初めての連結決算、買収後にやるべき手続きと注意点
初めての連結決算。買収後にやるべき手続きと注意点
会社を買収して子会社を持つことになったら、連結決算が必要になる場合があります。
「連結決算って何をするの?」「単体決算との違いは?」——初めて子会社を持つ中小企業の経理担当者にとって、連結決算は未知の領域です。
本記事では、連結決算の基本的な考え方、買収直後にやるべき準備、連結決算の具体的な流れ、そして初心者がつまずきやすいポイントについて解説します。
連結決算とは何か——グループ全体の成績表
連結決算とは、親会社と子会社を一つの会社とみなして、グループ全体の財務諸表を作成することです。
たとえば、A社(親会社)がB社(子会社)の株式を100%取得した場合、A社とB社は法律上は別々の会社ですが、実質的には一つのグループとして経営されています。このグループ全体の業績を表すのが連結決算です。
連結決算が必要になるケース
連結決算が法律上義務付けられるのは、以下のようなケースです。
- 上場企業:金融商品取引法により、連結財務諸表の作成・開示が義務付けられています
- 大会社:会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)で、子会社を持つ場合
中小企業でも、上記に該当する場合は連結決算が必要になります。また、金融機関から連結決算書の提出を求められるケースもあります。
買収直後にやるべき準備
連結決算をスムーズに進めるためには、買収直後に以下の準備を整えておく必要があります。
①子会社の決算日を親会社に合わせる
連結決算では、親会社と子会社の決算日が一致していることが原則です。
決算日が異なる場合、子会社の決算日を親会社に合わせるか、または決算日の差が3ヶ月以内であれば、子会社の決算日をそのまま使うことができます(ただし、決算日の差による調整が必要です)。
決算日を変更する場合は、定款変更の手続きが必要になります。
②会計方針の統一
親会社と子会社で会計方針が異なる場合、統一する必要があります。
たとえば、減価償却方法、棚卸資産の評価方法、引当金の計上方針などです。
会計方針が異なると、連結決算書の信頼性が損なわれるため、早めに統一しておきましょう。
③連結パッケージの作成
連結パッケージとは、子会社が親会社に提出する決算情報のことです。
親会社は、子会社から提出された連結パッケージを基に、連結決算を作成します。連結パッケージには、貸借対照表、損益計算書、親子間取引の明細などが含まれます。
④親子間取引の把握
親会社と子会社の間で行われた取引(親子間取引)は、連結決算で相殺消去する必要があります。
親子間取引の内容を正確に把握し、記録しておくことが重要です。
連結決算の基本的な流れ
連結決算は、以下の3つのステップで進めます。
ステップ①:個別財務諸表の合算
まず、親会社と子会社の個別財務諸表を単純に合算します。
たとえば、親会社の売上が10億円、子会社の売上が5億円であれば、合算すると15億円になります。
ステップ②:連結修正仕訳
次に、連結修正仕訳を行います。連結修正仕訳とは、連結決算特有の調整仕訳のことです。
- 投資と資本の相殺消去
- 親子間取引の相殺消去
- 未実現利益の消去
- のれんの計上と償却
ステップ③:連結財務諸表の作成
連結修正仕訳を反映させて、連結貸借対照表、連結損益計算書などの連結財務諸表を作成します。
まとめ
会社を買収して子会社を持つことになったら、連結決算が必要になる場合があります。
連結決算とは、親会社と子会社を一つの会社とみなして、グループ全体の財務諸表を作成することです。買収直後には、子会社の決算日の調整、会計方針の統一、親子間取引の把握などの準備が必要です。
初めての連結決算ではつまずきやすいため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
当事務所では、連結決算のサポートから、連結納税・グループ通算制度の適用まで、グループ経営に関する税務・会計を一貫してサポートしています。「初めての連結決算で不安」という方は、お気軽にご相談ください。


