【中小製造業】最低限知っておきたい基礎知識(その1)生産方式
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愛知県の製造品出荷額等は、39年連続日本一とのことです。
愛知県の製造業における従業者数は全国の11%を占め、全国第1位。
(経済センサス-活動調査(製造業に関する速報)平成27年より)
このように、愛知県で暮らしていると、自身が製造業に関わっていなくても、家族や知人、仕事上の取引先など、製造業に携わっているひとに出会う機会も多いです。
私は以前、製造業の経理として働いていましたが、恥ずかしながら生産現場の知識は皆無でした。
そこで、生産現場において最低限知っておきたい基礎知識について、3回にわたってご紹介していきます。
1回目は、生産方式についてみていきましょう。
[wp-svg-icons icon=”pencil” wrap=”i”]【中小製造業】最低限知っておきたい基礎知識
1.【中小製造業】最低限知っておきたい基礎知識(その1)生産方式←今回
2.【中小製造業】最低限知っておきたい基礎知識(その2)QCD
3.【中小製造業】最低限知っておきたい基礎知識(その3)設計・調達・作業
目次
1.生産・技術戦略
企業の経営戦略を策定するときに、「経営理念」や企業を取りまく環境変化を理解しながら、今後の方向性を決めていきます。
この経営戦略を達成するためには、企業の内部の視点から、次の生産・技術戦略のフレームワークを活用することがポイントです。
① 人・設備・材料などを投入して、
② 設計・調達・作業のフローで生産活動をおこない、
③ 品質・コスト・納期を満たして、
収益性や生産性を高める方策を考えていきます。
これらが、生産・技術戦略を考えるときの視点になります。
2.受注生産と見込み生産
生産活動をおこなうための生産体制には、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、生産形態として、受注生産と見込み生産をご紹介します。
1.受注生産
【特徴】
・お客様より受注をしてから生産する
【生産計画】
・お客様からの受注にあわせて計画する
【ポイント】
・納期に間に合うように、実際の作業が生産計画どおりに進んでいるか管理することが重要
【メリット】
・受注後に生産をはじめるので、お客様の要望にあわせた製品の生産ができる
・在庫を多く保有する必要がない
【デメリット】
・受注後に生産をはじめるので、生産開始から納品までの「リードタイム」が長くなる
・製造途中で生産計画・仕様の変更があると、負荷が大きくなる
2.見込み生産
【特徴】
・受注前に生産をして在庫としてもっておき、受注したら在庫から納入する
【生産計画】
・需要を予測して計画する
【ポイント】
・適正な在庫を確保することが重要
【メリット】
・在庫から納品するので、リードタイムが短くなる
・標準的な製品を繰りかえし生産するため、生産性を向上しやすい
【デメリット】
・需要予測がはずれると、余剰在庫を多く抱えたり、欠品が発生する
3.セル生産方式とライン生産方式
次に、生産方式として、セル生産方式とライン生産方式について確認します。
1. セル生産方式
【特徴】
・1人の作業者が、いくつかの工程(組立・加工・検査など)を受けもつ生産方式
【メリット】
・1人で複数の工程を受けもつため、工程内の在庫や手待ちが発生しにくい
・個人の成果がわかりやすいため、作業員のモチベーションを高めやすい
【デメリット】
・作業者に高いスキルが求められる
2. ライン生産方式
【特徴】
・ベルトコンベアなど生産ラインにおいて、複数の作業員が、各自ひとつの工程を受けもつ生産方式
【メリット】
・作業者が、少ない作業工程を専門化しておこなうため、生産性が向上しやすい
【デメリット】
・単純作業を繰り返すため、作業員のモチベーションが高まらない
4.まとめ
製品の種類が多く量が少ない「多品種少量生産」には、『受注生産』や『セル生産方式』が向いています。
製品の種類が少なく量が多い「少品種多量生産」には、『見込み生産』や『ライン生産方式』が向いています。
何をどれくらい生産するかによって、生産性を向上させる生産方式が変わることがわかりました。
製造業に関わる機会があれば、生産形態や生産方式の視点で考えると、その企業の生産活動がみえてきますね。
次回は、第2回Q(品質)・C(原価)・D(納期)についてご紹介します。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。