【ものづくり補助金】飲食店の採択率を上げる!申請ポイントを徹底解説!
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名前から想像すると、「ものづくり補助金」を飲食店が採択されることは難しそうな印象を受けますが、カフェやレストラン、居酒屋など実際は飲食店でも採択されている実績はあります。しかし、他業種に比べると採択率は高いとはいえません。そこで、採択されるためのポイントを抑えることで、飲食店でも、最大1,250万円まで補助されるこの補助金の採択率を高めて、飲食店経営に活用していきましょう。現在は、第16次の公募がスタートしており応募申請を受け付け中です。(令和5年11月7日締め切り)
では、はじめに簡単にものづくり補助金についておさらいします。
目次
ものづくり補助金の目的
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金です(公募要領から抜粋)。補助金額が大きいため、今後の事業拡大において大きな投資が必要となる中小企業の事業者様におすすめの補助金です。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の申請枠(補助対象事業の類型)は以下の5つがあります。各申請枠に応募申請するには要件があり、その要件を満たさなければ採択にはなりません。申請にあたり、自社の目的に合った申請枠かどうかチェックするのはもちろん、申請枠の要件を十分確認し、その要件にすべてあてはまるのかも確かめる必要があります。
<申請枠と補助上限額・補助率>
・通常枠(補助上限額:750~1,250万円、補助率1/2※小規模・再生事業者の場合2/3)
・回復型賃上げ・雇用拡大枠(補助上限額:750~1,250万円、補助率2/3)
・デジタル枠(補助上限額:750~1,250万円、補助率2/3)
・グリーン枠
エントリー(補助上限額:750~1,250万円、補助率2/3)
スタンダード(補助上限額:1,000~2,000万円、補助率2/3)
アドバンス(補助上限額:2,000~4,000万円、補助率2/3)
・グローバル市場開拓枠(補助上限額:3,000万円、補助率1/2※小規模・再生事業者の場合2/3)
飲食店が活用できる経費
機械装置・システム構築費
飲食店がものづくり補助金を活用している経費として、まずは、機械装置・システム構築費があげられます。
実際の活用例としては、調理の効率化を目的とした新型の厨房機器を導入した例(スチームコンベクションオーブンなど)や、店舗のキッチンで調理した食品を急速冷凍し冷凍食品にするためのフリーザーシステムを取り入れる経費を計上した例などがあります。
ものづくり補助金を活用し、飲食店においては調理や提供方法改善による生産性の向上を行うことで、新規顧客層の獲得・商圏販路拡大を見据えた事業展開をしやすくなります。
専門家経費
ものづくり補助金における専門家経費は、事業計画を遂行するために助言や技術指導を依頼した専門家に支払う経費が対象です。飲食店が専門家に依頼したコンサルティング業務や国内における旅費を経費の対象にすることができます。(グローバル市場開拓枠のみ海外旅費も対象。)
謝礼や旅費は、1日5万円が上限です。また依頼した内容に応じた価格の妥当性を証明するために見積書は複数必要になるため、利用する際は準備しておきましょう。
なお、専門家経費の上限額は職種によって定められています。(公募要領参照)
外注費
外注費とは、外部の企業に新製品開発のための加工や設計(デザイン)、検査を外注する場合の経費が補助金の対象になります。
飲食店が販売する商品のパッケージのデザインを依頼したり、製品の設計図の作成を依頼したりするのも外注費の経費として計上できます。
以上のように、製造業を中心とした補助金のように見えますが、実は、飲食店でも利用可能であり、飲食店の場合でも、試作品・新商品の開発などに利用できるのです。
飲食店の参考事例
それでは、飲食店で採用されている事例を一部紹介いたします。
ラーメン店の通販事業
今までは、お店でのみ提供していたラーメンを、「卓上型真空包装機」と「液体凍結機」の導入により、出来立てをすぐに冷凍保存することが可能となったため、商品の「品質向上」と「長期保存」が両立できるため、全国に発送が可能に。またそれ以外にも販路を拡大する機会を得ることができて、今では「ふるさと納税」や「イベント出店」を行うことも可能となりました。
居酒屋メニューの冷凍食品開発と販売
地元の生産者から仕入れた食材を使って地産地消メニューを開発し、その商品を冷凍食品として、一般家庭には中食需要に応えるとともに、飲食店へは仕込みの手間削減ができる商品として販売を開始。ものづくり補助金を活用し「急速冷凍機」を導入したことで、-30℃のアルコール液に商品を入れて冷凍するため、細胞が壊れず商品品質の向上に役立っています。
日本料理店が地元素材でスイーツギフトの商品化
地元の卵、牛乳を使ってシフォンカステラやプリンを商品化。「加圧蒸気焼成機」を導入することで、人手をかけずに大量に均一に仕上げることが可能となりました。そのため、地域のスイーツギフト商品として販売が可能となり、現在は新たな販路開拓に乗り出しています。
飲食店が採択されるためのポイント
革新性をどのように表現するか
機械設備の導入などを事業計画として検討した場合に、当店の思い描く今後の事業のストーリーにどのように結びつけるかがとても重要になります。その際に、今後解決していかなくてはいけない「社会課題の解決に繋がるテーマ」に繋げられることが大きなポイントになります。
例えば、環境問題、雇用問題や労働環境問題などの社会課題を解決できる方向性が事業計画書に盛り込まれていることが重要となります。飲食店の場合、フードロス対策や、地産地消、労働生産性の向上に繋がるテーマは加点要素が高いと考えられます。
自社で今まで取り組んでこなかったことを、新たな切り口で社会課題解決に取り組むことで「革新性がある計画である」と認められて、採択の確率が高まると考えられます。
申請書類にすべて書き込む
審査員は、申請者の過去の実績・現在の事業・今後の計画などすべてを事業計画書はじめとした申請書類でしか判断できません。
特に飲食店の事業者様の場合、自らの事業を客観的にみることが難しく、ついつい当たり前のこととして、相手に理解してもらう努力を怠ってしまい、事業計画書が分かりにくくなる傾向があります。
特にいつも使用している専門用語がそのまま記載されてしまい何も解説がないと、せっかくの事業計画書の内容が伝わらない場合もあります。
多少の専門性を匂わせる表記も時には必要ですが、まずは分かりやすく伝わることを重視して事業計画書を作成してください。
加点項目は出来るだけとっておく
加点項目の中には、比較的取り組みやすいものもありますので、公募要領等の内容を確認して加点を増やすことも検討してください。加点項目は下記の通りとなります。
・有効な期間の経営計画の承認を取得した事業者
・創業や第二創業後間もない事業者(5年以内)
・パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
・再生事業者
・デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
・令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者
・技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
・J-Startup、J-Startup地域版に認定された事業者
・「新規輸出1万者支援プログラム」に登録した事業者(グローバル市場開拓枠の一部のみ)
・取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)
・有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者
・賃上げ加点各種
・女性活躍等の推進の取り組み加点
その他補助金申請時の注意点
提出書類の確認
ものづくり補助金では、事業計画書(およそ10枚)の他に、必要書類や加点の為の書類など、いくつもの書類を用意して申請する必要があります。
もし、電子申請の際に誤って違う書類を添付してしまうと、書類不備ということで、不採択になる場合もあるため、細心の注意が必要です。
また、間違いが起きやすいポイントとしては、ファイル名を付ける際に、誤って違う名前を登録してしまうことで、内容が違う添付書類を提出してしまう可能性があります(例えば、決算書を添付したつもりが、労働者名簿を決算書というファイル名で添付してしまった場合など)。
電子申請で申請の際は、必ず添付資料が合っているかひとつずつ最終チェックをする際に中身も見るようにしましょう。添付する年度が異なった決算書を添付してしまい不採択になった事例もありますので注意してください。
まとめ
今回は、ものづくり補助金を飲食店で申請する際のポイントや注意点について解説しました。申請の枠ごとに様々な要件が求められますので、公募要領や事務局サイトを十分チェックしてください。
ものづくり補助金は、事業再構築補助金と同様に、要件さえ満たせばかなり使い勝手の良い補助金です。ぜひ活用をご検討ください。
当社、アクセルパートナーズは、ものづくり補助金について100社以上の支援、採択された実績がございます。応募申請だけでなく、その先の交付申請、実績報告といった手続きのサポートまで、サービスメニューをご用意しております。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。