中小企業の初心者向けクラウドファンディング!デメリットもある資金調達方法
1クラウドファンディングとは
クラウドファンディング(crowdfunding)は、crowd(群衆)とfunding(資金調達)を、組み合わせてできた言葉です。
・「カフェをオープンしたい!」
・「新商品を販売したい!」
・「介護問題など地域の社会問題を解決したい!」
インターネットを通じて、自分の夢や活動を発信して、自分の想いに共感してくれる人や、活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るサービスです。
①実行者が自分の夢やプロジェクト案を掲載する
②支援者がお金を支援する
③見返りとして、モノや商品、サービスなどのリターンを提供する
このように、中小企業の皆さんは、①実行者の立場でアイデアを発信して、資金調達をするイメージです。
3つの種類
クラウドファンディングには、大きく分けて3つの種類があります。
Ⅰ購入型
①実行者:
モノやサービス、体験や権利などを販売することができます。
個人や企業など、誰でも利用することができます。
②支援者:
支援をした見返りとして、対価性のあるモノや、実行者とのつながりや体験など、さまざまリターンを得ることができます。ただし、金銭的な見返りを得ることはできません。
Ⅱ寄付型
①実行者:
災害支援などの社会貢献型プロジェクトに、寄付を募ることができます。
リターンは対価性のないものに限り設定可能です。
②支援者:
対価性のあるリターンは受け取れませんが、対価性のない、お礼の手紙や写真といったリターンを受け取ることは可能です。寄付金は課税されないメリットがあります。
Ⅲ金融型
①実行者:
貸付や株式発行、ファンドのしくみを利用して、低金利でお金を借りたり、出資してもらい資金を集めます。
②支援者:
企業の業績があがると、配当を受け取れたり、商品やサービスなどをリターンとして受け取れる可能性があります。
2つの実施方式
クラウドファンディングには、2つの実施方式があります。どちらを選ぶかにより、プロジェクト終了後にもらえる資金に違いができてきます。
1)All or Nothing方式
プロジェクトを実施するときに、目標金額を設定します。All or Nothing方式を選んだ場合、目標金額を超えると、プロジェクト成立となり、資金を受け取ることができます。
募集期間中に、支援された総額が目標金額を超えた場合に、プロジェクト成立となり資金を受け取ることができます。
目標金額を超えずに不成立になると、資金を受け取ることはできず、支援者に全額返金されます。
All or Nothing方式を選ぶときには、適切な目標金額を設定し、プロジェクト案をしっかりと考えて、必要なアクションを実施することが大切なようです。
2)All In方式
目標金額を超えたかどうかにかかわらず、プロジェクト成立となります。
目標金額に超えなかった場合でも、実行者はプロジェクトの実施を確約する必要があります。
目標金額にかかわらず、プロジェクトを実施できるときには、All In方式を利用するのが良いようです。
2.プロジェクト実施の流れ
クラウドファンディングのイメージをつかむために、簡単にプロジェクト実施の流れをみてみましょう。(All or Nothing方式の場合)
1:プロジェクトの申請
まずは、アイデアを申請します。
2:プロジェクトの掲載準備
審査が通ったら、プロジェクトの掲載準備をスタートします。想いが伝わるプロジェクトページと、魅力的なリターンを設定します。
3:プロジェクトの公開
目標金額の達成に向けて、プロジェクトを積極的に発信していきます。
4:募集終了・リターン送付
集まった資金でプロジェクトを実施し、終了報告を行います。
5:プロジェクトの実行
募集終了後、まずは支援者に感謝の気持ちを伝え、プロジェクトが成立したら、リターンの送付を行います。
クラウドファンディング事業者にアドバイスをもらいながら、実施するのがよさそうですね。
3.実行者のメリットとデメリット
中小企業が実行者としてクラウドファンディングを活用する際の、メリットとデメリットを確認します。
■メリット
1)資金調達を行うことができる
不特定多数のひとから資金調達ができて、返済の義務がない
2)多くの人にPRできる
実績や信用力などは関係なく、多くの人に自分の夢や活動をPRできる
3)テストマーケティングにも活用できる
メッセージのやり取りなどで支援者と交流ができるので、ユーザーのニーズに気づいたり、新たな商品開発などに活かすことができる
4)ファンを作る
夢への想いや活動背景などを語ることで、自身もしくは自社のファンになってもらう
■デメリット
1)管理コストがかかる
不特定多数が対象なため、【購入型】のリターン発送、【融資型】分配金の振込など、多くの手続き業務が発生する
2)アイデアが盗まれる可能性がある
公開したアイデアが試作段階のものであれば、盗まれてしまう可能性があるので、特許を取得するなどの対策が必要な場合もある
3)資金調達ができない可能性もある
プロジェクトに賛同してもらい、支援してもらえなければ資金が調達できないため、クラウドファンディング以外の調達方法の検討が必要になる
返済のいらない資金調達はとても魅力的ですが、必ずしもメリットばかりではないようです。
利用する場合には、しっかりとデメリットも検討することが重要なようですね。
4まとめ
クラウドファンディングサイト(事業者)には、たくさんの種類があり、【購入型】【寄付型】【貸付型】【株式投資型】【ファンド投資型】など、それぞれ強い分野があるようです。
利用するときには、自社が何型のクラウドファンディングをおこなうのかを考えて、選ぶことが大切です。
いかがでしたか。
クラウドファンディング初心者向けに、基本的な部分についてみてきました。
興味を持たれたかたは、さらに深く調べて、活用を検討してみてくださいね。
今後の世の中において、ITがなくなることはまず考えられないので、ITをうまく活用して、中小企業のみなさまの経営が良くなることを期待しています。
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