ものづくり補助金第22次公募【2025年最新版】主要な変更点と概要を徹底解説!
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)第22次公募の詳細が明らかになりました。
第21次以降の公募では、従業員数や賃上げ要件など、申請の可否や採択に直結する重要な変更が含まれています。
本コラムでは、第22次公募の主要な変更点と申請に向けた最新情報を詳しく解説します。
ものづくり補助金の目的
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が制度変更や環境変化に対応し、生産性を向上させるための取り組みを支援する制度です。目的は大きく2つあります。
- 中小企業・小規模事業者が、今後複数年にわたり相次いで直面する「働き方改革」「被用者保険の適用拡大」「賃上げ」「インボイス導入」等の制度変更に対応できるようにすること。
- 生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓に必要な設備投資等の経費の一部を補助することで、中小企業等の成長を後押しし、経済活性化を実現すること。
補助事業の概要
ものづくり補助金は「補助対象事業の区分」が複数用意されており、申請時にいずれかを選択します。
製品・サービス高付加価値化枠
- 対象:新製品・新サービス開発のための設備・システム投資
- 補助下限額:100万円
- 補助上限額:
従業員5人以下:750万円
従業員6~20人:1,000万円
従業員21~50人:1,500万円
従業員51人以上:2,500万円 - 補助率:中小企業 1/2、小規模事業者・再生事業者 2/3
- 対象経費:機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用料、原材料費、外注費、知財関連経費
- 実施期間:交付決定日から10か月(ただし採択発表日から12か月後の日まで)
グローバル枠
- 対象:海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等
- 補助額:100万円〜3,000万円
- 補助率:中小企業 1/2、小規模事業者 2/3
- 対象経費:機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用料、原材料費、外注費、知財関連経費、さらに海外市場開拓に関連する事業のみ「海外旅費」「通訳・翻訳費」「広告宣伝・販売促進費」も対象
- 実施期間:交付決定日から12か月(ただし採択発表日から14か月後の日まで)
特例措置
(1)大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例
- 従業員数規模に応じて補助上限額を引上げ
- 上限引上げ額:
従業員5人以下:+100万円
従業員6~20人:+250万円
従業員21~50人:+1,000万円
従業員51人以上:+1,000万円 - 適用不可となる条件:常時使用する従業員がいない場合、再生事業者、最低賃金引上げ特例を申請する場合
(2)最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例
- 所定の賃金水準の事業者が最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率を2/3まで引上げ
- 適用不可となる条件:常時使用する従業員がいない場合、小規模事業者、再生事業者、大幅賃上げ特例を申請する場合
【注意点】特例を申請する場合、社内への目標表明が不可欠です。
補助対象要件
基本要件
- 付加価値額の増加:補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年平均成長率(CAGR)を3.0%以上とすること。
- 給与支給総額の増加:同期間において、従業員(非常勤含む)及び役員それぞれの給与支給総額を年平均2.0%以上増加させる、または都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上とすること。【目標値未達の場合、補助金返還義務があります】
- 最低賃金:同期間において、補助事業の主たる実施場所における最低賃金を、事業実施都道府県における最低賃金より30円以上高い水準を毎年維持すること。【目標値未達の場合、補助金返還義務があります】
- 行動計画:従業員21名以上の場合は「一般事業主行動計画」を策定・公表すること。
【注意点】給与支給総額の増加と最低賃金については、目標未達の場合は補助金返還義務が発生します。また、申請時に従業員数が0名の場合は申請できません。「一般事業主行動計画」の策定はこちらをご参照ください。
グローバル要件
- 海外直接投資の場合:補助対象経費の1/2以上が海外支店や子会社に関わること、かつ国内でも海外事業と一体的な設備投資(50万円(税抜)以上)を実施すること。
- 海外市場開拓(輸出事業)の場合:製品等の最終販売先の1/2以上が海外顧客で、事業計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る計画を持つこと。
- インバウンド対応の場合:製品・サービス等の販売先の1/2以上が訪日外国人で、事業計画期間中の売上累計額が補助額を上回る計画を持つこと。
- 海外企業との共同研究・共同開発の場合:成果物の権利の全部または一部が補助事業者に帰属すること(外国法人の経費は対象外)。
特例措置要件
(1)大幅な賃上げによる補助上限額引上げの特例適用要件
- 給与支給総額:基本要件(年平均+2.0%)に加え、+4.0%(合計6.0%以上)の成長率目標を設定・表明し、事業計画期間の最終年度に達成すること。【目標値未達の場合、補助金返還義務があります】
- 最低賃金:基本要件(+30円)に加え、+20円(合計+50円以上)の目標を設定・表明し、毎年達成すること。【目標値未達の場合、補助金返還義務があります】
(2)最低賃金引上げによる補助率引上げの適用要件
- 2024年10月~2025年9月の間で3か月以上、主たる実施場所で雇用する従業員の30%以上が、同期間における地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用されていること。
第22次公募のスケジュールと申請方法
第22次公募の申請締切日は2026年1月30日(金)の17時です 。申請はオンラインの電子申請システムを通じて行われるため、GビズIDプライムアカウントの事前取得が必須となります。まだ取得されていない場合は、早めの申請準備が必要です。
ものづくり補助金第22次公募のスケジュール
- 公募開始 (公募要領公開):2025 年 10月 24 日(金)
- 電子申請受付:2025 年 12 月 26日(金)17:00~
- 申請締切 :2026 年 1 月 30 日(金)17:00
- 採択公表 :2026 年 4月下旬頃予定
※ 公募スケジュールは現時点での予定であり、今後変更となる場合があります。最新の情報は「ものづくり補助金総合サイト」をご確認ください。
※ 申請締切直前は非常に多くの申請が予想されます。申請が集中した場合は時間を要し、締切りに間に合わない可能性がありますので、余裕をもって申請ください。
申請方法
- ものづくり補助金の申請は「電子申請システム」のみで受け付けます。
- 申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。発行には一定期間を要しますので、お早めにご準備ください。
- 「GビズID(GビズID プライムアカウント)」の申請ページはこちらをご覧ください。
補助事業の流れ
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- 交付申請:原則、採択発表日(補助金交付候補者決定日)から遅くとも 2 か月以内に提出します。
- 補助事業実施期限までに交付申請及び実績報告がなされていない場合は、採択取消しまたは交付決定の取消しとなります。
- 交付申請時点で事業計画書に記載の事業実施スケジュールどおりに進捗していない場合は、遅延の理由や実施可能性などについて確認が行われます。事務局が「事業の遂行が困難」と判断した場合は、採択取消し等を行う場合もあります。
- 採択された場合は、採択発表後、速やかに交付申請準備を行ってください。
第22次公募における主な変更点
第21次以降の公募では、従業員要件や賃上げ基準など、採択に直結する重要な変更が加わりました。以下に第20次公募との違いを整理します。
比較表

従業員要件
- 第21次から実際に給与支給されている従業員が最低1名必要となりました。応募申請時に従業員が0名の場合、対象となる給与が存在しないため応募不可です。
※「よくあるご質問」9ページ参照
補助事業の主たる実施場所
- 「補助事業の主たる実施場所」の登録が必須になり、交付申請時にはその事業所の最低賃金を報告しなければなりません。
- 「補助事業の主たる実施場所」とは、補助対象経費となる機械装置等を設置する場所、または格納、保管等により主として管理を行う事業場(事業所)をいいます。
- 事業所が複数ある場合は、導入する機械設備等の補助金額が最も大きい事業場、同額の場合は従業員数が多い方を登録します。
※「よくあるご質問」5ページ、9ページ参照
事業計画書の補足PDF資料
- 事業計画書の補足となるPDF資料の上限はA4サイズ3ページから5ページに拡大されました。
- 記載の分量で審査するものではないため、5枚を超える PDF が提出されていたり、事業計画の本文を電子申請システムに入力せずにPDFで添付したりしている場合は審査の対象になりません。
- 空白のページも1ページとカウントされます。
他の補助金・助成金との併願
- 併願することは可能です。
- 以下の場合は対象外です。
(1) 本補助金の申請締切日を起点として16か月以内に、新事業進出補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金のいずれかの補助金の交付候補者として採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)。または、
(2) 申請締切日時点において上記補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者。 - 複数の補助金に採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して交付申請を行うことが必要です。選択をせずに、複数の補助金を受領していたことが発覚した場合、交付決定日の遅い方の交付決定が取消しとなります。
賃上げに関する加点項目
- 賃上げ目標の表明期限が「交付決定まで」に延長されました。
※「公募要領概要」23ページ参照
お役立ちリンク集
- ものづくり補助金総合サイト
- ものづくり補助金電子申請サイト
- ものづくり補助金第21次公募要領
- よくあるご質問
- ものづくり補助金第21次公募要領概要版
- 年平均成長率(CAGR)算出ツール
- 大幅な賃上げ計画書
- 資金調達確認書
- ミラサポPlus(活用事例ほか)
専門家への相談で採択率アップを目指す
ものづくり補助金第22次公募は、前回公募に引き続き、従業員要件や賃上げ要件の厳格化が大きな特徴です。
制度の詳細は公式資料を確認しつつ、実務担当者は早めの準備(GビズID取得、賃金台帳などの労務データの確認)を進めることが重要です。
補助金は、単に申請書類を提出すれば良いというものではありません。採択されるためには、革新性や将来性、そして収益性を客観的に示す事業計画書の作成が不可欠です。
アクセルパートナーズでは、ものづくり補助金の申請から採択後の手続きまで、経験豊富な専門家がトータルでサポートしています。煩雑な手続きや事業計画の策定に不安がある事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。

