間違いだらけの生産性向上と正しい生産性向上の考え方

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ここ数年日本企業の生産性の悪さが取り上げられ、生産性を上げるための施策を日本政府も補助金の予算を充てています。
また企業レベルでも生産性を上げよう、という動きをとっている会社が多いですが、なかなか生産性が上がらないことが多いです。
今回は
「なぜ生産性が上がらないのか」
「どうしたら生産性は上がるのか」
について概要を書きたいと思います。

1.なぜ生産性が上がらないのか

理由は生産性と効率性を混合してしまっている会社が多いことにあるように感じます。

a.効率性とは

効率性とは一定の時間でどれだけの仕事をこなすことができるか?
つまり
”仕事量 ÷ かかった時間(もしくは給与)”
になります。例えば会議の時間を縮めたり、ITツールを入れて業務を短縮することで効率性は上がります。

b.生産性とは

生産性とは一定の時間でどれだけの売上に貢献することができるか?
指標にもよりますが、昨今言われている生産性は、ざっくりいうと
”売上(もしくは粗利) ÷ かかった時間(もしくは給与)”
になります。
生産性の場合、分子が売上もしくは粗利で考えられる為、どれだけ会議を削ろうがITツールを入れようが労働時間が一定である以上、売上・利益を上げなければ手待ち時間が増えるだけで生産性は上がりません。
現代において、早くこなせばその分仕事が降ってきて、売上が上がっていくというわけではありません。
その為、手を早く動かしてたくさんの処理をしても生産性が上がる訳ではありませんし、テレワークによって移動時間が短縮されたからといって売上が上がったり、人件費が下がらなければ生産性は上がりません。
特に、日本企業は効率的に処理したり、ミス・納期遅れなどをせずに良いものを納品することに強い人は多くても、「売上向上」について考えるプレイヤーが少ない印象があります。

2.生産性向上を妨げる要因

生産性を上げる為に待ったなしの状態であるものの、なかなか進みません。
その要因について様々な要因が語られますが、僕が見ている限り、
”売上に対する優先順位が低い” これに尽きると思っています。
「売上至上主義か、社会貢献か」、
そんな二者択一の中で、売上を上げる為に全力を尽くすことを”金の事ばっか””ブラック企業”と揶揄したり、
地域社会に根ざした社会、長く働いている社員への功労、伝統ある経営理念を守る、といったことを売上向上と分けて考えることが美しいと考えてしまうことがあるのかと思います。
実際に多くの過去の偉人は
「売上至上主義」
に警鐘をならし、商売の本質について深い学びを与えてくれます。
しかし、過去の偉人に習い、売上至上主義に走らず大事なものを重視しているように見えて実際のところ
・新規顧客の開拓を行う
・高い売上目標を立て、必ず達成させる
・IT・webについて深く勉強する
・昔の慣例を破って新しいことにチャレンジする
・値上げ交渉する
といった努力をしない言い訳にしてしまっているケースが多く存在します。
偉人は莫大な売上を叩き出したから偉人として名前を残している訳で、素晴らしい理念や組織作りで素晴らしい会社を作り、莫大な売上を出していることで多くの人に尊敬されてきています。
つまり売上を捨てて、社会貢献を重視した訳ではなく売上という結果を出し続けることで多くの人間を幸せにし、高い生産性を誇る大企業を作ってきました。
とにかく売上を向上させていくことに拘っていかなければ、解雇規制が存在する日本企業の場合生産性を継続的に高めていくことは難しいです。

3.生産性を高める要因について

それでは何をしたら生産性は高まるのか列挙してみたいと思います。

a.商品単価を上げる
日本の苦手分野です。生産者としても価格を上げることに対して恐怖心や消費者に対する遠慮が働きますし、消費者としても安くサービス提供することが美しいという文化が根強いです。
おばあちゃんが切り盛りする定食屋でご飯の大盛りが別料金だったり、裏の駐車場に高級車が止まっていたらガッカリしてしまいます。つまり、安い値段でサービスして欲しいという気持ちは、
「おばあちゃんには低い生産性、安い価格で清貧でいて欲しい」
ということになります。
もちろん文化を変える事はできませんので、価格をこまめに調整・分析しできる限り適切に単価を上げる努力を行うべきかと思います。

b.買上点数を上げる
小売店では、売り場のレイアウト作りなど、長年研究されてきたこともあり買上点数を高める手法が確立されてきておりますが、その他の業界でも様々な工夫をすることができます。

・オプション製品
・保証・アフターサービス
・付属商品
・色違いのバリエーション
・サブスクリプションモデルの追加商品

などメイン商材に付随する様々な商品を追加で買ってもらうことで生産性は大きく向上します。

c.広告の効果的な活用
日本の中小企業は、大企業に比べて売上に対する広告費用の投資が非常に少ないと言われています。
広告にばかり熱心な会社は良くありませんが、広告は売上を上げ生産性を向上させる重要な飛び道具であるのは間違いありません。
日本は広告を使わないで売上を伸ばすことに価値を見出す傾向がありますが、その結果、企業の成長を妨げているケースも多くあります。

d.デザイン力・商品のネーミング力を高める
デザインやネーミングは、客単価・客数を効率よく高める非常に重要な要素になります。

e.ターゲットのニーズを満たす商品を開発する
同じ品質の商品であっても、その時々の時代の流れによってニーズは大きく異なります。
ターゲットとしているユーザのニーズを満たした商品を適切に提供することができれば、生産性は大きく向上します。

f.見込み顧客にアプローチする量と質を最大限高める
どれだけ良い商品を作っても、見込み顧客に見てもらえなければ意味がありません。
また、ターゲットとしていないユーザに多く見られても売上は上がりません。
営業・プロモーションの量と質を高めていくことが求められます。

いかがでしょうか?上記のような売上向上に対する取り組みは、生産性という枠組みで考えていない人が多いのではないでしょうか?
会議の時間を縮めたり、事務処理を早めたり、外注を駆使したりすることで既存社員の効率性を高め、上記のような売上向上に繋がる取り組みに時間とお金を多く活用することで、初めて生産性は高まります。
その為、上記のような施策で売上向上を行った上で、
g.ITツールをいれることで処理を効率化する
h.無駄な会議の時間を減らす
i.コミュニケーションツールを見直し、訪問回数・移動時間を減らす
j.パソコンなどの環境を整備して処理スピードを上げる
k.テレワークを推進する
などなど様々な効率化をし、稼働時間を適正化させ、社員の採用人数を徐々に減らしていくことでこれらの努力が生産性に寄与していきます。

いかがでしたでしょうか?
正社員が多く働き、解雇規制がある現在の日本企業において生産性を向上させる為には、とにかく売上を高める努力を行っていくことに尽きるかと思います。
売上が上がっていった時に安易に人を採用するのではなく、業務改善を並行していくことで劇的に生産性が向上していきます。
とにかく商売の基本には、売上・利益の向上があることを意識して頂くことをオススメいたします。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。

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