中小企業診断士資格は隠すべきか、なぜ隠す人が多いのか問題について考えてみた
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僕は中小企業診断士の資格を持っていてコミュニティを運営するくらい積極的に活動していますが、仕事では大っぴらに出していません。
なぜ苦労して取得したのに隠す人が多いのか
この資格は
・駆け出しの人は資格を肩書きに入れる人が多い
・ノってきたら資格を隠す人が多い
という特徴があることで、二重の効果で社会的な価値が上がりづらいです。
他の資格(弁護士・会計士・税理士・社労士・行政書士など)ではそのようなことはあまりないですが、なぜ中小企業診断士だけそのような現象が起こるのでしょうか。
理由はシンプルに
1.独占業務がない
2.売れている人が名乗らないから、名乗っても単価が上がらない
(鶏が先か卵が先か、ですね)
3.専門性が薄れる
こう言った理由がポピュラーなところでは考えられます。
僕は特に3が強いです。
本当は名乗りたいんですが、webの専門家をやっていて印象という意味では名乗って得をしたことがあまりありません。
それでやむを得なくSNSや名刺から資格名を極力減らしています。
なぜ診断士だけ名乗っても価値が上がらないのか
これは中小企業診断士の試験範囲が他の資格とは異なる大きな要因が挙げられます。
それは、
会社・社長の本業に踏み込んだ領域だから
だと思います。
他の資格は、だいたい
「わからないし面倒だから先生頼んだ!!」
と言った性質のものが多いです。
社員が本業から外れたものを発注するのが外注であり、
経営幹部陣が本業から外れたものを発注するのが士業の専門家であるのに対して、
中小企業診断士は本業に結構食い込んだものが多いので、
「資格を持っていること」
だけで頼んでもらうことが難しいです。
どうすれば良いのか
コンサルティングというものは、本来
〇〇で結果を出す
→顧客に信頼される
→コンサルを頼まれる
→コンサルとして実績を積む
→紹介でコンサルの仕事が広がる
→スタッフを雇用する
→仕事の量と幅を広げていく
と言った流れを作っていくものであると考えます。
それに対して、最初の
〇〇で結果を出す
→顧客に信頼される
これを資格でショートカットすることができない領域なのかと思います。
では、どうすればいいのかと言えば
〇〇で結果を出す
→顧客に信頼される
これを資格に頼らずにクリアすることなのかと思います。
タレントであれば、TVに出ているのには
・スポーツで結果出した
・芸人としてすごいファンがついている
・アイドルとしてすごい好かれている
・教授として立派な経歴がある
など何かしら結果を出したことでそこに座っているように、
「コンサルタントです」
と名乗るためには、見込み顧客である社長たちは実績を求めるのではと思います。
そして、実績をある程度身につけていく中で専門性が際立ってきたところで、ゼネラリストである資格名は消したほうが得が大きくなっていきます。
そして、そうやってみんなが隠すから単価が上がらないのでますます拍車をかけていきます。
うまくいっている会社は診断されたくないし、経営コンサルもされたくない
これも大きな要因だと考えます。
僕のweb広告のお客様はうちの会社サイズより明らかに大きい立派な会社が多いです。
そんな会社・社長に「診断」「コンサル」なんて恐れ多くてできません。彼らに提供できるのは「集客コンサル」だけです。
「診断してよ〜」
「めっそうもありません(笑)」
なんて会話になります。
つまり、診断が必要なのは課題山積の会社が多くなりますので成長企業と取引しづらくなってしまうのも課題です。
では診断士の勉強は必要ないの?
僕は全くそうは思いません。
資格取得の過程で得た様々な努力・知識がその後の社会人人生において大きく役に立ちます。
仲間もできますし、入り口では上記のようにあまり活躍しませんが、付き合う過程で信頼の担保になります。
PL/BSであったり会社の超機密情報などはやはり国家資格を保有していることで信頼して任せてもらうことができます。
そして、
英語ペラペラな人がTOEICの点数ではなく自分の英語スキルに自信を持つように、
コンサルが保有資格ではなく自分の実績やスキルに自信を持つようになります。
英語ペラペラな人はTOEIC制度がなくなったとしてもなんとも思わないと思います。
中小企業診断士の資格は必要か、診断士の社会的価値を高める、
といった資格のことに興味がなくなることが、もしかしたら最初のゴールなのかもしれないですね!
この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。