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IT導入補助金2023年後期の変更点は?

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IT導入補助金は、中小企業がITの導入により業務効率化や生産性向上を図るためにかかるコストを補助する制度です。

これまでも複数回公募が行われてきましたが、2023年も引き続き公募が実施されています。

また、今回の公募要領では制度の拡充もなされていますので、これまで見送ってきた企業も改めて申請を検討しても良いのではないでしょうか。

ここでは、2023年のIT導入補助金制度の変更点について解説していきます。

 

IT導入補助金2023のおさらい

IT導入補助金は、経済産業省が中心となり、中小企業や個人事業主のITツール導入を促進する目的で設置したものです。

業務効率化や生産性向上を具現化するためにはITツールは欠かせないものですが、どうしても投資が必要となるため、大手企業でなければ二の足を踏むことも事実です。

そこで、比較的事業規模の小さい事業主に対し、一定の条件を設けてITツールの導入コストを補助し、費用負担を軽減する施策が設けられました。

これにより、国内で新たなビジネスモデルを創出し、経済を活性化させることが狙いとなります。

ただし、対象経費は事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するものに限られるため、登録IT導入支援事業者への相談が必須です。
また、2023年8月1日以降に申請して採択が決定した事業者は、後期事務局が担当となりますので、そこは留意しましょう。

 

2023年のIT導入補助金の変更点

IT導入補助金制度に限りませんが、こうした補助金制度は公募時期によって内容が都度変化することが多々あります。

IT導入補助金2023においては4つの変更点がありますので、これから申請を検討する場合はしっかり内容を理解しておきましょう。
それぞれ変更点の詳細についてまとめます。

 

・セキュリティ対策推進枠の設置

補助率 サービス利用料の1/2以内
補助額 5万円~100万円
セキュリティ対策推進枠というのは、中小企業や個人事業主などの小規模事業者がサイバー攻撃などを含むセキュリティリスクに対し、対策を採るための費用を補助するのが目的です。

事務局では、「高まるサイバー攻撃事案の潜在リスクを踏まえ、サイバーインシデントが引き起こすさまざまなリスク低減を支援する」としています。

事実、サイバー攻撃が原因で事業の継続が困難になる事態もあり得ますので、その回避とともに供給制約や価格高騰などを引き起こしたり、生産性の向上を阻害したりするリスクも低減することは重要課題です。

こちらは、補助対象を条件 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に特化しており、リストに掲載されるサービスの利用料を補助する条件になっています。

 

・サイバーセキュリティお助け隊サービスとは?

サイバーセキュリティお助け隊サービスとは、中小企業のサイバーセキュリティ対策に不可欠な各種サービスをワンパッケージで提供するサービスです。

具体的には「見守り(以上の監視)」「駆付け(リモート支援あり)」「保険」の3柱から構成され、問題が起こる前に手を打つ内容となっています。

これまでIT導入補助金の申請にあたっては、通常枠とデジタル化基盤導入枠において、オプションとしてこのサービスをメインのITツールと組み合わせて申請することが可能となっていました。

今回新たに設置されたセキュリティ対策推進枠では、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」をメインとして単品での申請が可能になった点が変更点となります。

サイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されているサービスのうち、利用料最大2年分が補助の対象です。

 

・通常枠(A類型)下限の引き下げ

通常枠(A類型)の補助下限が30万円から5万円に引き下げられたことが変更点です。
通常枠は補助率が1/2ですので、購入額の最低金額も60万円以上だったところが10万円以上に引き下げられることになります。

つまり、投資額が以前よりも低くても補助対象になるということですので、より申請しやすくなったと言えるでしょう。
以前に比べて投資額が少なくても対象になる可能性が広がったと言えます。

 

・通常枠のクラウド利用料補助の延長

これまで、通常枠ではクラウド利用料について最大1年分の補助となっていました。

こちらが最大2年分の補助に延長されたことが変更点です。
もちろん長期にわたって運用コストの補助を受けられたほうが有利ですので、こちらも有利な変更となります。

 

・デジタル化基盤導入枠の補助枠の下限撤廃

これまで、デジタル化基盤導入類型には補助下限がありましたが、こちらが撤廃されたことが変更点です。

補助率は3/4で、これまでは補助下限が5万円、最低でも約7万円弱のITツールの購入が必要不可欠となっていました。

2023年からは最低購入額が実質的になくなったことになり、これまで申請できなかった数万円のサービスやシステムでも補助対象となったことは大きな変化です。

過去に大きな投資はできないと見送っていた案件があるとすれば、今回は申請も含め積極的に導入を検討するのがおすすめです。

 

IT導入補助金の補助対象にならない経費とは?

2022年よりずっと申請しやすくなったIT導入補助金制度ですが、もちろん条件はあり、IT導入補助金の補助の対象にはならない経費も存在します。

補助金をあてに先行投資で目論見が外れたりすることのないよう、あらかじめ対象にならない経費はしっかり把握しておいてください。

特に該当する経費を含んで申請しないよう、注意すべき例をまとめておきます。

 

・補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの

こちらは、IT導入補助金事務局が「売上原価に相当する」と判断したものはすべて対象外となります。

 

・ITツール利用料が交付申請時に金額が定められないもの

明確に金額が算定できないもののほか、対外的に無料で提供されているツールなども対象外となります。

 

・リースやレンタル契約のITツール

あくまで購入が対象となりますので、リースやレンタルに関しては対象外です。

ただし、こちらはIT導入補助金事務局の認めるサイバーセキュリティお助け隊サービスが提供するものは除きますので、そこは混同しないようにしましょう。

 

・中古品や交付決定前に購入したツール

新たに導入するITツールが対象となり、中古品はたとえ購入でも対象外となる点は注意が必要です。
また、交付決定前にすでに購入してしまったものも対象とはなりません。

 

・諸経費

たとえITツール導入に関係するものであっても、交通費や宿泊費、申請代行費や公租公課(消費税)などの経費は対象となりません。
申請時には細かく項目をチェックし、これからの経費は差し引くようにしてください。

このほかにも、補助金制度の目的や趣旨において、適切ではないとIT導入補助金事務局が判断するものは却下されます。

 

まとめ

IT導入補助金2023において、公募要項の変更点をまとめました。
全体的に前年度よりハードルが下がり、より利用しやすくなっている点は朗報と言えます。
IT導入補助金を利用する場合は、事前に登録されたITベンダーやサービス事業者の提供するITツールを選択する必要がある点は変わりません。
IT導入補助金2023の公式サイトを確認し、信頼できるIT導入支援事業者と相談しながら進めるとスムーズに行くでしょう。
なお、複数ベンダーのツールを導入する場合や比較検討したい場合は、特定のベンダーではなくIT導入支援事業者として登録されているITコンサル会社への相談がおすすめです。

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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