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【半導体編】 総額4,376億円!環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援について徹底解説!

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令和5年11月29日に令和5年補正予算が成立し、政府が掲げる「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を実行するための5つの柱に予算が計上されました。総額17兆円の中、経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援には、総額9,147億円が割り当てられ、そのうち半導体関連には4,376億円もの支援が予定されています! 

本記事では経産省における支援の内容やスキームについて解説していきます。 

 

「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を実行するための5つの柱とは? 

「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を実行するための5つの柱とは、以下の5本が定められ、また予算が割り当てられています。 

(単位:億円) 

1.物価高から国民生活を守る 

27,363 

2.地方・中堅・中小企業含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する 

13,303 

3.成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する 

34,375 

4.人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する 

13,403 

5.国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する 

42,827 

このうち、「3.成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する」の中に経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業が含まれています。 

 

「成長力の強化・高度化に資する国内投資」とは何か?  

経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業」について解説していく前に、成長力の強化・高度化に資する国内投資の内訳を見ていきましょう。 

「成長力の強化・高度化に資する国内投資」は以下の目的のもと促進されていきます。 

 

(1)生産性向上・供給力強化を通じて潜在成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大 

(2)「くらし」や「産業」における GX の加速 

(3)イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援 

 

このうち、「(1)生産性向上・供給力強化を通じて潜在成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大」の中で、「経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援」が予定されています。 

 

「経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援」とは何か? 

経済産業省関係令和5年度補正予算の概要によると、 

厳しさを増す地政学的環境変化及び破壊的な技術革新に対応するため、以下の重要な物資に関し、それぞれの特性に応じた、生産基盤の整備、供給源の多様化、生産技術の導入・発・改良、代替物資の開発等の安定供給確保を図るための取組に対し必要な支援を行う。 

とされ、重要な物資として次の者が定められ、また予算が割り当てられています。 

(単位:億円) 

半導体 

3,940(うち、GX:2,540) 

半導体製造装置・部素材 

436(うち、GX:266) 

先端電子部品 

212 

クラウド 

1,166 

蓄電池  

2,658(GX) 

工作機械・産業用ロボット 

78 

航空機の部品 

327 

可燃性天然ガス 

330 

なお、上記概要の資料にて以下の補足がされています。 

※R5 年度補正における半導体関係予算全体:1 兆 9,867 億円(既存基金残金含む) 

①ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等の内数 6,461 億円 

②先端半導体の国内生産拠点の確保 7,652 億円(既存基金残金含む) 

③経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援の内数 5,754 億円 

 (半導体3,940億円、半導体製造装置・部素材436億円、先端電子部品212億円、クラウド1,166億円) 

 

 

「経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援事業(半導体)」の内容は? 

令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)によると、事業目的は 

供給途絶が国民の生存や国民生活・経済活動に甚大な影響を及ぼす重要な物資に関し、安定供給に資する事業環境の整備に向けて、民間事業者等に対する支援を通じて安定供給確保を図ることとされています。 

事業概要は、 

半導体の国内における安定供給を確保し、そのサプライチェーンの強靭化を図るべく、従来型半導体に加えて、半導体のサプライチェーンを構成する製造装置・部素材・原料の製造能力の強化等を行う取組に対し、必要な支援を実施することとされています。 

これらの目標・事業のもと、 

半導体の国内における安定供給を確保し、半導体のサプライチェーンの強靱化を図る」こと、「2030年に、国内で半導体を生産する企業の合計売上高(半導体関連)として、15兆円超を実現する」ことが成果目標として挙げられています。

※成果指標の達成に向けては、本事業以外の施策の実施を含む。 

 

支援のスキームは? 

令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)によると、 

国からNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、NEDOから民間団体への補助となり、国からの直接の補助とならないところがポイントです。

補助率や補助額上限は執筆時点では定められていません。 

事業再構築補助金【サプライチェーン強靭化枠】(第10回)との違い 

公募要領によると、事業目的は 

サプライチェーン強靱化枠では、海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備(国内回帰)する事業者を支援します。この取組を通じて、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化を促進することが目的とされていました。 

対して、「経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援事業(半導体)」の目的は、「重要物資の安定供給」であり、経済安全保障推進法をもとにした国家の安全保障の確保を図ることであり、両者の目的は明確に違うことが分かります。 

ウクライナ-ロシアにおける戦争によるLNGの調達難や、米国-中国における半導体輸出制限など、重要物資の安定確保は非常に重要な課題となります。 

 

どのような支援が期待できるか 

本記事の執筆時点(2023年12月25日)では、具体的な支援の内容は記載されておりません。

しかし、GXに関する枠が半導体の枠に対して6割程度あることから、GXに関しての期待が高いことが読み取れます。日本国内における半導体企業の進出として、熊本県菊陽町(台湾TSMC社)および北海道千歳市(Rapidus社)が挙げられます。

例えば各地域における納入先及び関連企業が支援を受けられるGXに関する製品を販売・導入する、などが考えられるのではないでしょうか。 

 

まとめ 

今回は、環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援【半導体編】について解説いたしました。

まだどのような施策になるかわからないところが多いのですが、予算額が大きく大胆な支援となることが期待できます。

重要物資の安定確保という安全保障上の課題解決という目的を理解しながら準備をしておくと、事業の内容が公開された際に良いスタートを切ることが出来ると思いますので、この記事がその準備の一助になれると幸いです。 

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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