過去にIT導入補助金が採択されたらもう交付申請はできない?
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IT導入補助金は、今年度から始まったものではなく、過去にも同様にIT導入補助金が支給されてきました。
そのため、過去にIT導入補助金を受け取っている会社もあるのです。
しかし、同様に条件が整った場合に、再度IT導入補助金を申請したいというケースもあるでしょう。
過去に採択された場合、また交付申請をすることができるのかどうかについて解説してまいります。
目次
IT導入補助金とは?IT導入補助金はいつから始まったのか
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などが新たに導入したITツール(ソフトウェアやサービスなど)を活用することで業務改善やテレワーク導入の推進を検討し、生産性アップに貢献できることを目的として国から補助金を給付してもらえるという制度です。
IT導入補助金は、2017年から開始された中小企業における新規でのITツールの導入を促進する制度として誕生しています。
そのため、2017年から昨年度までにソフトウェアなどを導入することで条件に当てはまり、申請をされている企業もたくさんあるのです。
経済産業省による監督下において、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」と呼ばれる団体が主にこのIT導入補助金の事務局を担当しています。
IT導入補助金の特徴としては、中小企業や小規模事業者等が補助金を自社で申請実施することはなく、ITツールを販売している企業でもあるIT導入支援事業者(ベンダー)が表立って申請をしていくのです。
IT導入支援事業者は、事業者に対して適切なITツールの提案の実施や導入、アフターサポートまでを行い、補助金の交付や国へ報告しなければならない事業実績報告をまとめて申請する役割を果たしています。
そのため、IT導入支援事業者は、IT導入補助金の目的を理解していることが重要です。
補助金の支給対象となるもの
IT導入補助金にはソフトウェアなどのITツールが対象となります。
具体的に補助金の対象となるのは以下のものです。
1.ソフトウェア購入(単体の物、連結型の物含む)
2.クラウドサービスの利用
3.オプションの購入(セキュリティ、拡張機能、データ連携ツール)
4.ハードウェア購入(補助対象となるソフトウェアの導入とあわせて購入する場合のみ対象)
IT導入補助金2023は、生産性アップかつインボイス制度の対応を見据えたソフトウェア導入支援事業であることから、ハードウェアに関しては単体での購入は補助対象外となるので注意が必要です。
IT導入補助金を過去に採択された場合再度申請できるのか
では、本題に入りますが、IT導入補助金を過去に交付を受けている企業や団体は、改めて申請することはできないのでしょうか。
その答えは「できます」。
ただし、申請したすべての企業や団体が再申請して交付を受けられるわけではありません。
条件が生じます。
では、その条件とはどのような条件があるのでしょうか。
・過去に受けた枠ではないIT導入補助金の枠を利用する
IT導入補助金には、おおまかに分けて3つの種類の枠が用意されています。
それは、以下の3つの枠です。
1.通常枠(A類型・B類型)
2.デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)
3.セキュリティ対策推進枠
たとえば、過去に通常枠A類型で申請し、交付を受けたのであれば、再度通常枠で申請することはできません。
しかし、デジタル化基盤導入類型であれば申請することができます。
これは、年度が同じであっても申請することができます。
前期で通常枠で申請していれば、後期でセキュリティ対策推進枠を申請することができるのです。
・交付決定されてから12ヶ月以上空いている場合は同枠も可
補足として、IT導入補助金2023では過去に交付決定された枠であっても、交付決定された日から12ヶ月以上空いていれば申請することができます。
・まったく別の事業者として申請
過去に交付を受けた事業者とはまったく別の事業者としてであれば申請することが可能です。
たとえば、会社を複数持っている場合、たとえば複数持っているうちの一つの株式会社で申請もしくは交付を受けた場合でも、同じ代表取締役が経営する株式会社として申請するのであれば、別の事業者となるので問題なく交付を受けることができます。
過去のIT導入補助金の申請で不採択になった場合は申請できるのか
IT導入補助金は、申請すれば採択された交付を受けられるわけではないので、もちろん不採択となった企業や団体もいくつもあります。
一度不採択となっても、また条件が整った場合は申請することができるのかについてですが、これも可能です。
実は、ここ2年ほどは採択率が上がっているのですが、2020年以前のIT導入補助金に関しては採択率が低かったこともあり、不採択となった企業もかなりの数で存在しています。
また、従来のIT導入補助金の申請は、申請が複雑だったこともあり、面倒に思われている方もいらっしゃるかもしれませんし、不採択を受けてしまうと、また同じような結果になるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、近年は申請も非常に簡単になってきていますし、やり方が不安な方でも、申請に関してはIT導入支援事業者がサポートしてくださるので心配することはありません。
また、IT導入補助金において交付申請を取り下げた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こういったケースでも、改めて再度2回目に申請することはできます
ただし、交付申請の取り下げをしたいという場合は、手続きが終わるまでは2回目の申請を実施することができないので注意しましょう。
2回目申請する際に気を付けておきたいポイント
IT導入補助金の交付を一度受けた方が2回目以降に申請する際に気を付けておきたいポイントがいくつかあります。
・通常枠の目標値が高値になる
過去にIT導入補助金の交付を受けた場合、労働生産性の伸び率の向上に関する目標値がこれまでよりも高くなってしまう可能性があります。
・デジタル化基盤導入枠の場合は審査で減点措置
過去にデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)で交付を受け、別枠で2回目申請するケース、もしくは過去に交付を受け、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)で申請する場合は審査において減点措置が施されます。
・募集要項が変更になっている
IT導入補助金は、2017年度から始められているものですが、その募集要項、内容は毎年異なっています。
そのため、ご自身が申請したい年度の募集要項をしっかりとチェックしておく必要があります。
たとえば、ハードウェアのレンタルについては、2021年度のIT導入補助金では補助の対象となっていたのですが、2022年度からはレンタルについて補助金の対象外となっていますので、交付を受けることはできません。
条件をよくチェックしてから申請をすることが重要です。
まとめ
いかがでしたか。
過去にIT導入補助金の採択を受けられたことがある場合、もしくは一度取り下げてしまった経験がある場合でも、2回目以降に申請や交付を受けることは可能です。
ただし、その際には条件や注意点がいくつかありますので、今回ご紹介した内容をしっかりとご理解いただいたうえで、2回目以降の申請を検討、実施されていくと良いでしょう。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。