【ホワイト企業認定】概要や要件・申請方法やメリットを解説
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今回は、ホワイト企業認定について徹底解説します。
皆さんはホワイト企業にも認定制度があるのをご存じでしょうか?
実はこの認定制度を専門的に運営する組織があります。今回はその制度の概要や基準、要件、メリット、費用、認定までの流れなどについて解説していきます。
目次
ホワイト企業認定とは?国内唯一の民間認定制度
ホワイト企業認定とは、企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の民間認定制度のことです。
大学生の就職活動や社会人の転職活動などでも、「あの会社はホワイトだから」とか「あの会社はブラックそうだから・・・」などというような会話が交わされていますよね。
現代の企業にとって、自社が財務的にだけでなく、社風や労働環境などの面においても健全であると世間から評価されることは重要なことです。企業がホワイト企業として認知されることは、優秀な人材を獲得したり、ビジネスを展開したりする上で有利に働くのではないでしょうか。
「ホワイト企業認定制度」とは、企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の民間認定制度で、「一般財団法人 日本次世代企業普及機構」(以下機構と言います)という組織が主催、運営を行っています。
具体的には、以下の要素を併せ持つ企業を「ホワイト企業」として認定しています。
①長期にわたって健全な経営を続けられる優れたビジネスを行う企業
②従業員が安心して働き続けられるために優れた社内統治を行う企業
③時代のニーズに合わせた従業員の働きがい(エンゲージメント)を高く保つ企業
なお同財団によると、累計認定企業数は335社(2023年1月現在)となっています。
ホワイト企業認定制度の背景
企業における長時間労働や職場の人間関係による従業員のメンタルヘルスの問題、過労死の問題などが社会問題化するにつれ、求職活動をする人々の側でも企業が「ブラック」であるか「ホワイト」であるかに注目し、ホワイト企業を優先して選択するようになっています。
しかし「ブラック」か「ホワイト」かというところの判断には、客観的な基準が必要であることは言うまでもありません。ホワイト企業認定制度には客観的に評価可能な7つの指標が盛り込まれており、労働者にとって働きやすい職場であると評価しやすい制度となっています。
また、ホワイト企業認定制度には審査制度があり、企業の将来に向けたビジョンや計画の明確さがチェックされるようになっています。その点でも労働者がその企業の価値観や目指すものを評価でき、自分の考え方や価値観に合っているかを確認できるようになっています。
以上のように、ホワイト企業認定を受けている企業は、認定によって求職者へのアピール材料を確保できるほか、その企業で働く従業員に対しても誇りやモチベーションを喚起することができ、結果として優秀な人材の獲得や定着に効果を発揮します。
ホワイト企業の認定を受けるためには?7つの指標設定
この制度では、ホワイト企業として認定されるための要件として7つの指標を設定しています。これによりホワイト企業としての妥当性を評価します。
【7つの指標】
|
指標 |
内容 |
1 |
ビジネスモデル/生産性 |
・自社のビジネスが、高い安全性・安定性を有し長期永続が可能 ・生産性向上施策を積極的に行いビジネスをさらに推進させている |
2 |
ダイバーシティ&インクルージョン |
全ての従業員がそれぞれの特色・個性・経験等を活かし、活躍できる会社を目指して多様な人材の活躍支援を行っている |
3 |
ワーク・ライフバランス |
すべての従業員のワーク・ライフバランスの実現に向けて従業場所や時間、ライフステージにとらわれないような柔軟な勤務形態を導入し、キャリア実現を支援する |
4 |
健康経営 |
従業員の健康を重要な経営資源と捉えて、個人の健康増進を企業の業績向上に繋げるための施策を取り入れる |
5 |
人材育成/働きがい |
働く従業員と企業の関係を対等と捉え、お互いが同じ方向に向かって成長するための取組を行い組織力を強化する |
6 |
リスクマネジメント |
経営を行っていく上で障壁となるリスク及び、リスクが及ぼす影響について事前に対策し、危機発生の回避をするとともに、危機発生時の損失を極小化するための取組み」を行う |
7 |
労働法遵守 |
従業員が安心して安全に働くことができ企業活動を円滑に行うために、労働に関する法律の内容を正しく理解し遵守している |
5段階の認定ランクと審査
ホワイト企業認定制度においては、5段階の認定ランク(※)が設けられています。
各認定ランク毎に認定の基準が設けられており、各認定ランクの基準を満たしているかどうかを審査します。
具体的には、7つの指標に基づく70問の設問に解答することで審査を受けるという形を取ります(Web画面上の審査です)。
解答の採点の結果、各認定ランクの基準を満たした場合仮認定が得られ、その後書類審査を受けることになります。
認定ランク
認定ランクには上位から「PLATINUM」「GOLD」「SILVER」「BRONZE」「REGULAR」の5種類があります。すべての企業を公平に審査するため、企業区分(従業員数により大規模、中規模、小規模の3区分に分類)よる緩和条件を設けています。
ホワイト企業認定の更新
ホワイト企業認定は、1年更新となります。
更新時は、再度ホワイト企業認定審査を受けることになります(1年間の取組内容を評価するため)。
認定期間の2か月前に機構から更新案内のメールが届きます。
ホワイト企業の認定を受ける6つのメリット
ホワイト企業認定を取得することによって、以下の6つのメリットが期待できます。
①採用活動の成果向上
求職者にとって求職活動の対象とする企業が「ブラック」か「ホワイト」かということは今や重要な問題です。特に就業環境や働きやすさなどは、求職者が志望を決断する上での重要なポイントになります。
ホワイト認定を受けた企業は、その点一定の評価を受けている証拠となりますので、求職者に対する強いアピールとなり、採用活動の成果に繋げることが期待できます。
②従業員定着率の向上
ホワイト企業認定制度は、その認定のための7つの要素に基づく審査を経て認定を与える制度ですので、当然ながら7つの要素が求める基準を企業が満たさないと認定を取得することができません。
認定取得のために企業が努力すれば、結果として企業の就労環境なども整備されていきますので、従業員にとっても働きやすい職場になることは間違いありません。それにより従業員の定着率が向上することが期待できます。
③自社の課題の明確化
ホワイト企業認定の審査を受けることで、企業としての取り組み方が不十分な分野などが明らかになるとともに、今後改善すべきポイントが明確になります。
これらを改善することで従業員がより働きやすい職場とすることができます。
④生産性の向上
ホワイト企業認定により企業の就労環境が向上すれば、従業員が働きやすさを感じ、仕事への取り組み方も改善すると思います。それにより企業の生産性の向上も期待できるでしょう。
⑤顧客満足度の向上
ホワイト企業の認定を受けることで、企業の取引先にも安心感を与えられたり、信頼を勝ち取ることで顧客満足度の向上に繋げられることが期待できます。
⑥企業イメージの向上
ホワイト企業の認定を受けると事業運営の様々な場面で使える認定マークが付与されます。ホームページや従業員の名刺などに使用することで企業イメージの向上が図れます。
ホワイト企業認定を受けるには?費用と流れ
ホワイト企業認定にかかる費用
ホワイト企業認定に係る審査は無料です。
取得後に初回費用(月額15,000円)、及び1年後の更新時に更新料(月額15,000円)がかかります。
ホワイト企業認定の手続きの流れ
次にホワイト企業認定までの手続きの流れを見ていきましょう。
①Web審査の受験
機構のホームページ内にある「ホワイト企業認定審査」の画面から審査を受けます。
②Web審査の結果の還元
結果が点数で還元されます。これにより自社の現状の強みや弱みなどがわかります。
③仮認定/書類審査
Web審査の段階で認定基準を満たしていた場合は仮認定となり、その後書類審査を受けることになります。
書類審査として、以下の書類の提出が必要となります。
・財務状況証明書
・労働法遵守証明書
・ホワイト企業認定に係る承諾書 など
④認定
認定により以下のものが贈呈されます。
・ホワイト企業認定マーク
・ホワイト企業認定証
まとめ
「ホワイト企業認定制度」について解説してきました。
企業にとって、自社の財産となる優秀な人材を確保したり、従業員として定着化させたりすることは、自社の成長のために欠かすことのできないものです。
各企業でもそのための対策として、働き方改革などの各種就労対策を実施されてきていることとは思いますが、そういった中で現時点の自社の状況を点検する意味でもこの制度を活用して、自社の現時点での強みや弱みを客観的に評価するということは重要なことではないでしょうか。
それによって自社の改善すべきポイントの改善を図り、その成果を認定という形で社外にアピールし、優秀な人材の確保や、取引先等との信頼関係をアップするということに繋げられれば自社にとって非常にメリットのあることだと思います。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。