ホーム > コラム一覧

なってみてわかった、中小企業診断士になることの価値について

  •  
    公開日:

僕は30歳で独立し、株式会社を作ってから中小企業診断士を取得しました。
勉強嫌いで苦手な僕が仕事の合間を縫って資格を取得したわけですが、あの勉強時間や資格取得後のコミュニティ活動は自分にとってプラスだったのだろうか、と振り返る中で感じた「中小企業診断士」という資格の価値について僕なりにまとめてみました。

目次
中小企業診断士という資格の短所
とにかく仲が良い
完全じゃないから良い
共通のタグになる
まとめ
中小企業診断士という資格の短所
ん?短所からスタート?
と思うかもしれませんが、長所については定型的なものはネット上に溢れかえっていますので適当にググってください。

この資格の肝は結構この短所に詰まっていると思っています。

中小企業診断士は一次試験7科目二次試験4科目とまあまあ苦労しないと取得できない資格なのに、独占的な業務がなく知名度も低いため、資格を取得した後すぐに独立するのが困難。
この前提を意識した上でここから少しお話を広げていきたいと思います。

とにかく仲が良い
他の資格のことを直接見たわけではないですが、とにかく仲が良い印象です。僕自身100人以上名刺交換し、今でも数十人は仲良くしている仲間がいます。飲みに行っても楽しいし一緒にキャンプ行ったり、かなりディープにお付き合いしています。

その要因が前述した

「難しい資格なのに独占業務と知名度がない為、すぐに独立するのが困難」

になります。

この短所があることで、組織の成立要件を満たし、強いインフォーマルな組織が出来上がっていると感じています。

組織の成立要件
1.共通目的
2.貢献意欲
3.コミュニケーション
勉強の範囲内ですが、上記の3つを満たすと強固な組織が出来上がると言われてています。

1.共通目的について

通常の資格の場合、取得したらそれぞれ他者は情報交換をする仲間でもありますが競合でもあります。

しかし、中小企業診断士の場合、それぞれが共通の弱点を抱えているからこそ、「みんなでそれを乗り越えよう」という共通目的が出来上がっています。

2.貢献意欲

経営コンサルティングという高難度な仕事をこなすには資格取得しただけでは足りないということも勉強した皆さんは理解しています。

だからこそ、資格を取得した後も学びと経験が欠かせないので率先して仲間を作っていかなければいけないのですが、インフォーマルな仲間を作り居場所を確保する為には、その場に対する貢献意欲をそれぞれが高めていく必要があります。

だからこそそれぞれが高い貢献意欲を持ち、気持ちよく活動することができる土壌になっているのかなあと感じます。

3.コミュニケーション

そして、中小企業診断士の二次試験潜り抜けてきた方々には一つの共通スキルがあります。

それは

相手の想いを理解して、問われたことに対して素直に回答するスキル
です。

だからこそ、場を乱すような自己中心的な発言をする人が少なく、建設的で心地よい会話が自然に成り立ちます。

また、共通の言語・価値観を持っていることをそれぞれ理解しているからこそ非常に喋りやすいです。

例えば、上記の組織成立要件を全員理解していることを理解できているので、何かに取り組む時にリーダーが

・まずは共通の目的を決めましょう
・メンバー全員に役割を振りましょう。メンバーの頑張りにはみんなでリアクションしましょう
・チャットでこまめに喋りつつ、節目節目に飲み会してコミュニケーションしましょう
って言ったら、全員がそれ全部必要だよね、って理解してくれます。

という感じで、資格を持っているメンバー間で組織の成立要件を自然に満たし、強い仲間意識が出来上がっています。

完全じゃないから良い
中小企業診断士の資格は通常1,000〜1,500時間程度の勉強時間が必要と言われますが、この勉強時間も結構ちょうど良い時間だなあと感じます。

3000時間の法則というものがありますが、仕事で1人前になるためには3,000時間くらいの努力が必要です。

元々コンサルティング業務を本業でやっている人は当てはまりませんが、それ以外の人にとっては資格取得ってちょうど5号目到達程度だったりします。

その為、資格取得後からがある意味で6号目スタートになります。

ここからは副業で学んだり、研究会をやったり、本を読んだり、独立して先輩の仕事を手伝うことで学んだりしながらそれぞれで努力しなければいけません。

だからこそ資格取得後も仲間を作り、みんなで楽しみながら成長していく空気感を維持しています。

「もっと成長したい」
という向上心を持った仲間を大人になってからも作れるとは資格取得前には全く思っていませんでした。

共通のタグになる
1人前にはなりきれないからこそ取得後の努力が不可欠であるものの、1,000〜1,500時間の努力を成し遂げた共通の苦労・成功体験を持っていて資格取得しないとその仲間になれない、
という、このちょうどいい感じのバランスが仲間意識を作り、部活のような空気感を作っているような気がします。

そして、近年はSNSでのコミュニケーションが活発ですが、SNSは自由な海だからこそ共通のタグがないとなかなか仲良くなることができません。

コロナで会うことが困難になり地域の垣根がなくなったからこそ共通のタグの重要性はさらに高まっていると感じます。

「中小企業診断士」という1つのタグを持つことで広大なSNSの海が心地よい池になるわけです。

まとめ
ざっくりまとめると、

良い仲間が作れる資格ですよ

というシンプルなことなのかもしれませんが、

ちょうどいい感じにビジネスに役立つ知識とスキルが身につき、
ちょうどいい感じに未完成でコスパが悪い
というちょうどいいバランスが作りだす偶然の産物なんだなあと感じます。

そんなちょうどいい感じに外部から「使えない資格」と揶揄されることを楽しみつつ、その伸び代と余白を埋めることに使命感を感じ、楽しんでいこうと思います。

この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

Xをフォローする