【ものづくり補助金】大きな補助額を活用したECサイト構築の解説
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販売力強化や加速するデジタル化の動きに対応するため、ECサイトの構築が増えてきています。しかし資金面におけるハードルが高く踏み出せない事業者様も多いのではないでしょうか。
そこで活用したいものが経済産業省による補助金です。ECサイト構築などデジタル関連の補助金はIT導入補助金が最も有名かと思いますが、本記事では「ものづくり補助金」について、メリットや対象となる費用、要件について解説します。
目次
中小企業のデジタル化推進の背景
日本商工会議所が2021年に発表した記事より、政府は新型コロナウイルス感染症の拡大からデジタル活用の重要性を認識しています。その中の課題として、中小企業のデジタル化を後押しし、スムーズに環境変化に対応できるよう様々な政策が取り組まれています。
ECサイトにおける支援に関しては、新たに海外輸出を開始する中小企業をサポートする『新規輸出1万者支援プログラム』が開始されました。
このプログラムはジェトロの専用ポータルサイトに登録し、専門家が個別にカウンセリングを行って支援内容を決定します。
詳しくはこちらの資料をご覧下さい。新規輸出1万者プログラム
しかし
・海外向けや輸出はまだ考えていない
・資金面の補助だけで十分
といった方はこのプログラムはうまく活用できないかと思います。
そこでオススメしたいのが補助金です。
ECサイト構築に申請できる補助金とは?
ECサイト構築の際に申請できる補助金は主に以下となります。
・IT導入補助金
・ものづくり補助金
・事業再構築補助金
・小規模事業者持続化支援金
など、この中でECサイト構築の際に推奨されている『IT導入補助金』と本記事でご紹介する『ものづくり補助金』を簡単に比較します。
出典:経済産業省「ものづくり補助金・IT導入補助金説明資料」
要件等細かな違いはありますが一番の違いは補助額です。ものづくり補助金は補助額の上限が高く、より大きな事業に向いていると言えます。
同事業においてものづくり補助金とIT導入補助金の併用はできないため投資内容や金額に応じて最適な補助金の選択が必要となります。
IT導入補助金の内容に関しては以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。
本記事ではものづくり補助金について解説します
ものづくり補助金の概要
経済産業省管轄のものづくり補助金は以下のように目的が定められています。
このように生産性向上を図る中小企業を支援する目的でものづくり補助金は取り組まれています。その補助対象は幅広く、生産性向上に向けた設備投資であれば事業目的などに制限はありません。比較的活用しやすい補助金となっています。
ものづくり補助金の補助対象
ものづくり補助金において補助対象となる経費にはどのようなものがあるのか、ECサイト制作の際に関連するものをご説明します。
ものづくり補助金の対象経費は区分されています。ECサイトの構築手段は事業者様によって様々ですのでどの費用が対象になるのかご確認ください。
機械装置・システム構築費
事業を行う際の設備等の購入費用です。ECサイトの場合はシステム構築にかかる費用が該当します。
※単価50万円以上のものが対象となる点にご注意ください。
専門家経費
本事業実施のために依頼した専門家に支払われる経費です。
技術指導や助言が必要な場合に専門家にコンサルティングを依頼した場合、その経費は補助対象となります。
クラウドサービス利用料
クラウドサービスの利用に関する経費です。
ECサイトのプラットフォームについてクラウドで提供するサービスを利用する場合、その費用はこの区分にあたります。
補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費が対象です。
ただし、自社の他事業と共有する場合は補助対象とならない点に注意してください。
外注費
新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費です。
ECサイト構築を外部企業に委託する場合、この区分に該当し補助対象となります。
その他の区分
今回は取り上げませんでしたが、上記以外にものづくり補助金の補助対象は以下の区分がなされています。
・技術導入費:知的財産等の導入に要する経費
・運搬費:運搬・宅配・郵送料
・原材料費:試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
・知的財産権等関連経費:特許権等の知的財産の取得の際に弁理士を雇う費用など
ものづくり補助金の補助額
ものづくり補助金には一般的な通常枠と追加要件を満たした事業のみ申請できる枠があります。
ECサイト構築の場合は通常枠に加えてデジタル枠での申請が可能になる場合が多くありますのでこの二つについてご説明します。
通常枠
概要:革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援
補助金額:従業員数 5人以下 :100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円
補助率:1/2(小規模事業者・小規模企業者は2/3)
デジタル枠
概要:DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開 発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による 生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援
補助金額:通常枠と同じ
補助率:2/3
◎追加要件
以下の全ての要件に該当するものであること。
(1)次の①又は②に該当する事業であること。
- DXに資する革新的な製品・サービスの開発 (例:AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プ ロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発
- デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
(3)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。
SECURITY ACTIONについては情報処理推進機構(IPA)のHPをご覧ください。
デジタル枠は補助金額の上限は通常枠と同じですが、補助率が一律2/3と高くなっています。
ものづくり補助金の採択事例
当社がECサイト構築事業においてものづくり補助金で採択された事例を簡単にご紹介します。
申請枠 |
業種 |
ECサイトの構築金額 |
新特別枠 |
飲食業 |
約250万円 |
デジタル枠 |
飲食小売業 |
約330万円 |
デジタル枠 |
サービス業 |
約2,000万円 |
※新特別枠は第10回以降廃止
デジタル枠の申請は追加要件がありますがそこまでハードルの高いものではないかと思います。当社の支援事業者様もデジタル枠での申請が多くありました。ECサイト構築にものづくり補助金を活用する際はデジタル枠での申請ができるかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
販売力強化とデジタル化に対応するためにECサイトの導入が進んでいます。
政府からの補助金による支援も多くあり、ハードルは下がりつつあります。
補助金にも種類があり、事業内容に応じて活用するものを選択していくとよいかと思います。
当社、アクセルパートナーズは、ものづくり補助金について100社以上の支援、採択された実績がございます。応募申請だけでなく、その先の交付申請、実績報告といった手続きのサポートまで、サービスメニューをご用意しております。
これまで多数、ご支援させていただいたノウハウをもとに、お客様の状況に合わせたサポートを提供いたします。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。