美学を優先する「職人」ははっきり言ってかっこいい。
結局最後は
「自分がどうなりたいか」
とは思います。
この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。