【事業再構築補助金】採択後の金額・計画は変更可能?変更申請を徹底解説!
-
公開日:
事業再構築補助金は、最大で1.5億円の返済不要の補助が受けられる一方、補助事業期間だけでも12か月以上の時間がかかり、補助金の支払いを受けられるタイミングまでにビジネス環境が変わっている場合があります。
計画していた事業と異なる場合は、補助金の支払いがされなかったり、後に返還を求められたりすることがあります。
しかし、一定の条件のもと変更申請を出して承認されれば通常通り補助金の支払いを受けることが出来ます!
本記事では当初計画時から変更があった際の申請について解説していきます。
目次
事業再構築補助金の要件は何か?
まずは、事業再構築補助金の要件から確認していきましょう。
事業再構築補助金では、以下の要件のすべてを満たす事業計画を策定する必要があります。
1.事業再構築指針に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。(補助金額3,000万円を超える場合は、金融機関による事業計画の確認を受けていること)
2.補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させること。又は従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させること。
3.申請枠ごとに別途設けられた補助対象要件
変更申請の観点からは、1.を「満たせなくなる」ことは考えにくいですが、2.や3.については事業環境が変化して要件を満たせなくなることは考えられます。
変更申請とは何か?
では、上記のように、事業環境が変化して予見を満たせなくなった場合にはどうなるでしょうか。事業再構築補助金公募要領では「補助事業者の義務(交付決定前後に順守すべき事項)」として、「交付決定を受けた後、本事業の経費の配分若しくは内容を変更しようとする場合又は本事業を中止、廃止若しくは他に承継させようとする場合には、事前に事務局の承認を得なければなりません。」と定められています。(本事業=事業再構築補助金事業)
なお、「交付決定を受けた後」とは補助金交付候補者の採択後、交付申請を経て補助事業を始めるタイミングのことを指します。
※事業再構築補助金HP 補助金交付候補者の採択後の流れ・資料より抜粋
このように
1.交付決定後に以下のことをする
a.経費の配分若しくは内容の変更する
b.中止、廃止若しくは他に承継させる
必要がある場合に、
2.事前に申請し、承認を得る
ことで補助を受けられるようになることが分かります。(必ず補助を受けられる、という意保証するものではありません)
ちなみに、公募要領中では、③卒業促進枠及び④大規模賃金引上促進枠において、「事業計画が変更となった場合(計画変更の承認を受けたものは除く。)又は実施困難(採択取消や交付決 定取消を含む。)となった場合は」、「採択取消又は交付決定取消となります。」と変更のルールとペナルティの例が示されています。
どのような場合に申請が必要なのか?
第10回公募 補助金交付候補者向け 補助事業の手引き(1.0版)では、変更の申請について以下のように示されています。少し長いので、あらかじめ簡潔にまとめると、以下のような内容になります。
1.計画変更等の前にあらかじめ事務局の承認を得ること(事後承認はNG)
a.補助額の配分を変更する場合
b.単価50万円以上の物品・役務の変更、除外をする場合
2.成果目標・事業の趣旨・目的等が変更される計画変更はNG
3.法人に関する情報が変更する場合もあらかじめ事務局の承認を得ること
a.法人、会社住所(本店所在地)、代表者、法人組織の変更等を変更する場合
b.認定経営革新等支援機関、金融機関、決算月の変更する場合
c.取得財産設置場所の変更する場合
4.補助事業の中止・承継を行う場合は、交付決定後に事前に承認申請を行うこと
上記を踏まえて、手引きから引用します。
(1) 補助事業実施期間中
ア 補助事業者情報の変更
補助事業実施期間中に、法人、会社住所(本店所在地)、代表者、法人組織の変更等が発生した場合は、直ちに事務局に届け出なければなりません。(事務局は、常に最新の補助事業者情報を承知している必要があります。)
イ 計画変更等
交付決定を受けた後、本事業の補助対象経費の区分ごとに配分された額若しくは補助事業により取得するとしていた補助対象物品、提供を受けようとした役務等(ただし、単価50万円(税抜き)以上のものに限る。)を変更しようとする場合又は本事業を中止、廃止若しくは他に承継させようとする場合には、事前に事務局の承認を得なければなりません。承認が得られていない経費については、補助事業終了後の確定検査において補助対象経費の対象外となります。なお、本事業では、応募申請時の事業計画内容の審査を経て補助金交付候補者の採択を決定するものであり、成果目標、事業の主旨・目的等が変更される計画変更は認められません。(例:特段の理由なく、建物の建設場所を変更することで商圏が変更になる場合など。)
フェーズ2~交付決定から実績報告書提出まで~
(12)計画の変更等(交付規程第12条)
ア 計画変更承認の申請
補助事業実施の必要上、やむを得ず、交付規程第12条に記載の内容(本事業の補助対象経費の区分ごとに配分された額若しくは補助事業により取得するとしていた補助対象物品、提供を受けようとした役務等(ただし、単価50万円(税抜き)以上のものに限る。)の変更・補助事業実施場所・図面の変更等)に変更が生じる場合等には、あらかじめ「補助事業計画変更(等)承認申請書」<様式第3-1>を事務局に提出し、計画変更の承認を得なければなりません。(事後承認はできません。事後申請の場合は、補助対象外となります。)
また、補助事業で取得するとしていた単価50万円(税抜き)以上の補助対象物品又は役務等の変更において、減額となり補助対象から外れる場合も計画変更の申請が必要となります。補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更(流用)する場合は、各配分額の10%以内の流用増減は、申請不要ですが、実績報告時には、その履歴を提示してください。
イ 中止(廃止)の承認の申請
やむを得ない事情等により、補助事業を中止又は廃止する場合には、「補助事業中止(廃止)承認申請書」<様式第 3-2>に必要事項を入力の上、Jグランツで申請して、補助事業の中止(廃止)の承認を得なければなりません。(事後承認はできません。)
(-中略-)廃止申請は、承認と同時に、補助金交付決定が取り消されるため、原則、再度本事業への応募はできなくなります。廃止の承認を得ていた場合でも、実績報告書の提出を求める場合があります。また、概算払で補助金を受け取っている場合は、補助金の返還を求めます。
ウ 補助事業の承継の申請
(前略)補助事業実施の必要上、やむを得ず補助事業の実施を他の企業等に承継する場合には、承継する事業者が「補助事業承継承認申請書<様式第3-3>」に併せて「誓約書」<様式第3-3別紙>等を事務局に提出し、あらかじめ事業承継の承認を得なければなりません(事後承認はできません。)。審査に時間を要す場合がありますので、早めに申請してください。本補助事業を承継することができるのは交付決定以降です。交付決定前に事業承継の事実が確認された場合は、交付決定の通知を出すことはできません。
(16)補助事業者情報等(社名等)の変更(交付規程第29条)
補助事業者の補助事業者情報等(代表者、社名、本社所在地等)が変更となる場合、変更内容によっては、「社名等変更届出書」<参考様式3>等を事務局へ提出する必要があります。なお、補助事業実施場所が本社所在地と同一である補助事業者の本社所在地変更の場合は、「補助事業計画変更(等)承認申請書」<様式第3-1>の提出も必要となる場合があります。また、認定支援機関要件である認定経営革新等支援機関及び金融機関の変更、補助事業終了年度(基準年度)の変更、決算月の変更となる場合は、Jグランツより提出してください。
リース会社の本社所在地、社名、代表者等の変更が発生した場合には、リース会社よりJグランツの「社名等変更届」にて変更項目を申請していただく必要があります。
フェーズ4~補助事業完了後の事業計画期間~
(27)取得財産設置場所の変更
「補助事業者情報等(社名等)の変更」と同じ手続となります。
変更内容によっては、「取得財産等管理台帳」<様式第7>等を事務局へ再提出する必要があります。
情報が重複していたり、散らばっていていたりして読みにくいところがありますが、まとめると以下の内容になります。
1.あらかじめ「補助事業計画変更(等)承認申請書」を事務局に提出し、計画変更の承認を得ること(事後承認はNGで、補助対象外となる)
a.補助対象経費区分ごとに配分された額を変更する場合
b.単価50万円以上の補助対象物品・役務等に変更が生じる場合
c.単価50万円以上の補助対象物品・役務が補助対象から外れる場合
d.ただし、経費区分ごとの配分額を流用する場合は、各配分額の10%以内の流用増減は申請不要(実績報告時には履歴の提示が必要)
2.特段の理由なく成果目標・事業の趣旨・目的等が変更される計画変更は認められない。
3.法人、会社住所(本店所在地)、代表者、法人組織の変更等を変更する場合
a.認定経営革新等支援機関、金融機関、決算月の変更する場合
b.取得財産設置場所の変更する場合
4.補助事業の中止・承継を行う場合は、交付決定後に事前に承認申請を行う
とされています。
※補助事業計画変更(等)承認申請書<様式第3-1>等、様式集はこちらからダウンロードできます。
具体的にどのような状況で変更申請をするか?
ではここで、アクセルパートナーズの変更申請実績例を見てみましょう。
1.住所に誤字・脱字があった
→補助事業実施場所としては同一住所となるため、影響がない。
2.工場内にクリーンルームを新設する工事→工場内空きスペースをクリーンルームへ改装する工事
→事業計画そのものの変更ではなく、影響がない。
3.ショートステイ事業が規則に沿ったスペースの確保が困難でかつ消防設備の設置費用が増大する見込みのため、保育園事業に変更する
→行政機関とも相談しており実施体制に問題がなく、地域住民からの要望もあり貢献できる旨を説明。今後長期的にはショートステイに準ずる事業の検討をしている。
3はまさに計画変更という形です。様々な比較資料を作成し申請に当たっております。
まとめ
今回は、事業再構築補助金の変更申請について解説いたしました。変更申請は細かく、事業計画変更以外でも申請が求められ、煩雑な手続きが多いなと感じられたかと思います。まずは、精度の高い事業計画の策定が必要になってくること、交付決定後に変更が起きる場合はまずは事前に事務局への申請が必要で、細かな変更でも事務局への相談をした方が良いであろうことを認識していただけたら幸いです。
当社、アクセルパートナーズは、事業再構築補助金の第1回公募から事業者様の支援を行っております。
100社以上ご支援した沢山のノウハウをもとに、お客様の状況に合わせたサポートを提供いたします。
応募申請だけでなく、交付申請、実績報告といった先々のサポートまで、サービスメニューをご用意しております。
事業再構築補助金の申請をお考え、手続きでお悩みの事業者さまは、ぜひバナーをクリックのうえご相談ください!
補助金に関するお悩みは
アクセルパートナーズに
お任せください!
補助金の対象になるのか、事業計画から相談したい等
お客様のお悩みに沿ってご提案をさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。