中小企業の適正な価格設定とは?時代にあわせて見直し、従業員に還元を! 適正価格とは?」 答えは一つではないと思います。 2020年度版中小企業白書を参考に、中小企業が直面している現状をみていきます。 Table of Contents Toggle 1.価格競争からの脱却2.価格設定の3つの視点3.価格設定の経営相談4.まとめ 1.価格競争からの脱却 「競合他社が多いから、価格競争になるのか?」 ■競合他社が少ないほど、自社の価値を、十分に価格に反映できている企業の割合は多い ■しかし、競合他社が価格を10%下げたときに、約5割の企業が「自社は値下げしない」と答えており、競合他社の数は関係ないとのこと ■一方で、企業年齢があがるほど、競合他社が価格を下げると、自社も値下げする傾向にある 以上のようなアンケート結果がでています。 競合他社の値下げに対して、自社も値下げしてしまう企業の特徴として、次の点が考えられます。 ≪自社も値下げする企業の特徴≫ ①価格以外での差別化ができていないので、価格で競争せざるを得ない ②十分に差別化できているのに、競合他社の価格を意識してしまう 2.価格設定の3つの視点 企業が価格設定をする際に、次の3つの視点に分類できます。 ①「自社がいくらで売りたいか」【コスト起点型】 コストを回収し、一定の利益を確保できる価格に設定する ②「いくらで売られているか」【競合起点型】 業界平均や競合他社の価格を参考に設定する ③「いくらまでなら買ってもらえるか」【顧客起点型】 顧客に受け入れられる価格に設定する アンケートでは、以下の結果がでています。 ■自社に優位性のある企業は、約6割が、①【コスト起点型】で価格設定をしている ■業種別にみると、次のような傾向がある ①【コスト起点型】製造業、運輸業・郵便業 ②【競合起点型】小売業、卸売業 ③【顧客起点型】宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業 ■また、①【コスト起点型】企業は「値下げしない」傾向にある まとめると、①~③のどれが良いのかではなく、①型の企業は③型の視点をもち、逆に、③型の企業は①型の視点をもつ。そして、自社の優位性を反映した、価格設定をすることが大切とわかりました。 3.価格設定の経営相談 中小企業において、価格設定をするうえで、適正かどうかわからないと感じている人は少なからずみえます。 その際に、中小企業経営者が見落としがちなことは、専門家に相談するという視点。 ■商工会 ■商工会議所 ■よろず支援拠点 このような機関では、価格設定以外にも、様々な相談に応じてもらえます。 よく分からないからと適当に決めて、あとで資金繰りが苦しくなるくらいなら、早めに相談することをおすすめします。 場合によっては、会員になることを求められますが、相談する価値はあるとおもいます。 4.まとめ 慣れている人にとっては、簡単なことかもしれません。 ただ、経営者でもよく分かっていない人もいます。 自社の価格設定は今のままでよいのか、考えるきっかけになるといいですね。 中小企業の進むべき道は、 「自社の製品やサービスを競合他社と差別化して、構築した優位性を、価格に適正に反映することで、収益を拡大すること」。 この流れを、付加価値を獲得するための、一連の取組みとしています。 そして、収益を拡大できた分、従業員に賃金引上げという形で還元することを、国は期待しています。 それを実現するためにも、顧客・企業・従業員が満足できる価格設定を、時代の変化に合わせて見直していくことが大切です。参考にしてみてくださいね。 2020年版中小企業白書「第2部第2章 付加価値の獲得に向けた適正な価格設定」[PDF形式:5,151KB] ]]>