中小企業の課題!M&Aによる成長戦略で解決を!
「愛知県の観光旅館が破産へ」の記事はこちら 新型コロナウイルスの影響による、初の経営破綻のようです。 ものごとは、はじめがあれば終わりが必ずやってきます。 中小企業においても、社長が一代で起業すれば、いつか必ず引退するときがきます。 1992年から2017年にかけて、経営の担い手(役員や自営業主)は、59歳以下は約45%減少し、60歳以上が約25%増加しています。 2017年においては、60歳以上が59歳以下を上回っています。 (出典)「2019年版中小企業白書より」 このように経営者の高齢化が進むなかで、後継者がいないことなどにより、休廃業・解散する中小企業も増えています。 直近の2018年では、休廃業・解散の件数が4万件をこえています。 (出典)「2019年版中小企業白書より」 このように経営者が高齢化し、後継者がいなくても、M&Aなどの手法をつかって経営資源(人や資産など)を引継ぎ、無事に引退している経営者が一定数います。 「M&Aって何?」「どんな効果があるの?」 興味がわきませんか? ぜひ中小企業の経営者のみなさんには、選択肢として知っておいていただきたいとおもいます。
1.M&Aとは何か
まず、言葉を確認します。 M&Aは英語で、「Mergers(合併)&Acquisitions(買収)」の略です。 M&Aとは、企業の合併買収のことで、2つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったり(買収)することです。 これらの手法をまとめたものが以下の図です。 (出典)「2018年版中小企業白書より」2.経営者が引退するときの選択肢
つぎに、経営者が引退するときに、どんな選択肢があるのか、見ていきたいとおもいます。 以下の図を参照してください。 (出典)「2019年版中小企業白書より」Ⅰ 事業を継続する
上の概念図のなかで、M&Aを決めるまでの、経営者が考える道すじを確認していきましょう。 1)経営者が引退することをきめます 2)事業を継続することをきめます ※「事業を継続」とは、経営資源(人や資産など)をつかって、経営者が引退しても、生産活動を停止せずにおこなうこと。 3)親族以外に事業を引継ぐことをきめます ※親族以外には、①社内の役員や従業員への引継ぎ、②社外への引継ぎ、の2種類がある。 4)②社外への引継ぎにきめます ※社外には、③社外から経営者を招く(外部招聘)、④M&A等、の2種類がある。 5)④M&AにきめますⅡ 事業を承継しない(経営資源は引継ぐ)
経営者が引退したあと、「事業は継続しない」、つまり「廃業」をすることになりますが、「経営資源(人や資産など)は引継ぐ」という場合もあります。 以下の図を参照してください。 1)経営者が引退することをきめます 2)事業を継続しないことをきめます 3)経営資源の引継ぎを実施します 「Ⅰ事業を継続する」と「Ⅱ事業を承継しない(経営資源は引継ぐ)」では、「経営資源を引継ぐ」ということが共通しています。3.経営資源を引継ぐことのメリット
M&Aなどで事業を継続する場合と、廃業して事業を継続しない場合と、どちらを選択しても、「経営資源を引継ぐ」ということがとても重要です。 そこで、次の3者のメリットを考えてみます。 ⅰ 【買い手側】他社から事業を引継ぐ ⅱ 【売り手側】他社へ事業を引継ぐ・事業を停止(廃業)する ⅲ 社会的立場ⅰ 【買い手側】メリット
・売上や市場シェアを拡大することができる ・事業エリアを拡大することができる ・人材を獲得することができる ・新事業展開や異業種への参入ができる
ⅱ 【売り手側】メリット
・後継者がいなくても、円滑に引退できる ・「顧客・販売先」「従業員」「資産」などの経営資源を、個別に他社へ引継ぐことができる ・経営資源を有償で引継ぐことで、廃業費用の一部をまかなえたり、引退後の資金にすることができる
ⅲ 社会的メリット
・中小企業のもつ貴重な経営資源がなくなることを防ぐ ・中小企業の減少をくい止めることで、国の成長につながる