雇用調整助成金の手続きが簡素化

厚生労働省は雇用調整助成金特例措置の受給手続きを大幅に簡素化しました。 雇用調整助成金は、従業員の雇用を維持することが目的の助成金で、原則返済は不要ですが、 ・提出書類が多い ・手続きが非常に煩雑 ・支給されるまでに時間かかかる といった理由で申請をためらう事業主の方も多かったようです。 これを受けて厚生労働省は受給申請の手続きを大幅に簡素化するとともに、簡易版のガイドブックを作成しました。 (申請書類簡素化のお知らせ)厚労省HPより https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000620643.pdf (雇用調整助成金ガイドブック〈簡易版〉、令和2年4月13日現在)厚労省HPより https://www.mhlw.go.jp/content/000622165.pdf 大まかなポイントについて以下にまとめます。 (※この記事は4月13日現在の情報をもとに執筆しています)

簡素化のポイント

 

記載事項を約5割削減 73事項→38事項に削減(▲35事項)

• 残業相殺制度を当面停止(残業時間の記載不要に) • 自動計算機能付き様式の導入により記載事項を大幅に削減

記載事項の大幅な簡略化

日ごとの休業等の実績は記載不要(合計日数のみで可)

添付書類の削減

• 資本額の確認の「履歴事項全部証明書」等を廃止 • 休業協定書の労働者個人ごとの「委任状」を廃止 • 賃金総額の確認のための「確定保険料申告書」を廃止(システムで確認)

記載事項の大幅な簡略化

• 日ごとの休業等の実績は記載不要(合計日数のみで可)

添付書類は既存書類で可

• 生産指標→「売上」が分かる既存の書類で可 • 出勤簿や給与台帳でなくても、手書きのシフト表や給与明細でも可

計画届は事後提出可能(~6月30日まで)

計画届に必要な書類(休業の場合)

計画届に必要な様式は2つ削減され、記載事項は29項目から21項目に簡素化されました。 必要な書類と変更点は以下の通りです。

様式第1号(1)  休業等実施計画(変更)届

事後提出(申請時に提出)が可能になりました(~6/30(火)まで

様式第1号(2)  雇用調整事業所の事業活動の 状況に関する申出書 (※新様式特第4号)

・確認書類は「売上」が分かる既存書類のコピーで可に (売上簿、営業収入簿、会計システムの帳票などで可

確認書類①  休業協定書・教育訓練協定書

・労働者代表選任届に添付を求めていた個別の委任状を 不要に

確認書類② 事業所の状況に関する書類

既存の労働者及び役員名簿のみで可 ・中小企業の人数要件を満たせば、資本額を示す書類は 不要に  

支給申請に必要な書類(休業の場合)

支給申請に必要な書類は1つ削減され、記載事項は項44事項→17事項に簡素化されました。 必要な書類と変更点は以下の通りです。

様式第5号(1)  支給申請書(※新様式特第7号)

・自動計算機能付き様式とし、記載事項を大幅に削減

様式第5号(2)  助成額算定(※新様式特第8号)

・自動計算機能付き様式とし、記載事項を大幅に削減残業相殺の停止により、残業時間の記載不要に

様式第5号(3)  休業・教育訓練計画一覧表及 び所定外労働時間等の実施状 況に関する申出書(※新様式特第9号)

日付毎の記載は不要とし、日数合計のみで可 ・残業相殺の停止により、残業時間の記載不要に

共通要領様式1号  支給要件確認申立書

・「はい」「いいえ」を簡易に回答可能な様式に変更

確認書類②  労働・休日及び休業・教育訓 練の実績に関する書類

・出勤簿、タイムカード以外にも、 手書きのシフト表などでも可 ・給与台帳以外にも、給与明細の写しなどでも可

まとめ

今回の簡素化で提出書類は3点削減され、記載事項は35項目削減されました。 手続きが煩雑であることを理由に申請をためらっていた事業主の方は、ぜひこの機会に申請を検討してみてはいかがでしょうか。 申請様式はこちらからダウンロードできます。]]>