収益回復のため中小企業は儲ける仕組みを改善し戦略の見直しを
同じ商品やサービスを扱っていても、 「あの会社は、どうやって儲けているんだろう…」 「どうしてお客さまが多いんだろう…」 と感じることがあるかもしれません。 企業の経営について考えるとき、まずは儲ける仕組みをとらえることが大切です。 ・どのように儲けているのか ・どのような費用がかかるのか など、利益の構造について、日ごろから考えるクセをつけておくと、とても役に立つとおもいます。 そこで、業種別などの視点から、企業の儲ける仕組みについてみていきたいとおもいます。 新たな戦略を考えるうえでの、ヒントになることを期待します。
1.流通の仕組み
まず、業種別にみていくまえに、流通の仕組みについて確認をします。 流通とは、生産者などから、商品を消費者へ販売するために生じる、モノ・お金・情報を総合した流れのことです。 生産と消費のギャップを埋めて、サプライチェーン(供給連鎖)の流れを円滑にする役割があります。

2.業種別の儲ける仕組み
ビジネスモデル=「儲ける仕組み」を考えることは、企業経営において、何かのヒントになる可能性があります。製造業
自社で生産設備を保有して、モノをつくり、販売します。いわゆる、「ものづくり」をしています。 自動車メーカー、鉄鋼メーカー、精密機械メーカー、食品メーカー、アパレルメーカーなどがあります。 【特徴】 ■原材料を仕入れて、製造・加工し、製品を生産する ■製造・加工に必要な、工場や機械などの固定資産を保有する ■機械などの設備を、定期的に新設・更新するための資金が必要になる、など卸売業
モノを仕入れ、小売業などに販売します。 多種多様な商品を取り扱う総合卸と、取扱商品を限定した業種卸があります。 また、製造業(メーカー)の代わりに小売業から商品代金を回収することで、双方の決済業務の負荷を下げる、「金融機能」があります。 【特徴】 ■小売業や飲食店、他の卸売業などに商品を販売する ■大量・多額に同じような商品を取り扱うことが多い ■ほかの業種にくらべると、薄利多売になる傾向がある、など小売業
普段から買い物をする、なじみのある業種です。 百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、ネット通販などたくさんの業態があります。 【特徴】 ■おもに個人用や家庭用の消費のための商品を販売している ■商品を販売するときに、現金決済の割合が高い(最近はキャッシュレスも増えている) ■卸売業にくらべて、多品種で少量な商品の取り扱いが多い、など建設業
建設業には、多くの業態があります。 スーパーゼネコンをはじめ、地場工務店、内装工事、空調工事、防水工事、電気配線工事、解体工事業などがあります。 【特徴】 ■建設資材を仕入れ、物件を施工したり、下請として工事のみを請け負うケースもある ■工事分野や竣工までの期間が多岐にわたる、などサービス業
サービス業はとても幅が広いです。 物品の賃貸業、クリーニング、冠婚葬祭、娯楽業、放送業、修理・整備、ソフトフェア業などがあります。 【特徴】 ■卸売業や小売業のように、基本的にはモノの仕入れはしない ■サービスの提供は形がなく(無形)、在庫はほとんど発生しない ■仕入原価が発生してもわずかで、粗利は高め、など もし自社が製造業の場合、卸売業や小売業など流通プロセス全体を考えることで、改善すべきポイントに気づく可能性があります。 以上は一例ですが、他にも特徴は考えられるとおもいます。 また、以上の5つの業種のほかにも、さまざまな業種があります。それぞれにおいて、儲ける仕組みがどのようになっているのか考えてみることで、自社のビジネスの問題点や課題などを解決するうえでのヒントになるかもしれません。