リスティング広告 配信地域設定のポイントと注意点
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リスティング広告では、エリアを限定しての広告配信が可能です。
自社の商材に合った商圏内に配信先を絞り込むことで、広告配信の費用対効果を改善することができます。
しかし、「地域設定の方法が分からない」、「商圏を何㎞に絞れば良いのか分からない」と悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、リスティング広告で配信エリアを絞り込む際の、地域設定のポイントについて解説します。
目次
リスティング広告で配信エリアを絞るメリット
まずは、リスティング広告で配信エリアを絞る際のメリットについて解説します。
広告の費用対効果を上げられる
配信エリアを限定することで、広告の費用対効果を上げることができます。例えば、スーパーや歯科医院のような地域性の高いサービスは、遠いエリアのユーザーに広告を配信しても、来店・来院に結びつく可能性は高くありません。
しかし、商圏内のユーザーに限定配信をすることで、コンバージョンにつながりやすいユーザーに効率良くアプローチできます。
また、設定した範囲内でも、例えば店舗近くのエリアで入札価格を上げ、離れたエリアで入札価格を下げるといったように、地域ごとに配信比率を変えることができます。
このようにきめ細かく配信エリアの設定を行うことで、費用対効果を評価する指標となるCPA(コンバージョン単価)の改善につながります。
エリアごとに適した広告を配信できる
地域ごとに異なる広告を配信できるという点もメリットの一つです。
例えば、複数店舗を経営している場合、地域によってターゲット層やキャンペーンの内容が異なる場合があります。
地域ごとに掲載内容や誘導先のLPを変えて配信することで、それぞれのエリアに適した情報を届けることができます。
【地域設定】GoogleとYahoo!の違い
2大広告配信サービスといえる「Google広告」、「Yahoo!広告」では、広告配信地域の設定を行うことが可能です。利用できる機能はほぼ同じですが、一部機能や機能名称などに違いがあります。配信エリア設定における、GoogleとYahoo!の機能や特徴の違いについて解説します。
※情報は2022年12月現在のものです。最新情報は各サービスのヘルプページをご覧ください。
参考:Google広告ヘルプページ 広告のターゲット地域を設定する
参考:Yahoo!広告ヘルプページ 地域ターゲティング(特定の地域を指定して広告を配信)
エリアの指定方法
エリアの指定方法には、大きく分けて以下の3種類があります。
【1】地域指定
都道府県及び一部の市や区といった地域名から指定する
【2】範囲指定
特定の地域を中心とした一定範囲を指定する
【3】特定地域の除外
配信したくない地域を指定する
Google広告は上記全ての機能を利用できますが、Yahoo!広告は 【2】範囲指定 ができないため注意が必要です(ディスプレイ広告では使用可能)。
広告配信の対象となるユーザー
地域設定を行った場合は、広告配信の対象となるユーザーを設定します。Google広告とYahoo!広告で語句は異なりますが、意味としてはほぼ同じで、以下の3種類です。
【1】ターゲット地域にいるユーザーと、ターゲット地域に関心を示しているユーザー
【2】ターゲット地域にいるユーザー
【3】ターゲット地域に関心を示しているユーザー
「ターゲット地域に関心を示しているユーザー」としては、該当地域名で検索している、かつてその地域に住んでいたなどさまざまな判定基準があります。推測の域を出ないため、必ずしもその地域に関心を持っているとは限りませんので注意が必要です。
特に設定を行わなかった場合は、【1】の設定になります。
商圏に限りがある場合は何㎞に設定すべき?
商圏とは簡単に言うと、「お客さんが来店してくれる範囲」を指します。例えば、スーパーやコンビニエンスストアといった毎日足を運ぶような店舗は商圏が狭く、徒歩もしくは自転車で行ける範囲に留まることが多いです。
逆に、家電販売店や高級料理店など、希少性が高く来店頻度の低いお店は、商圏が広くなる傾向にあります。
このように、商圏は店舗の性質や提供する商材によって変わります。リスティング広告配信を行う際には、商圏を正しく把握しなくてはなりません。
商圏の範囲は各エリア・店舗の環境によっても異なりますが、大まかには以下の4種類に分けられます。
距離(目安) | 主な交通手段 | 来店頻度 | 店舗例 | |
足元商圏※ | ごく近隣 (所要時間10分未満、800m未満) |
徒歩 | ほぼ毎日 | ・スーパー ・コンビニエンスストア ・定食屋 ・ラーメン店 |
一次商圏 (最寄品商圏) |
800m~1.2km | |||
二次商圏 (中間品商圏) |
3km~5km | 自転車 | 週に1~2回 | ・クリーニング店 ・大型小売店 ・居酒屋 |
三次商圏 (専門品商圏) |
広範囲 (自家用車や電車で30~40分程度) |
自家用車
電車 |
月に1~3回 | ・家電販売店 ・高級料理店 |
※足元商圏は一次商圏の一部に含まれることもあります。
商圏設定時のポイント
先述の通り、商圏は取り扱う商材の希少性や来店頻度によってある程度絞り込みが可能です。
とはいえ、周辺の環境や住民の属性、競合店の存在など、さまざまな条件により商圏の範囲は変わります。商圏を設定する際には、「実商圏」と「想定商圏」という2つの捉え方から多面的に調査・分析を行うことが重要です。
実商圏
実際に顧客の来店が確認されているエリアを指します。
既存顧客の会員登録などの情報や来店アンケートを分析することで、実商圏の範囲を把握することが可能です。
想定商圏
店舗への集客が可能であると見込まれる地域を指します。人口や世帯数、交通網、地理的状況から分析します。新規店舗など、既存顧客の情報がない場合にも商圏を設定することが可能です。
ここで注意したいのが、「商圏バリア」です。商圏バリアとは、来店・集客を妨げる障害物を指し、例えば山や河川、幹線道路などが挙げられます。この商圏バリアの存在により、商圏は円ではなく歪んだ形になるのが一般的です。
商圏は機械的に導き出せるものではありません。生きている「人」の動きを意識することで、より適した商圏を設定することができるでしょう。
地域設定を行う際の注意点
地域設定は特に地域性の高いビジネスにおいては必須の機能ともいえますが、使い方を誤ると却ってコンバージョンの損失を招き、費用対効果を悪化させてしまうことにもなりかねません。
地域設定を行う際に注意したいポイントについて解説します。
地域設定は100%正確ではない
地域設定ができるからといって、ターゲットエリアに対して100%正確に配信ができているとは限りません。
GoogleやYahoo!では、ユーザーのデバイス情報や行動などから地域を把握しています。しかし、あくまで情報を分析したうえでの「推定」に過ぎないのです。
そのため、ターゲットエリア外に広告が配信される、エリア内であるにも関わらず広告が掲載されないといった事態も起こりえます。
配信エリアの絞り過ぎは逆効果
地域設定を初めて行う場合は、配信エリアは広めにしておきましょう。最初から配信エリアを絞り過ぎると、広告の配信量が少なくなり、かえってユーザーの目に入る頻度が減ってしまいます。
また、「この地域では売れないだろう」という主観的推測のもと、エリア除外をしてしまうと、せっかくのコンバージョン機会を失ってしまうことにもなりかねません。
まずは緩やかな配信エリア設定を行い、効果測定を行いながらエリアを絞るという戦略がおすすめです。
指定できない地域がある
基本的に地域設定の範囲は都道府県・市に限られ、それ以上狭い地域は指定できません。あまりに狭い地域やユーザー数が少ない地域に絞りこむと、ユーザーのプライバシーを侵害する恐れがあるためです。
上記の理由から、市単位であってもターゲットエリアに指定できないことがあります。
Google広告では範囲での設定が可能であるため、指定できない地域に限定して配信を行いたい場合は活用すると良いでしょう。
まとめ
リスティング広告で配信エリアを絞る際のポイントについて解説しました。地域設定を行う際に最も重要なのは、自社・自店舗の「商圏」を把握することです。取り扱っている商材やターゲット層、地理的状況などを多面的に分析し、適切な商圏を設定しましょう。
しかし、人の購買行動は予測がつかない部分もあります。最初から配信地域を絞り過ぎていると、潜在顧客を取りこぼしてしまうことにもなりかねません。まずは配信地域を広めに設定し、実際に来店した顧客の情報分析や広告配信の成果測定を行いながら調整を行っていくと良いでしょう。
もし、自社で商圏分析や地域設定が難しいと感じている方は、ぜひアクセルパートナーズにご相談ください。地域設定を含めたターゲット・ニーズの洗い出しや配信施策の策定を一括で対応いたします。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
運用型広告の知見と経営者として自社の採用に携わっている経験を元に様々な業種の採用改善に携わる。