【リスティング広告】自動入札のメリット・デメリットと活用方法を解説

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自動入札

 

リスティング広告の機能の一つである「自動入札」。この自動入札を活用することで、広告配信にかかるコストを最適化することができます。

しかし、特徴を把握しないまま、誤った使い方をするとかえって効率的な広告配信を妨げてしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、リスティング広告の自動入札のメリットやデメリット、活用方法をご紹介していきます。

リスティング広告の自動入札とは

自動入札とは、リスティング広告の入札単価を自動的に調節してくれる機能です。入札単価の設定には、以下のような要素が参照されます。

・配信者が設定した目標(クリック数やコンバージョンの最大化など)
・過去の履歴
・ユーザーのデータ(所在地、属性、使用端末など)

上記の要素を多面的に組み合わせ、予算内で最大の効果が得られるような入札単価が設定されます。

手動入札との違い

「手動入札」とは、自動入札を使わず、人の手で入力単価を調整、入力する入札方法です。企業独自の入札戦略を生かしたフレキシブルな運用ができますが、人的コストがかさむというデメリットがあります。また、効率的な運用を行うためには広告配信に関する知識と経験が必要です。

自動入札と手動入札にはそれぞれメリットとデメリットがあります。その特徴を踏まえたうえで、自社の広告戦略や運用に割ける人的コストに合った方法を採用すると良いでしょう。

Google広告の自動入札機能

Google広告の自動入札機能には、以下6つの自動入札戦略が用意されています。中でもコンバージョンの数や値を最適化することを目標とした自動入札のことを「スマート自動入札」といいます。

・サイトアクセスを増やす
・視認性を高める
・目標コンバージョン単価(CPA)でコンバージョンを増やす
・各コンバージョンの価値が異なる場合に、目標広告費用対効果(ROAS)を達成する
・予算全体を使いながらコンバージョンを増やす
・予算全体を使いながらコンバージョン値を増やす
※印がついているものはスマート自動入札

Google広告における自動入札機能の大きな特徴として挙げられるのは、キャンペーンの特徴に合ったシグナル(参考とする要素)の存在です。

一例を挙げると、ショッピングキャンペーンには「季節性」というシグナルがあります。これは1年における特定の時期の季節的な掲載結果の傾向に基づいて入札単価が決定されるというものです。

例えば、歳末大売り出しの時期などはコンバージョンにいたる可能性が高いため、それに応じて入札単価が調整されます。

参考:Google広告ヘルプ 自動入札機能について
参考:Google広告ヘルプ スマート自動入札について

Yahoo!広告の自動入札機能

Yahoo!広告の自動入札タイプはGoogleと同じく6種類あり、以下の目的に合わせて適したタイプを選択できます。

・サイトアクセスを増やす
・予算を最大限に使ってコンバージョンを増やす
・コンバージョン単価を一定に保ちつつ、コンバージョン数を増やす
・コンバージョンの件数を増やす
・認知度を上げる
・コンバージョンごとに異なる価値を加味しながら目標とする広告費用対効果を達成する

Google広告と同じく、クリック数の最大化、視認性の高い場所への広告掲載、コンバージョン数もしくは値の最大化などを目標とした運用が可能です。

参考:Yahoo!広告ヘルプ 自動入札とは

Google広告とYahoo!広告はどちらも自動入札機能を有しており、機能の面ではどちらが優れている、劣っているということはありません。

どちらの(もしくは両方の)媒体を利用すべきか検討する際には、ターゲットとするユーザー層や広告の掲載先といった媒体ごとの特徴を把握することが重要です。

以下の記事でGoogle広告とYahoo!広告の違いについて解説していますので、併せてお読みください。

「リスティング広告初心者向け、GoogleとYahoo!の違い、どちらかにすべきか両方出すべきか」

自動入札のメリット

先ほどご紹介した通り、自動入札ではさまざまなデータをもとに最適な入札単価が自動的に設定されます。入札単価が自動調整されることによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下に詳しく解説します。

入札単価を調整する手間が省ける

自動入札を利用することで入札にかかる手間を省くことができます。手動入札の場合はキーワードごとに金額設定をしなければなりません。

しかも設定して終わりではなく、成果測定を行って定期的に調整を加える必要があります。その結果リスティング広告に張り付きの状態になってしまい、ほかの業務に支障が出るということにもなりかねません。

自動入札であれば入札単価の調整を機械学習に任せられるため、広告担当者は広告文の作成やクライアントとのやり取りなど、「人」にしかできない業務に集中できます。

費用対効果の高い配信ができる

自動入札では設定した目標や蓄積されたデータを参考として、広告配信のたびに入札単価を調整します。それに対し、手動入札は人が行うため、調節の頻度はどうしても自動入札に劣ります。

それに加え、人の主観や推測が入るため、実際のデータと異なる判断をしてしまうこともあるかもしれません。

一方、自動入札はデータに基づいた客観的な単価調整を高頻度で行うことができます。そのため無駄な広告費を削減し、費用対効果を高めることが可能です。

ユーザーのニーズに合った配信ができる

自動入札では、ユーザーの所在地や曜日・時間帯、興味関心の対象など無数の要素をもとにした詳細なターゲティングが可能です。

その情報を必要としているユーザーに効率的に広告を配信できるため、コンバージョンやクリック数の増加につながります。

自動入札のデメリット

自動入札には上記のようなメリットがありますが、その反面機械学習ならではのデメリットもあります。以下に詳しくご紹介しましょう。

機械学習に2~3週間程度かかる

自動入札をしたからといって、即日パフォーマンスが改善されるわけではありません。自動入札がスムーズに機能するためにはデータを蓄積し、分析するための学習期間が必要になるからです。

蓄積に必要な時間はおおよそ2~3週間と考えておくと良いでしょう。学習期間は単価調整が不安定になり、CPC(クリック単価)が高騰するなど、配信コストが大きくなってしまう恐れがあります。

しかし、その時点で自動入札の設定を大幅に変更すると再度学習期間に入るため、最適化までに時間がかかってしまいます。自動入札を一度設定したら、安定するまでは静観する姿勢も重要です。ただし、チェックは怠らないようにしましょう。

データが不足していると十分に機能しない

自動入札機能はユーザー情報や過去の運用実績といったデータを参考にして入札単価を決定します。そのため、データが不足していると、自動入札の機能が十分に機能しません。

中でもコンバージョンを目的とする自動入札を行う際には、十分なコンバージョン数を獲得できていないと自動入札の精度が落ち、かえって費用対効果が低くなってしまう場合があります。

特に新規で広告配信を行う際には、当然のことながら過去のデータやコンバージョン数が不足しているため、最適化まで時間がかかります。

大きな変更に対応しづらい

先ほどご紹介した通り、自動入札が安定するまでにはデータを蓄積・分析するための学習期間が必要です。予算変更や配信調整、セールによる急激なコンバージョンの増加など大きな変化があった場合、再び学習期間に戻り、配信コストの増加につながってしまう恐れがあります。

なお、Google広告では「季節性の調整」によって、短期間のイベントによるコンバージョン率の変化に対応することができますので、活用すると良いでしょう。

自動入札を活用するためのポイント
上記のメリット・デメリットを踏まえて、自動入札を活用するうえで重要なポイントをまとめました。

自動入札を活用するための施策

目標を明確かつ適切に設定する

先述の通り、自動入札では設定した目標を達成するために最適な入札単価設定が行われます。

自社が求める成果を得るためには、「広告配信によって何を得たいか」というゴールを明確にし、それに合った目標値や戦略を設定することが重要です。

ただし、目標値は現実的な数値に設定しなくてはなりません。

これまでの実績から大きくかけ離れた目標値にしてしまうと、入札機会が失われ、かえってパフォーマンスが下がってしまう原因になります。

まずは達成可能な目標値を設定し、自動入札の精度が安定して結果が出始めたら、少しずつ目標数値を上方修正していくといった戦略が有効です。

常に成果を確認する

自動入札をしているからといって、常に最良の広告配信ができているとは限りません。そのため自動入札設定後も、定期的に成果を確認する必要があります。

その結果、想定していた成果が出ていない、入札単価が高いといった問題が生じた場合は、目標値や戦略の見直しをしなくてはなりません。

また、逆に目標を大きく上回る結果が出ているのであれば、目標値を上方修正する必要も出てくるでしょう。それに加え、先述の通り自動入札には大きな変化に対応しきれないという弱点がありますので、必要に応じて調整を行う必要もあります。

自動入札は工数がかからない点が大きなメリットですが、だからといって放置するのは望ましくありません。自動入札の効果を最大限に発揮するためには、人の目で常にチェックすることが重要です。

まとめ

リスティング広告の自動入札機能を利用することで、工数の削減や入札単価の最大化が達成でき、費用対効果の改善にもつながります。

しかし、自動入札は導入さえすれば結果が出る、というものではありません。自動入札を最大限に活用するためには、広告配信の目的を明確にして、それに合った入札戦略を設定することが重要です。

また、自動入札には最適化まで時間がかかる、急激な変化に対応しきれないといった弱点もありますので、人の目で継続的なチェックを行い、再調整を行う必要があります。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。

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